議長メッセージ
企業価値向上を目指して、
中計2023の目標達成に向けた
変革を後押ししていきます。
取締役会議長に就任し、2年が経過しました。2021年3月期は、取締役会において「中期経営計画2023」(以下、中計2023)の策定に向けた議論に多くの時間を割いたのに対し、2022年3月期では、その達成に貢献するための議論を行うことが取締役会の最大のテーマとなりました。有効かつ十分な議論を行うために、2021年6月の取締役会で1年間の基本的な運営計画を予め設定し、それぞれの議論に割く時間配分を明確化するなど、これまで以上に実効性の高い運営を行えるよう、議長として取り組んできました。
また、社外取締役として朱さんが新たに加わり、金融機関での実務経験に裏打ちされたM&Aや資本政策への豊富な知見をもとに、取締役会の活性化にご助力いただきました。さらに、2022年6月には小久江さんにも社外取締役に就任していただきました。さまざまなステークホルダーとの対話やサプライチェーンマネジメント、環境などに関する知見を活かし、他の社外取締役の皆様とは違う角度からのご意見をいただけるものと期待しています。
この1年の取締役会での議論を振り返りますと、中計2023で掲げた各施策を前倒しで実行していくという会社の方針もあり、投資案件の審議が多くありました。各営業本部から各施策の進捗度合いについて報告を受けながら、進捗が芳しくない投資案件については改善を図るために活発な意見を交わすなど、実質的な議論を行うことができたと評価しています。中計2023の達成に貢献するという取締役会としての役割を、初年度としては十分に果たすことができたのではないでしょうか。一方、PBR1倍超という目標に対しては、0.64倍(2022年3月末時点)に留まりました。中計2023の目標達成に向けた道のりは長く、取締役会としてもやるべきことはまだ多くあると認識しています。
私が考える社外取締役の役割は、企業価値の最大化に向けて、社長をはじめとした執行側の皆さんが安心して事業運営に専念できるようサポートし、時には果敢に挑戦できるよう背中を押してあげることです。そのための適切な体制を確保することを、株主や資本市場からも期待されていると認識しています。また、多様なバックグラウンドを持つ社外役員がさまざまな角度から意見を述べることで、執行側の経営陣に対して気づきを与えられると考えています。
双日が、従来のトレーディング中心から、事業会社に資本参加してバリューアップしていくというビジネスモデルに変わりつつある中で、メーカーを傘下に入れることが多くなっています。私個人としては、長年メーカーの経営に携わってきましたので、そうした経験や知見をもとに、引き続き積極的に議論に参加していく考えです。また、取締役会議長として、就任以来心がけてきたのは、構成メンバーが気兼ねなく考えていることを発言できるような雰囲気を作ることです。実際に藤本社長をはじめ、経営陣と遠慮なくさまざまな話ができる関係を築けていると感じています。今後も積極的な意見交換を通じ、双日の企業価値の最大化に貢献していきます。