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※所属組織、役職名等は2023年9月発刊時のものです

ceo概要

次へと挑み続ける

常に先を見据える。次に挑む。滞りなく日々を繰り返すだけでは、人は成長しません。企業も同じです。私が中期経営計画の策定に本格的に携わるようになったのが、経営企画担当役員時代の「中期経営計画2017」(以下、中計2017)(2016年3月期~2018年3月期)です。その公表に際し、トレーディングと事業投資の両輪で利益水準を高めていくことで、2015年3月期に331億円であった当期純利益を、最終年度には600億円以上にすることを目標として掲げました。しかし、残念ながら568億円と未達となりました。当初計画通りに投資を積み上げることができなかったことが要因ですが、その背景には案件組成能力とスピードの不足があり、抜本的な改善が不可欠であると私は認識していました。双日は発足後から経営再建に重きを置かざるを得なかった会社です。新たな事業投資を抑えることで安定した財務基盤を手に入れた代わりに、事業投資を通じて新たな機能やネットワークを獲得する機会を一部手放してしまっていたこともあり、持続的な利益成長のための新規投資を促そうとしても現場から投資案件自体がなかなか上がってこない、また、上がってきたとしても小ぶりで計画通りには利益を積み上げることができませんでした。

社長就任後は、先を見据えて挑戦することを社員に促す施策を数々打ってきました。他商社と比較し、資本力が劣後しているが故に、資金力で勝負することは難しい。だからこそ創意工夫しながら、常に双日らしい機能と付加価値を磨き続ける必要があります。少しずつですが、議案として上がってくる投資案件の規模感や内容が変化していることが見て取れるようになり、進めてきた施策が社員に浸透し始めたと感じています。その結果として現在の「中期経営計画2023」(以下、中計2023)(2022年3月期~2024年3月期)では、2期連続で過去最高益を更新し、2023年3月期には当期純利益が初の4桁億円となる1,112億円となりました。2018年に発表した中期経営計画2020(以下、中計2020)で連結純利益1,000億円以上を実現したいとお伝えしてから5年間でここまでこられたことは大変感慨深いです。それ以上に一つの目標としていた利益水準を達成したことで、今は新しいステージへの挑戦意欲をさらに高めています。

次の成長へとギアチェンジする

総合商社に共通するビジネスモデルの軸足は、全てのバリューチェーンにおいて川上のメーカーから川下の消費者へ移行しつつあります。昔ながらの商社機能の一つだった、付加価値が限られる収益性の低い川中のビジネスから、より付加価値を生み出しやすく、収益性の高い川上、もしくは、川下のビジネスに軸足を移していく。昨今における総合商社のポートフォリオ変革を、このように捉えられている方も多いかもしれません。しかし、私たちは違います。当社が目指しているのは、川上と川下の「両方を押さえにいく」ことです。つまり、川上や川下に属する収益性の高い事業投資を単発で積み上げるという発想ではなく、川上の点と川下の点をつなぎ線にし、さらに線から面へと、事業領域を広げるための投資を行い、機能やネットワークを磨き上げ、強化していく。そして、投資した各事業のバリューアップを図るとともに、次の展開につなげていく。これらを重視した上で、3つの注力領域における新規事業投資を着実に進めてきました。

インフラ・ヘルスケア

エネルギーソリューションを一例に挙げると、原油・ガスや石炭などの化石燃料の権益開発、生産や販売で構築してきた電力、ガス、各産業のメーカー等との歴史的なネットワーク・パートナーシップを基盤に、川上の火力、再生可能エネルギー発電事業、そして、川下の省エネルギーサービス事業や電力・ガス小売事業へと事業領域を広げてきました。今後は数年先にとどまらず、2030年、2050年といった将来における世界や日本のエネルギー構成についてさまざまなシナリオを想定しバックキャストすることでビジネスを創造することが求められます。当社は過去の歴史の中で、日本やアジアのエネルギー確保、安全保障に貢献してきましたが、脱炭素社会の実現に向けて次の一手として注力していきたいのがエネルギートランジションの加速によってますますニーズが高まっている「次世代の新たなエネルギー」の領域です。昨年秋に、シンガポールを拠点とするエネルギー及び都市ソリューションの大手デベロッパーであるSembcorp Industries Limited (以下セムコープ)と、脱炭素をテーマとした広範囲なインフラ及び新エネルギー分野の事業領域での戦略的提携の覚書を締結しました。シンガポールは、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、新エネルギーの開発、活用に本腰を入れて取り組んでいます。火力発電や再生可能エネルギー事業等の投資経験から、次世代エネルギー分野においても、事業の成否を分けるのは生産した電力、エネルギーを長期間にわたって一定の価格で販売することが可能かどうかであると認識しており、その点でシンガポールのエネルギー戦略において重要な役割を担う政府系企業セムコープとの戦略的提携は大きな意味があると考えています。本提携も、当社とセムコープが、ベトナム火力発電事業等を通じて20年以上にわたる協業の実績があるパートナーであったことから実現できたものです。互いの強み、不足する機能を補完し合いながら、アジア・大洋州で再生可能エネルギーや、グリーン水素・アンモニアのバリューチェーン、廃棄物を活用した再生可能天然ガスなど、新エネルギー分野の事業領域で協業を図り、日本やアジアの産業・社会に貢献していきます。

