双日

ソフトとハードの強みを活かして

1990年代末からは、バブル崩壊の後遺症、アジア経済危機などにより経営環境は悪化。グローバル・スタンダード時代の到来により、総合商社はこれまでの規模追求から効率性を重視する時代となる。資産リストラを断行する一方で、他商社とのアライアンスを進めた。特に日商岩井、ニチメン間では、情報通信、建材、合成樹脂、化学品、石油・炭素、石炭・鉱石事業における事業統合を実施。そして平成15(2003)年、両社は経営統合し、ニチメン・日商岩井ホールディングスを設立。翌年には双日株式会社が発足した。

双日が発足した平成16(2004)年は、ちょうどBRICsを中心とした新興国ブームが沸きあがり、資源価格の高騰が始まった年でもあった。双日は資源と新興国関連ビジネスの強化を図り、OIL&ガスの分野では、英国、米国、ブラジル、カタール、エジプトにおける原油・ガス権益の取得を進め、インドネシアではタングーLNGプロジェクトにも参画した。双日はレアメタル分野に強みがあり、バナジウム、モリブデン、ニッケル、タングステン等の資源確保に努めた。また日中関係の悪化により中国産レアアースの輸入が滞ると豪・ライナス社と事業提携を締結し、調達先の分散を図った。石炭分野では豪、インドネシアを中心に権益確保を進め、平成22(2010)年には豪・ミネルバ炭鉱の株式を96%に買い増して実質オペレーターとしての機能を備えるようになった。

資源分野をエネルギー・金属だけでなく、林産、鉱産、食料等を含めた「広義の資源確保」を重要課題として取り組み、国内初のマグロの養殖事業、モザンビークにおける製紙用チップ事業、インドにおける肥料・工業塩事業にも参画した。

一方、非資源分野における事業も積極的に展開し、航空サービス事業を手掛けるJALUXへの出資、中国、ベトナム、ミャンマーにおける小売および卸売り事業、ベトナムにおける穀物専用港事業、ブラジルにおける農業・穀物集荷ターミナル事業などを推進。国内では、マンション事業に加えショッピングセンター事業を手掛け、データサービス事業のさくらインターネットにも経営参画を行った。

新興国においては、富裕層・中間層の購買意欲の高まりを受けてタイ、アルゼンチン、プエルトリコ、ロシア、ウクライナ等にて自動車関連事業を積極展開。トルクメニスタン、アンゴラ、ロシア等において肥料プラントを受注し、インドにおいては円借款として最大規模となる鉄道敷設事業を受注。更に中東におけるIPP事業の受注など各国のインフラ整備にも貢献してきた。

環境意識の高まりを受けて、ドイツ、イタリアにおいて太陽光IPP事業にも参画し、平成25(2013)年には国内においてもメガソーラ事業に参入した。またバイオエタノールやグリーンケミカル事業など地球にやさしいビジネスを強化している。

また、ベトナムにおいては、ドイモイ政策をスタートさせた昭和61(1986)年に総合商社として初めてハノイ駐在事務所を開設するなど、長年の友好関係と同国の経済発展への貢献が評価され、平成18(2006)年にはベトナム政府から日本企業初の友好勲章が授与された。

双日が96%出資している豪・ミネルバ炭鉱
2010年に出資参画したインド北西部における硫酸カリ肥料・工業生産現場
2007年に参画したベトナムIFV社の穀物専用港