双日、カナダの鉄鉱石鉱山Kamiプロジェクトへの参画を基本合意 ～電炉向け還元鉄製造に不可欠な高品位鉄鉱石の供給を通じて、CO₂排出削減に貢献～

双日株式会社（以下「双日」）は、鉄鉱石サプライヤーのChampionチャンピオン Ironアイアン Limited（以下「Champion」）が、カナダ ニューファンドランド・ラブラドール州で新規開発を検討している鉄鉱石鉱山のKamistiatussetキャミスティアチュセット プロジェクト（以下「Kamiプロジェクト」）への参画について、日本製鉄株式会社（以下「日本製鉄」）とともに3社で基本合意しました。Kamiプロジェクトでは、CO₂の排出を大幅に削減できる電炉を使用した鉄鋼生産に不可欠な、高品位の鉄鉱石の産出を見込んでいます。今後、3社で合弁会社を設立し、開発に向けた調査（フィージビリティ・スタディ）を進めます。

鉄鋼業界では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、鉄鋼生産の低炭素・脱炭素化に取り組んでおり、その過程で2030年代には従来のコークス（石炭）を使用して鉄鉱石を還元する高炉法から、鉄スクラップなどを主原料とする電炉法へ移行させ、CO₂の排出を4分の1程度に抑えることを目指しています。こうした中、電炉法では、高級鋼材を製造するために、高品質の鉄スクラップとともに、不純物の割合を低減するために使用する還元鉄が必要になり、還元鉄の製造に不可欠な高品位の鉄鉱石の確保が重要になると見込まれています。

高品位の鉄鉱石は、世界でも一部の国にしか賦存していない希少資源です。Kamiプロジェクトで産出される鉄鉱石はその一角となり、高い鉄分含有率と低不純物という品位を十分に満たすことができる見込みです。Kamiプロジェクトの開発は、高品位鉄鉱石の確保と中長期の安定供給に資するものであり、2040年代以降の高炉水素還元プロセスへの移行対応にも貢献が期待されます。

Championは2016年に、Kami鉄鉱石鉱山から約20kmに所在するBloomブルーム Lakeレイク鉄鉱石鉱山（ケベック州）を買収し、2018年より完全子会社のQuebecケベック Ironアイアン Oreオア Inc.を通じて操業・運営しています。双日は、ChampionがBloom Lake鉄鉱石鉱山のオーナーとなる前の2011年からBloom Lake鉄鉱石の日本向けの販売活動を担っており、2018年以降Championとも強固な協力関係を築いています。Kamiプロジェクトにおいては、産出される高品位の鉄鉱石の引き取りに関する権利（オフテイク権）を取得し、需要家への販売面でも貢献します。

双日の金属・資源分野においては、カーボンニュートラル社会実現に向けた潮流をはじめ、新興国の成長、デジタル化の進展といった、社会の変化とニーズをとらえたサプライチェーンの安定化を基本方針としています。特色ある資源に注力し、競争力を高め、新たな価値創造に挑戦します。また、2050年に向けた長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」（※）においては、脱炭素社会実現のための継続的な取り組みとして、自社のネットゼロ目標とともに、サプライチェーン上の排出削減を目的とした資産入れ替えを推進し、質の高い資産ポートフォリオ構築を図っています。

双日は、今後も、GX分野の技術革新や社会への普及速度を見極め、そのステージに合ったソリューションを提供していきます。

（※）2050年に向けた長期ビジョン『サステナビリティ チャレンジ』
双日グループは、企業理念にある「新たな価値と豊かな未来を創造」し続けるため、パリ協定や、持続可能な開発目標（SDGs）などのグローバル課題を踏まえ、「脱炭素社会実現」と「サプライチェーン上の人権配慮」を双日の責務と考え、この長期ビジョンを設定しています。その達成に向け、脱炭素社会や循環型社会を見据えたビジネスや、トランジッション期間に必要不可欠なインフラ型ビジネス・サービスを強化するとともに、恒常的に人権尊重の取り組みを拡大していきます。

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