2022年10月 セムコープとの覚書調印式

成長市場×マーケットイン志向

「成長市場×マーケットイン志向」では、水産加工品事業のバリューチェーンの拡充が進んでいます。国内における水産物需要は縮小傾向にありますが、世界的には需要が拡大しており、長期的に大きく伸長することが見込まれます。当社では、過去マグロのトレード事業を中心に行っていましたが、川中ビジネスのみでは収益規模の拡大が図れません。2003年から取り組んでいる中国の冷凍マグロ加工販売事業や、2008年に参入した鷹島マグロ養殖事業といった川上や加工事業への幅出しを行ってきましたが、これではまだ不十分で、ここからさらなる成長のために、2022年にマリンフーズ株式会社の水産食品加工・販売事業といった川下事業を連携させることで、まさに、点から線、線から面への事業拡大を実現してきました。2023年3月には、冷凍マグロの仕入れ・加工から販売まで行うトライ産業株式会社の全株式を取得しましたが、これにより、これまでのマグロの養殖や海外加工に加え、新たに国内加工という付加価値を加えることで機能が拡充されました。このことから、マリンフーズが有する約4,000社の顧客接点を、充実した商品提案につなげることが可能となっています。健康志向の高まりなどを背景に、回転寿司や総合スーパーなどにおける水産食品市場が今後も世界的に拡大していくことを見据え、それぞれの強みである顧客基盤や高品質かつ価格競争力のある水産加工品を、当社の機能であるグローバルネットワークと掛け合わせることで収益規模の拡大を図っていきます。

素材・サーキュラーエコノミー

限りある資源の有効活用や環境負荷低減といった循環型社会の実現に向けた取り組みに加えて、半導体や次世代電池、医療、電気通信など、今後ますます重要性が高まる産業に必要不可欠な素材調達・長期安定供給における商社の果たすべき役割があると考えています。当領域は競争環境が激化しており、投資の見極めを行ってきましたが、中計2023期間中に北米電子機器リサイクル事業(カナダ最大手の都市鉱山リサイクル事業者(eCycle Solutions Inc.)との協業)と、日本国内におけるレアアース、フッ素サプライチェーンの強靭化に向けた足掛かりを創ることができました。新たな事業領域ではありましたが、いずれの事業も商社機能の基本であるトレーディング事業により過去から信頼を積み重ねてきたお客様とのパートナーシップやネットワークを活用して創造した事業です。次世代蓄電池用途などで期待されるフッ素原料について、2023年2月に、当社、Mexichem Fluor, S.A.de C.V. (以下メキシケム)、その日本法人であるメキシケムジャパン株式会社、及び福岡県北九州市との間で立地協定を締結しました。日本では今後需要の拡大が期待されるフッ素原料の国内需要分のほとんどを極めて限られた地域から輸入しており、経済安全保障の面から課題となっていました。当社はメキシケムと、フッ素の原料である蛍石のトレーディングを30年以上にわたり行うことで良好なパートナーシップを築いており、これら日本の課題に関して、メキシケムの蛍石調達能力、フッ素関連事業の経営経験と当社が有する事業運営ノウハウや販売ネットワークを掛け合わせ、日本国内におけるフッ素サプライチェーンの強靭化、さらにその川下産業の発展に貢献していくことを目指しています。

