ベトナムにおける社会貢献活動

双日グループは、サステナビリティ重要課題の一つとして「人権」と「地域社会」を掲げています。

ベトナムにおいては、子どもの人権の尊重と次世代教育の観点から、奨学金制度や本を寄贈しています。これは、SDGsの目標4である、「質の高い教育をみんなに」にも通じる活動であり、経済的事情に関わらず子どもたちが平等に質の高い教育を受けられる社会の実現に貢献しています。

ベトナムにおける教育支援(奨学金プログラム、奨学生家庭訪問、絵本・本棚寄贈)

双日グループでは、ベトナム南部ホーチミン市の東に位置するドンナイ省、北部のハノイ市、中部のダナン市において奨学金プログラムを実施しており、成績優秀な小・中・高校生を対象に毎年奨学金を給付しています。また、2018年度からベトナム中部のダナン市においても同プログラムを実施しております。ダナン市においては、2019年から双日ベトナムの社員が奨学生の家庭訪問を実施。2020年からは奨学金だけでなく、小学校40校に各32冊の絵本と本棚の寄贈も行っていました。2023年度からは、音楽の授業に使用するリコーダーの贈呈を開始しました。今後5年かけてダナン市の全小学校に各45本のリコーダーを贈呈する予定です。

経済成長著しいベトナムにおいても未だ経済格差は大きく、両親が企業勤務者であっても、その賃金は政府が定める最低賃金もしくはそれに近い低賃金であるケースも稀ではなく、家庭の収入を助けるべく やむを得ず就学を諦める学生が多くいます。一方、政府は「ベトナムを早期に近代的な工業国にする」という目標を掲げ、従前の労働集約型産業から、電子、機械、造船、省エネ、自動車などの高度な戦略産業の誘致により工業化を促進する方針であり、それら産業の持続的成長を支える人材育成が急がれています。

また、双日にとっても、双日グループの各事業は勿論のこと、ベトナムの各産業の持続的成長を担う人材の育成は必要不可欠であり、中長期的にもその育成に貢献していくことが、双日が目指す地域社会とともに発展する事業の推進につながると考えています。

奨学金は、ドンナイ省・ハノイ市・ダナン市それぞれの教育訓練局と双日とで設ける選定基準をクリアした学生に支給されており、2012年度から2022年度の間に累計4,671名の学生が本プログラムを活用して学習に励んでいます。

双日グループは、今後ともベトナムにおける様々な事業の組成・拡大に取り組んでいくことに加え、教育支援など社会貢献の拡充にも取り組み、ベトナムの持続的成長に貢献していきます。

  • ドンナイ省での奨学金授与式
  • ダナン市での奨学金授与式
  • 学生の家庭を訪問
  • 小学校に絵本と本棚を授与
  • 本棚を前に記念撮影
  • 小学校でのリコーダー演奏
奨学生の累計人数の推移

ベトナム理工系大学生の人材育成・確保に向けた支援

日本企業においては中堅・中小企業中心に外国人の高度人材(理工系大学卒)の不足が課題となっており、一方でベトナムでは、日本での就業意欲がある学生が多く大学に在籍しているものの、日本企業に就職する機会に恵まれないという現状があります。

この両国の課題解決のため、双日は、2018年11月にベトナムとの人材交流に関心を持つ川崎商工会議所等の関係者と協力し、一般社団法人外国人材支援機構(HuReDee)を設立しました。同機構は、ベトナム国立大学3校(ハノイ工科大学、ハノイ交通運輸大学、ホーチミン情報技術大学)と提携し、日本企業への就職希望学生を選抜した上で、日本語・ビジネスマナーを教える「HuReDeeクラス」を提供してます。日本においては高度外国人材の求人ニーズのある企業と、大学での講座運営費を負担するスポンサー契約を締結した上で、就職の斡旋を行ってます。

双日は、現地提携大学での「HuReDeeクラス」をサポートする他、長年培ったベトナム政府・教育機関との人脈を活かし、新たな大学との連携を支援してます。また、日本おいては、双日グループのネットワークを活用しながら、新たなスポンサー企業を募り、日越の人的交流をさらに活発化させる活動を行ってます。

2019年度は85名、2020年度は71名、2021年度は53名が受講し、日本企業に多くのベトナム人大学生の就職が決まっています。

ハノイ交通運輸大学(ベトナム国立大学)において「HuReDeeクラス2期生」(25名)の修了式

<外部サイト>

ハノイ貿易大学で双日ベトナム会社社長が講義

2020年12月2日、ベトナム・ハノイ貿易大学において、JETROの協力により、双日ベトナム会社・木ノ下社長が「ベトナムでのビジネスと社会貢献の両立」をテーマに、日本語学部の4年生約80名に向けて講義を行いました。

ハノイ貿易大学はベトナムではハノイ工科大学と並んで最難関と言われる大学であり、双日ベトナムでも同大学出身者が多く働くなど、当社にとっても馴染みの深い大学でもあります。

講義では、双日がベトナムで展開するさまざまな事業の一つとして1993年から取り組む植林・チップ製造事業を紹介。同事業が、伝統的な焼畑農業と戦争で荒廃した土地の緑化、そして、地元農家が植林・育成に携わることによる雇用創出など、地域の発展に寄与してきたことなどに触れました。講義を聞いた学生からは「双日が事業を通じてベトナムの戦後の復興と森林回復に貢献してきたたことが分かった」「ビジネスと社会・環境課題への配慮の両立について考えさせられた」といった声が聞かれました。

  • 木ノ下社長による講義
  • 受講した学生と記念撮影