タイで化成肥料の合弁会社を設立
東南アジア各国の肥料市場で圧倒的シェア
日商岩井は、従来よりセントラル硝子の塩安系化成肥料をタイに輸出しており、その普及率が高まったため、現地側からタイ国内での生産を要請され、昭和48(1972)年、タイにおいてセントラル硝子および現地企業と共に化成肥料製造会社TCCC(Thai Central Chemical Co.,Ltd.)を設立した。
当時タイは稲作を中心とした農業国で肥料の需要増も多く合弁会社の設立に踏み切ったが、これは総合商社初の試みであった。当初10万トンからスタートした生産量は、新設、増強を繰り返し、現在では年産120万トンとなり、民間の肥料会社としては東南アジア最大を誇っている。TCCCが製造した肥料は、約600のディーラーを通じてタイ国内で販売されており、農作物の収穫増はもとより、輸入に頼っていた肥料を国産化したことで、タイ経済にも大きく貢献している。
また平成7(1995)年にはフィリピンにおいて年産30万トンの化成肥料生産合弁会社Atras Fertilizer Corporationを設立、平成8(1996)年にはベトナムにおいて同国初の本格的化成肥料メーカーであるJapan Vietnam Fertilizer Company(JVF)を設立している。
現在、双日が経営する肥料会社で製造される高度化成肥料は、タイ、フィリピン、ベトナムにおいて圧倒的なシェアを誇っている。