そのほか、2011年にレアアース製品の日本市場における独占販売契約を締結した豪州のLynas Rare Earths Limitedに対し、レアアース(希土類)の日本向け供給確保を目的とした追加出資(総額2億豪ドル相当)を2023年3月に決定するなど、引き続き、過去の事業やトレードで培ったネットワークからの幅出しを行うことで将来の収益に貢献する事業領域にアセットを積み上げていきます。

双日らしい発想で、新たな道を切り開く

既存ビジネスの収益構造の変革においても同様に、競合他社に比べ資金力で劣っている部分について、双日らしい創意工夫で改善を図っています。

例えば、グループ会社である双日食料が、2018年に合弁会社として設立したミートワンという会社があります。当社は世界最大の穀物商社であるCargill, Inc.,と半世紀以上にわたり取引をしており、同社が扱う食肉の販売力を高めることが当社の課題でした。しかし、日本国内の食肉の販売で高いシェアを占めているハム・ソーセージメーカーはすでに他商社等との取引関係があり、当社との取引をさらに拡大する余地が少ない状況でした。そこで目をつけたのが、他商社等から食肉を調達し、加工・販売している畜肉加工専業の企業であり、そのような企業を複数社集めて、合弁で設立したのがミートワンです。これにより、双日における食肉の販売力が一気に高まりました。まさに、双日らしい発想で新たな道を切り開いた事例といえます。同様に、自動車ディーラー事業でも他商社が国内自動車メーカーと取引をしているのに対し当社は海外自動車メーカーとの取引を軸とするなど、独自路線を進むことで、高い成果を上げています。

また、双日らしい発想を最大限に活かすべく、事業運営のアプローチとしてハンズオン経営を重視しています。2018年にベトナム大手製紙会社であるSaigon Paper Corporationを買収しました。当初は需要が急増している段ボール原紙製造事業を伸ばしていく計画だったものの、想定外の段ボール原紙の市況変動や事業環境の変化で需要が落ち込み、利益を出せない状況が続きました。現地に駐在・出向した社員たちは、現地スタッフとの密なコミュニケーションを重視しながら、徹底した在庫管理とコスト削減を実行、一時期は、私自身も現地と週次でのウェブ会議にて状況を確認していました。数多のトライ&エラーを繰り返しながら、現地業界シェアNo.1を有する家庭紙分野での成長に活路を見出し、ついに2024年3月期には、黒字を確保できる見込みです。このように、たとえ事業計画通りに進まなかったとしても、決して諦めることなく新たな発想で切り抜け、地道な改善を積み重ね、成果を出していくことが双日らしさだと考えています。

個の成長が双日の成長につながる

冒頭で事業投資に関する規模感について話しましたが、中計2020では、100億円超の投資を手掛けられるようになりました。さらに、中計2023では、200億円超、300億円超の投資と、事業投資の経験値が会社全体として大きく高まったこと、それを支える財務基盤や期間収益が向上したことで規模感が上がってきています。また、全く新しい事業領域というよりは、すでに成果が出ている事業領域を軸に、その幹を太くしていくような事業投資を行ってきたことにより、大きな失敗も少なく、小さな「収益の塊」を着実に大きくしていくことができました。その結果、外部環境の変化による影響を比較的受けづらい非資源事業における収益基盤が強化されました。当社の収益力は着実に切り上がったと自負しています。

その成長を支えてきたのが、個々の社員の成長です。昨今、「人的資本経営」という言葉に注目が集まっていますが、総合商社の価値創造の中核は「人材」にほかなりません。私が社長に就任し、初めに手をつけたのが人事評価の見直しでした。当時、全社員の人事評価を眺めると、その7割以上が真ん中にあたるB評価になっており、危機感を覚えました。なぜなら、可もなく不可もなく、日々を繰り返していれば、B評価には入ることができるという意識が社員の中に根づいてしまっているように感じたからです。高い目標を設定し、それを超えるために努力することがなければ成長実感も生まれず、次の成長も望めません。そこで、各評価に振り分ける割合を予め設定し、人事評価にメリハリをつけるようにしたのです。とりわけ強調して伝えたことは、「成果が出ていたとしても、同じことを繰り返しているだけならば、高い評価には値しない」ということです。現状に満足せず、次に挑むことの大切さをさまざまな機会を通じて伝え続けたことで、社員一人ひとりの意識が少しずつ変わってきたように感じています。

