コミュニティ

方針・基本的な考え方

企業による経済活動は、原料の原産地、加工地、事業地などの地域社会に大きな影響を与えるため、その社会的責任がますます重要視されています。

双日は、事業を行う上で、地域社会との共生は不可欠なものと認識しており、『地域社会』をマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)の一つとしています。地域社会と共に発展する事業の推進と事業を通じた環境・社会影響負荷の削減に取り組むことにより、地域社会と共に発展・成長を実現することを掲げています。

地域社会と継続的にコミュニケーションを図り、事業の持続可能性の追求と地域社会の課題解決と発展、次世代教育支援等にも取り組みます。

当社の「コミュニティ」に対する貢献には、「事業活動によるもの」と、「社会貢献活動」があります。

閉山:方針・基本的な考え方

当社は鉱山開発・操業事業において、環境保全や安全衛生管理・地域社会への貢献に配慮した事業活動を行っています。鉱山開発ではさまざまなリスクが想定されますが、当社では計画段階から環境汚染や事故の防止策などを社内で十分に検証した上で推進しており、リスク顕在化の未然防止に取り組む方針です。

また、持続的な鉱山操業の為に安全衛生管理の徹底はもちろんのこと、全ての鉱山において操業期間や閉山時においても必要となるリハビリテーションを実施するなど、環境負荷の低減と環境保全を進めています。

社会貢献活動:基本的な考え方

双日グループは、企業理念である『誠実な心で世界を結び、新たな価値と豊かな未来を創造』することに基づき、持続的社会の実現に向け、一人ひとりが社会の一員として、マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)に沿った活動を通じ、社会課題の解決に貢献していきます。

ご参照:

目標

中期経営計画2026 ~Set for Next Stage~ (2024年度~2026年度)

双日は、中期経営計画2026において、3つの注力領域を定めており、何れも「コミュニティ」への貢献が見込まれ、取り組みを深化させていきます。

戦略的強化領域① エッセンシャルインフラ
戦略的強化領域② フードバリューチェーン
戦略的強化領域③ エネルギー・素材ソリューション

中計2026の3つの注力領域

ご参照:

体制

地域社会を含めたサステナビリティに関する全社方針や目標の策定、それらを実践するための体制の構築・整備、及びISO14001の管理体制を活用した各種施策のモニタリングはサステナビリティ委員会にて討議し、経営会議、及び取締役会に報告のうえ、取締役会より監督・指示を受けています。

サステナビリティ委員会では、地域社会との共生を含めたサステナビリティに関する全社方針や目標の策定、それらを実践するための体制の構築・整備、及びISO14001の管理体制を活用した各種施策のモニタリングを行っています。

加えて、投融資を審議する投融資審議会では、個別案件の審議においてサステナビリティの観点からの推進意義、及び環境・社会(人権)リスクの確認を行っています。尚、サステナビリティ委員会にて策定された方針や目標、及び環境・社会(人権)リスクに関するモニタリングについては、専任組織であるサステナビリティ推進部が担当しています。

サステナビリティ委員会

サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関する全社方針や目標の策定、それらを実践するための体制の構築・整備、及びISO14001の管理体制を活用した各種施策のモニタリングを行っています。

サステナビリティ委員会メンバー(2024年6月18日現在)

委員長
  • 社長 COO
委員
  • 代表取締役会長 CEO
  • 専務執行役員(CFO 兼 コーポレート管掌 兼 経営企画担当本部長)
  • 常務執行役員(人事担当本部長)
    執行役員(広報、IR、サステナビリティ推進担当本部長)
オブザーバー
  • 常勤監査等委員
  • 法務部長
  • 経営企画部長
事務局
  • サステナビリティ推進部

サステナビリティ推進・実行体制図

リスク管理体制

新規事業投融資における環境・社会リスク管理

  • 新規投融資案件の審議にあたっては、申請部署に『環境・社会リスクチェックシート』の作成を義務付けています。申請部署は、『環境・社会リスクチェックシート』を活用して、地域住民へ影響を与えるリスク、労働安全に関わるリスクなどの各種リスクについて、必要なデューデリジェンスを行います。

