大阪の財界をリードした岩井勝次郎

大阪貿易協会初代会長に就任

大正3(1914)年、欧州各国から我が国への輸入を確保し大阪貿易業界の振興をはかるため、「大阪貿易協会」が設立され、岩井勝次郎が初代会長に就任した。第一次世界大戦勃発直後のことだった。


大戦中、ドイツ船に積み込んだ荷物が各地で抑留され積荷に損害が出ていた際には、岩井勝次郎が大阪の財界を代表して大蔵省、農務省、中央の銀行等への陳情を行っている。


大正3(1914)年、陸軍特別大演習のために大阪へおいでになった大正天皇に対して、勝次郎は大阪の貿易事情についてご進講申しあげ、また同年、実業奨励の趣旨で大阪府下の功労者16名のなかの一人として勝次郎も大阪城内に招かれ、宮内大臣が事情の状況を聴取して大正天皇にご説明申し上げている。さらに大正8(1919)年、兵庫県の武庫離宮に事業上の功労者27名が招かれた際も勝次郎は出席し、大正天皇の御下問にお答えしている。


このように勝次郎は関西財界で有力な地位を占めていた。


  • 1914年、行幸当時の奉迎アーチ

  • 行幸に際し招かれた大阪財界の人々(一番左上が岩井勝次郎)