さらに、双日全体の雰囲気をアグレッシブに変えていくために、2019年には「Hassojitzプロジェクト」と銘打った新規事業コンテストを開始しました。第1回は、入社10年目までの社員が対象でしたが、翌年には参加者の対象を全社員へ広げるなど、毎年アップグレードを図りながら開催しており、2023年で、5年目を迎えます。事業化に至るプロジェクトは一握りではあるものの、真剣に事業計画を練り上げ、事業化の難しさ、そして、面白さを肌で感じることができた社員が増えていくこと自体が、双日の次の成長に向けた大きな資産となっています。

次なる成長を実現していくために、もっとも重要なカギは人材のギアチェンジです。

人材をギアチェンジする

先日、次期中期経営計画において新・人事制度を導入することを、双日の全社員に対して発信しました。新・人事制度が目指す方向性は、1年近くにわたり経営陣で議論してきました。1,000億円台の利益水準を発射台として、次なる成長を実現していくために、最も重要なカギは人材のギアチェンジです。そして、企業理念、目指す姿「事業や人材を創造し続ける総合商社」を実現するため、双日の人材・組織はどうあるべきか。人員構成や投資規模、外部環境が大きく変化していく中で、次の10年も持続的に価値を創造するには何が必要か、といった議論を積み重ねていったのです。その結果、「多様な社員が集まり挑戦・成長し続けること」「個々の力をライン職※が引き出して会社としての持続的な価値創出につなげること」という、基本の徹底が不可欠であると再整理しました。このような認識のもと、「人と人が徹底的に向き合う」「自らの意思で挑戦し成長し続ける」「新たなマネジメントの型を作り上げる」「データを活用して対話する」といったキーワードに基づく4つのテーマを掲げ、2024年4月から新・人事制度を導入すべく、社員との議論を始めています。

当社は、風通しのいい企業文化の中で、若い力が活躍できる企業です。だからこそ、年功序列や終身雇用という旧来の考え方を前提とせず、これからの双日に適した新しい発想を起点に新・人事制度を創り上げ、一人ひとりがどこよりも挑戦・成長できる場を提供する会社になるための第一歩にしたいと考えています。折しも、足元では海外の大学を卒業し双日の社員となってくれた外国人人材が適所で自らの力を発揮するまでになりました。慣れない日本企業の文化に苦労した日はさぞ長かったと想像しますし、辞めていってしまった人材も多くいました。残ってくれた彼らが今、日本国内や母国をはじめとした各地で、活き活きと価値づくりに臨んでくれている。これこそ、「多様性を競争力に」を目指す当社のありたい姿です。

当然ですが、制度だけでは、変化を生み出すことはできません。自ら機会を作って挑戦・成長しようとする当事者意識を醸成することが大事です。制度自体の導入は先ですが、今から意識を変え、行動することを全社員に向けて呼び掛けています。仲間と議論し共感を得て、自分らしい挑戦に取り組み、双日と世界を変え続けていく。そのような人材が溢れる会社にすべく、私自身も行動していきます。

  • ライン職:部長や課長といった組織をけん引するマネジメント層
事業と人をつなぎ合わせ、新たな価値を創造していくことが、私たちの役割です。

「令和維新」の時代に、世界に新たな価値を届ける

私は、現在のこの大きな時代の変化のうねりを形容し、「令和維新」という言葉を用いてきました。日本の近代化が急速に進んだ「明治維新」と同様、旧来の価値観が音を立てて崩れ去っていくような時代。デジタル化の加速やESGに対する意識の高まりなどに加え、コロナ禍や、ロシア・ウクライナ情勢といったさまざまな事象が折り重なり、複雑さを伴って変化は加速し続けています。その中で、新たな機能やネットワークを創り、事業と事業、人と人をつなぎ合わせ、新たな価値を創造していくことが、私たち総合商社の機能であり、役割だと考えています。変化をリスクと捉えず、新たな価値創造の機会に変えていく。これこそが当社の強みであり、果たし続けなければならない役割でしょう。

当社は過去から原油・ガス、石炭などの旧来型の燃料の調達や、火力発電事業などのエネルギービジネスに取り組んできましたが、グローバルな脱炭素化、分散化の潮流に見られるようなビジネス環境の著しい変化、参入するプレイヤーの増加による競争環境の変化などにより、当社が果たすべき役割が変化しつつあります。中計2023で新たに投資した省エネルギーサービス事業では、当社が培ってきた発電事業領域での機能を活用し、投資先の顧客基盤に対してそれぞれのニーズに応じた再生可能エネルギーや脱炭素エネルギーソリューションを提供することで付加価値を生み出し、投資先のさらなる成長を実現しつつあります。市場環境変化をリスクではなく、新たな取り組みに活かす一例だと捉えています。