既存事業のモニタリング

外部分析と内部分析を通じて、グループ会社(連結子会社・持ち分会社)と取引先を含め、双日グループの事業の中から、地域社会に対するリスクが高い事業分野を特定し、川上から川下までの一連のサプライチェーンにおいて、一般的に環境・社会課題が発生し易いのはどの位置で、当グループの事業はサプライチェーンのどの位置を担っているのかを分析・確認しています。今後は外部専門家による第三者意見を踏まえ、リスク対応のPDCAを実行し、課題認識の風化を防ぐとともに、新たなリスクの確認など、取り組みを深化させていく予定です。

また、双日単体では、環境マネジメントシステムとして国際規格であるISO14001を採用しています。汚染防止の取り組みの観点についてもモニタリングします。

取り組み

海外工業団地事業

日系企業の海外進出をサポートすべく、双日グループではアジアを中心に工業団地開発事業に注力しています。工業団地を開発・販売するだけでなく、電気・上下水道などの基幹インフラの安定供給や物流・ITサポートなどの進出企業への各種サービスを拡充し、安定操業を支援するとともに、当該国の雇用創出や技術移転を通して、経済発展を下支えしています。今後も本事業の拡大を通じ、各国の産業の成長に寄与していきます。

パラオの持続的発展に向け、国際空港運営に参画

年間約13万人の観光客が訪れるパラオ共和国では、訪問人口の増加に伴い、唯一の国際空港であるパラオ国際空港の重要性が高まっています。この国家的な交通インフラの再整備事業に向け、当社は、日本空港ビルデング株式会社と設立した中間持株会社を通じて、2017年8月、パラオ政府とともに空港運営事業会社、パラオ・インターナショナル・エアポート社を設立、2019年4月14日に着工した新航空ターミナル施設などの改修・拡張工事の完工を祝し、2022年5月8日に開業式典を開催しました。

当社は、パートナー企業が有する航空関連の知見やネットワーク、旅客ターミナル運営のノウハウを活かし、旅客サービスの高度化と利便性の向上、商業施設の充実を図っていきます。さらに、パラオの観光振興に関する政策立案プロセスにも積極的に参画し、観光業を基幹産業とするパラオの経済・社会の持続的な発展への貢献を目指します。

パラオ国際空港

インド鉄道事業

当社がインド最大のゼネコンとともに建設を進めるデリー~ムンバイ間貨物専用鉄道事業をご紹介します。同鉄道は急増が見込まれる、デリーを中心とする北部とムンバイ西部の間の貨物輸送を担ってインドの経済発展に貢献します。また、路線周辺には250を超える日系企業の拠点があると言われており、現地に進出している日本企業への寄与も期待されます。

軌道敷設工事風景

トルコ・豪州における病院事業

トルコ病院事業

当社は、100%子会社を通じて、トルコにおいて病院施設運営事業を行っています。
トルコの大手建設会社であるルネサンスグループと共同で事業会社を設立し、イキテリ(İkitelli)総合病院(所在:トルコ イスタンブール市、病床数:2,682床)の施設運営を行います。日系企業が施設運営に関与する単一の病院としては、国内外含め最大規模となります。
トルコでは、病床不足を解消するため官民連携によるPPP(※)に基づいた40,000床分の公立病院の整備がトルコ保健省により計画されており、イキテリ総合病院は一般病棟、循環器病棟、癌病棟、婦人病棟、小児科病棟、整形外科病棟、理学病棟を含む新設の総合病院として、一連の計画の中でも最大規模となります。トルコの医療崩壊を起こさないための最後の砦として同病院が機能しています。

  • PPP:Public Private Partnership(官民連携事業)

