中国・毛沢東首席との会談
鼎論のニチメン
昭和29(1954)年、日中民間貿易の再開を働きかけるため、日本政府の意向を反映した「日中輸出入組合」が設立され、初代理事長に日綿元社長の南郷三郎が就任した。そして昭和33(1958)年に日中輸出入組合理事長として訪中した際、毛沢東首席と会談した。
話題が世界情勢に及んだ時、南郷は中国の繁栄と世界平和のための鼎論(かなえろん)を力説し、毛主席と同感の意を表した。当時の中国とソ連、中国と米国、中国と日本との関係を踏まえ、それぞれの関係が友好的になり、鼎のように3本足で立てば世界は安定するという持論を披露したもので、この鼎論は参列者に強い印象を与え、「鼎論のニチメン」として語り継がれた。
毛沢東首席と一緒に撮影された写真は、総合商社の社長経験者としては唯一のものと伝えられている。