金属・資源・リサイクル本部
金属資源や鉄鋼分野における上流権益投資及びトレーディング事業に加えて、リサイクルを含むサーキュラーエコノミーの領域に本格参入し、社会ニーズに対応した新規事業の創出・推進に取り組んでいます。
本部方針
近年の地球温暖化・脱炭素社会への潮流加速化を背景に、金属・資源分野ではサステナブルな事業への変革を推進します。また、近未来の循環型社会を見据え、リサイクル分野への取り組みを強化します。
執行役員
金属・資源・リサイクル本部長
松浦 修
地球温暖化・脱炭素社会への潮流加速化による社会ニーズの変化を見定め、サステナブルな事業への変革を推進します。また、循環型社会を見据え、リサイクル分野への取り組みを強化します。具体的には中計2023で掲げた3つの領域の案件を推進します。①サーキュラーエコノミー領域については、北米での電子機器リサイクル事業への出資を皮切りに、関連の取り組みを加速させ、規模感のあるビジネスに育てていきます。②脱炭素・二次電池・新素材といった社会ニーズに対応する新しい事業の創出については、DAC*1の研究開発・量産化を目的にCarbon Xtract株式会社の設立、半導体の製造に不可欠であるフッ酸の製造事業、二次電池原料の供給、二次電池のリユース・リサイクル等、取り組みを始めている各事業の実現・収益化を進めていきます。③金属資源上流権益については、特色のある資源を安定供給するための取り組みと位置づけ、コスト競争力のある権益取得を狙っていきます。一般炭権益等の資産入替を含め、質の高い上流権益ポートフォリオを構築していきます。
金属資源や鉄鋼製品等の既存各事業においては、デジタル技術も活用し、品質・コスト競争力・効率性を高め、安定的に収益を出せる体制への強化を進めます。
*1 DAC:大気から二酸化炭素を直接回収する技術
本部の強み
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総合商社唯一の
炭鉱操業自社の豪州炭鉱操業で蓄積されたノウハウを自社及び他社の鉱山操業へ展開、操業請負事業への進出を目指す
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鉄鋼総合商社
メタルワンや
CBMM
(ニオブ鉱山事業)
などの安定収益事業成長市場での事業拡大、新規需要の取り込みを通じて安定収益基盤を拡大
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特色ある
希少資源の
取り扱いニオブ*2 やクロムといったレアメタル、蛭石や蛍石といった鉱産物など、特色のある資源を取り扱い、安定的かつ柔軟なサプライチェーンを構築。加えて、負極材料等の将来性のある新素材の開発にも取り組み中
*2 ニオブ:自動車向け鋼材の軽量化・剛性化などのために高張力鋼やステンレス鋼に使用される鉄鋼添加剤
外部環境
機会
- 新興国を中心とした資源・鉄鋼・産業資材需要の増加
- 環境関連の法規制強化・改正による新たな商材需要の具現化
- 持続可能な社会の発展に寄与する新技術・新素材のニーズ増加
- リサイクルや副産物処理など環境配慮型ビジネス需要の高まり
リスク
- 資源価格や為替の変動、インフレによる事業収益低下リスク
- ロシア・ウクライナ情勢や資源ナショナリズム、米中貿易紛争等の地政学リスクの顕在化
- 代替品の台頭や規制強化による取り扱い商品の競争力低下
- 炭素税等の世界的な環境規制の厳格化
主な取り組み
事業MAP
ニオブ鉱山事業:CBMM(ブラジル)
DAC装置(イメージ)
金属3Dプリンタで造形した製品:日本積層造形株式会社
事業内容
■ 原料炭事業及び鉄鋼製品事業
世界的な環境意識の高まりや持続的な成長の観点から、一般炭権益事業からの早期撤退を図り、一方で、当社主力原料炭鉱山である豪州グレゴリー・クライナム炭鉱での生産増強とコスト削減を進めています。また、総合商社で唯一の炭鉱操業機能で蓄積したノウハウと既存インフラを活用し、周辺炭鉱の操業請負事業などを目指します。また、三菱商事株式会社との共同事業である鉄鋼総合商社の株式会社メタルワンが手掛ける鉄鋼製品ビジネスにおいて、当社とのシナジーを追求し、協業やサポートを行っています。
■ サーキュラーエコノミー事業
脱炭素化や省資源化などの潮流を踏まえて、リユース・リサイクルを含むサーキュラーエコノミー事業を拡大します。これまでの具体的な取り組みとして、国内ではIT Asset Disposition事業者であるTES-AMM JAPAN株式会社、およびPET(ポリエチレンテレフタレート)のケミカルリサイクル事業を推進するペットリファインテクノロジー株式会社に出資を実行した他、カナダの家電・電子機器リサイクル事業者のeCycle Solutions Incにも出資・経営参画しました。これら金属リサイクル等廃棄物の再資源化を含むサーキュラーエコノミー領域において、規模感のある事業の構築を行い、循環型社会の実現に向けた取り組みを進めていきます。
■ 社会ニーズに対応した事業
社会ニーズの大きい二次電池や脱炭素領域において、新しい事業の創出を推進していきます。すでに取り組みを進めているニオブチタン酸化物を活用したEV用リチウムイオン電池向け負極材の開発、水素関連の実証事業に加え、二次電池のリユース・リサイクル事業や排出権取引・CCUSなどへの取り組みの他、DACの研究開発及び早期社会実装を目指し、Carbon Xtract株式会社を設立しました。また、半導体や次世代電池の原料サプライチェーンに不可欠なフッ素化合物の製造事業を2026年度に開始すべく検討・推進中の他、金属3Dプリンタ事業を行う日本積層造形株式会社では、軽量化を目指す自動車部品の開発や歯科分野での応用など高精度な実用品市場で多品種少量生産需要の取り込みを目指します。
組織図
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