豪州病院事業

当社は豪州における病院施設運営事業に参画しています。双日グループが30%、豪州の大手投資会社であるプレナリーグループが70%を出資して当該事業を推進する事業会社を設立し、ビクトリア州でNew Footscray総合病院の施設運営を行います。2025年に開院する計画で、総事業費は約15億豪ドル(約1,200億円)を見込んでおり、ビクトリア州における単一の医療インフラ投資事業としては最大規模となります。官民連携のPPP事業として、ビクトリア州政府と長期の契約を締結し、新設病院の設計、建設、ファイナンス、施設運営までを提供します。New Footscray総合病院が位置するメルボルン西部のFootscray地域の人口増加に対応し、地域住民の病床数確保、及び患者受け入れに貢献していきます。

ご参照:

社会貢献活動

東日本大震災への事業を通じた復興への取組み

双日食料水産株式会社の工場は、震災当時岩手県大槌町にあり、甚大な被害を受け生産停止を余儀なくされました。その後、関係者の協力の下、釜石市に新工場を再建し、2012年3月より操業を再開。同社の再建は、沿岸部の基幹産業である水産業の復興と雇用創出、地域コミュニティ再生につながっています。現在、同社は主要製品である鮭フレーク事業を中心に業績の回復に努めています。

パフォーマンス

直近の主な寄付実績

取り組み・活動(時期) 寄付実績 (※)
台湾地震被災地への支援(2024年4月)
  • 義損金500万円、双日台湾会社より5万台湾元
令和6年能登半島地震被災地への支援(2024年1月)
  • 義損金1,000万円
モロッコ地震被災地への支援(2023年9月)
  • 義損金500万円
トルコ地震被災地への支援(2023年3月)
  • 義捐金1,000万円
パキスタン洪水被害への支援(2022年11月)
  • 義捐金300万円
職域接種に合わせたコロナ対策緊急支援社内募金とマッチング拠出(2021年)
  • 双日グループ有志一同として99万957円(同額を双日がマッチング拠出)
令和2年7月豪雨に対する支援(2020年7月)
  • 義捐金500万円
令和元年台風第19号被害に対する支援(2019年10月)
  • 義捐金500万円
インドネシア・スラウェシ島中部地震被災地への支援(2018年10月)
  • 双日インドネシア会社とともに5億ルピア(375万円相当)
北海道胆振東部地震被災地への支援(2018年9月)
  • 義捐金300万円
西日本豪雨災害被災地への支援(2018年7月)
  • 義捐金1,000万円
熊本地震被災地への支援(2016年4月)
  • グループで義捐金・飲料水など総額1,000万円
  • グループ社員からの寄付金161万5,770円
台風18号の被災地への支援(2015年9月)
  • 義捐金100万円
ネパール西部地震への支援(2015年4月)
  • 義捐金100万円
中国・雲南省地震への支援(2014年8月)
  • 義捐金100万円
フィリピン中部(台風30号)の被災地への支援(2013年11月)
  • グループで義捐金1,000万円
ニューヨーク市(米国ハリケーンSANDYの被害に対する支援)(2012年10月)
  • グループで義捐金5万ドル(420万円相当)
タイ・洪水被害(2011年8月)
  • 双日アジア会社、双日タイ会社とともに
    義捐金および支援物資(総額)1000万円相当
日本・東日本大震災(2011年3月)
  • 義捐金1億円
  • グループ社員からの寄付金約1,600万円(外貨を含む)
ニュージーランド地震(2011年2月)
  • 双日ニュージーランド会社と共同で義捐金100万円
ブラジル水害(2011年1月)
  • 双日ブラジル会社と共同で義捐金300万円
オーストラリア・クイーンズランド州洪水被害(2011年1月)
  • 双日豪州会社と共同で義捐金10万豪州ドル(約830万円)
中国土石流(2010年8月)
  • 双日中国会社と共同で義捐金100万円
パキスタン水害(2010年7~8月)
  • 義捐金100万円
中国・青海省地震(2010年4月)
  • 義捐金100万円、双日中国の社員より20万円
  • 義捐金、支援金などは各国の赤十字社や被災地で活動するNGOなどに寄付しています。