一方で、双日としての存在意義を発揮することができない事業や商売には固執しません。当社は、50年以上にわたる分譲マンションを中心とした不動産事業の実績がありますが、当該事業における双日が果たせる役割が少なくなってきたことを踏まえ、他のベストオーナーへお渡しすることを決めました。事業環境は常に変化しています。慎重にリスクを見極めながら変化を機会にすべく、将来の収益貢献に資する新たな事業への種まきを果敢に進める一方で、事業の整理・撤退を果断に進めていくことにより、事業ポートフォリオを変革しながら、双日らしい価値創造をさらに加速させていきます。

また、「明治維新」では、私たち双日の源流の一つである鈴木商店が、日本国内の大きな変化を機会と捉え、さまざまな事業を興すことで、日本の発展を支え、自らも成長してきました。では、「令和維新」において、双日が成すべきことは何か。それは、「日本の商社」ではなく、「世界の商社」として、世界中のマーケットのニーズを捉え、世界の発展を支えていくことです。2023年、日本とベトナムは、外交関係樹立50周年を迎えました。双日の前身である日商岩井は、ベトナム戦争前から原油開発や石炭などを中心にビジネスを展開しており、1986年に西側諸国の企業の中で初めてベトナムに駐在員事務所を開設することを許可され、ベトナム事業の足掛かりを作りました。以来、植林事業や肥料事業、工業団地事業、電力事業とさまざまな事業を興し、ベトナムの経済復興を支えてきました。近年では、ベトナムが急速な経済成長を遂げる中で、食のバリューチェーンの構築に取り組み、その成果が実りつつあります。これからも先達の諸先輩方が紡いできたベトナムと双日の絆を育て、さらに強くしていきます。そして、このベトナムのように、新たなフィールドの発展に貢献していきたい。その余地が、世界にはまだまだあります。

時代の流れに沿って自ら変革し続けることで、企業価値を高めていく

中計2023で掲げた定量計画について、残す課題は実質的にPBR1倍超のみとなりました。2023年8月末時点では、0.82倍となっており、2021年3月末時点の0.60倍から、大きく改善していますが、1倍超の達成をまだ諦めていません。

「価値創造ダイアログ」に定義している通り、非財務の取り組みや情報開示の拡充による資本コストの低減については外部評価も含め、しっかりと進めてきた自負があります。今まさに経営陣で議論しているのは、不確実性が高まる環境下でデジタル技術の発展による既存ビジネスの陳腐化と新たな収益獲得機会にどう立ち向かい、今後、持続的な成長をどう実現するのかということです。冒頭から申し上げている通り、当社の歴史は変革の歴史です。大切なのは、外部環境が変化する中、双日らしい発想で、新たな道を切り開いていくこと。まさに、双日グループスローガンである「New way, New value」を実践することです。このような変革を通して収益向上の実績を示していくことで、市場に当社に対する持続的な成長期待感を醸成できれば、結果としてPBR1倍を通過点として達成できるものと信じています。

商売には旬があり、立ち止まっていては、旬を捉えることはできません。また、捉えることができたとしても、いつか旬は過ぎてしまいます。それを、私自身が商売の世界に長きにわたり身を置いてきた中で身に染みて感じています。「必要なモノ・サービスを必要なところに提供する」という総合商社としての使命に基づき、決して前例に囚われることなく、マーケットインを徹底し、市場が必要とするモノ・サービスは何か、そのために双日が提供すべき機能やネットワークは何かを突き詰めていけば、自ずと道は切り開かれるはずです。それを繰り返すことで、どのような変化に晒されたとしても、時代の流れに沿って自らを変えていくことができると思いますし、持続的に価値を創造することができると考えています。

機能があるか、ないか。判断基準は常に変わらず、シンプルです。だからこそ、スピードが大事であり、現状に甘んじることなく、次に挑んでいかなくてはなりません。私たちは、常に次へと向かっています。さらなる企業価値向上に向けての準備は整いました。あとは実行あるのみです。これからも、投資家をはじめとする全てのステークホルダーの皆様との対話を通じて「私たちの次」を皆様に共有しながら、期待を醸成し、それに応えていく所存です。引き続き当社事業へのご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

2023年9月
代表取締役社長 CEO

藤本晶義

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