サプライチェーンCSR

サプライチェーンCSR推進の全体像

グローバルに事業を展開する総合商社として様々な業界のサプライチェーンに関わっていることから、双日グループにとってグループ各社およびサプライヤーと共に多岐に渡るサプライチェーン上の環境・社会(人権)リスクの低減に取り組んでいくことは重要な課題の1つです。

下図の通り、グループ会社およびサプライヤーとの一連の取り組みを通じて、サプライチェーンにおけるリスクマネジメントの高度化を図るとともに、その対象範囲の段階的拡大を図っていきます。

方針

国連グローバル・コンパクトの10原則を踏まえ、2010年4月に「双日グループ サプライチェーンCSR行動指針」を策定。本指針をサプライヤーと共有し、サプライヤーとともに、気候変動対策、水や廃棄物のリサイクルなど資源の有効活用、生物多様性の保全、及び人権対応などを行い、企業活動と社会・環境の共存共栄を図るべく取り組んでいます。また、サステナビリティ重要課題の一つである「事業に関わる人権の尊重」の更なる実践に向け2017年6月には同行動指針を改訂しました。

尚、2015年9月には、同行動指針を木材分野で具体化した木材調達方針を策定しています。策定にあたっては、WWFジャパンのアドバイスを参考にしています。

双日グループ サプライチェーンCSR行動指針

双日グループの事業活動は、多様な国・地域の取引先とのかかわりによって成り立っており、それぞれの業界の特性を踏まえながら、サプライチェーンにおいてもCSRの取り組みを進める必要があります。 双日グループは、適切な事業活動と、事業に関わるステークホルダーの人権尊重、地球環境保全を行うべく、サプライヤーに対して、以下に掲げる項目の理解と実践を求め、取引先とともに、企業活動と社会・環境の共存共栄を目指します。

  1. 1.従業員の人権を尊重し、非人道的な扱いを行わない。
  2. 2.従業員に対する強制労働・児童労働を防止し、適切な労働時間を守り、最低賃金を確保する。
  3. 3.雇用における差別を行わない。
  4. 4.労使間の円滑な協議を図るため、従業員の結社の自由、団体交渉権を尊重する。
  5. 5.従業員に対して安全、衛生的でかつ健康的な労働環境の提供に努める。
  6. 6.内外の関係法令を遵守し、公正な取引および腐敗防止を徹底する。
  7. 7.製品やサービスの品質・安全性を確保する。
  8. 8.事業活動において、自然生態系、地域環境および地球環境の保全に配慮するとともに、環境汚染の予防に努める。
  9. 9.上記に関する情報の適時・適切な開示を行う。

 

<本行動指針に関する、重大な違反が報告された場合の対応について>
本行動指針に関わる重大な違反については、事実を確認の上、サプライヤー、取引先等の関連するステークホルダーに、問題の改善対応を求めます。また、必要な期間を置いても、その改善対応がなされない場合は、取引を見直す事も含めて対応いたします。
* 又、必要な場合は、双日グループ及び双日グループが指定する専門家が現地を訪問し、調査を行います。

 

双日グループ 人権方針はこちら

方針の共有

双日グループ各社およびサプライヤーとともにサプライチェーン上の環境・社会(人権)リスクの低減に取り組んでいくためには、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」などの国際規範において企業に取り組みが求められているということだけでなく、実際の環境・社会(人権)リスク発生事例も引用し、ビジネス上のリスクにもなり得ることに触れ、当社方針への理解を得ていくことが重要と考えています。

2017年度 活動実績

双日グループ人権方針の策定、およびサプライチェーンCSR行動指針の改定を行い、これらの方針をグループ内およびサプライヤーと共有することに重点を置いて取り組みました。

■活動ハイライト

①人権リスクセミナー
策定・改定したグループ人権方針共有の第一段として、2017年10月に人権デュー・デリジェンスをテーマとする人権リスクセミナーを開催し、双日(株)の本部長・部長、グループ会社14社社長の計78名が参加しました。

セミナーにおいては国連「ビジネスと人権に関わる指導原則」の誕生以降、人権デュー・デリジェンスの実践がビジネスにおける新たな競争軸となりつつある国際動向や、世界的なESG投資の拡大に伴い、人権デュー・デリジェンスの実施有無が企業のサステナビリティを測る指標の1つとしてステークホルダーから注目されていることなどを共有し、今後の取り組み深化に向け課題認識の醸成を図りました。

②e-learning
双日グループではグループ内のサステナビリティに関わる理解醸成を目的に、毎年、国内外のグループ役職員(※)を対象にe-learningを実施しています。

※双日(株)役職員、主要グループ9社の役職員、海外拠点の従業員

2017年度はグループ人権方針共有の第二段として人権デュー・デリジェンスをテーマとして取り挙げ、約5,000名が受講しました。また、受講にあたってはサプライチェーンCSRハンドブック(後述)を教材とし、2018年度より更に注力・拡大していくサプライヤーへの人権デュー・デリジェンスに備える機会としました。

これまでのe-learning実績

実施年度
テーマ
受講者数
2015年度
サプライチェーンにおける環境・社会リスク
5,020名
2016年度
サステナブルな事業の創造
4,718名
2017年度
求められる人権デュー・デリジェンスの実践
5,192名

 

③サプライチェーンCSRハンドブックの発刊
グループ人権方針共有の第三段として、2017年度より「双日グループ サプライチェーンCSR ハンドブック」を発刊しました。本ハンドブックは主に海外のグループ会社およびサプライヤーに対し、当社の環境方針や人権関連方針に加え、CSRに関する基本的解説や実際にビジネス上で発生した環境・社会リスクの発生事例やその後の改善事例を共有し、温室効果ガスの削減や生物多様性の保全といった環境負荷を低減する取り組みや、人権デュー・デリジェンス推進の必要性につき理解・協力を求めていくため制作・発刊したものです。

また、このハンドブックでは、サプライヤーが双日に対しCSRアンケートを通じて環境や人権に関する負のインパクトを連絡することや、実地訪問・監査の実施により負のインパクトを削減することなどを推奨しております。

Global Compact Human Rights Business Dilemma Forum (※) や、各本部の事業がステークホルダーにもたらす影響を分析した「リスクマップ」を作成・参照の上、2017年度は、以下グループ会社・サプライヤー計345社から優先的に配布しました。
(※) 国連グローバル・コンパクトが提供する環境・社会課題に関わる情報プラットフォーム

高リスク国に所在する
全体数
共有社数
共有率
双日(株)と直接取引あるサプライヤー
(※1)910社
(※2)147社
16%
主要グループ6社(※3)と直接取引あるサプライヤー
(※1)3,937社
(※2)128社
3%
海外連結子会社・持分会社
319社
70社
22%
5,166社
345社
7%
  • ※1:所在国を問わず2016年度に仕入実績あるサプライヤー数
  • ※2:「①所在国が高リスク国」、「②取引金額が一定以上」、「③双日グループ会社・海外法人を除く」を条件に絞り込んだサプライヤー数
  • ※3:双日マシナリー(株)、双日マリンアンドエンジニアリング(株)、双日プラネット(株)、
    双日食料(株)、双日建材(株)、双日九州(株)
    (日商エレクトロニクス(株)、双日エアロスペース(株)、双日新都市開発(株)の3社は
    高リスク国に所在するサプライヤーとの取引がないため本年度は対象外)

2018年度からは海外拠点のサプライヤーや連結子会社・持分会社のサプライヤーにも段階的に方針の共有範囲を拡大し、当社方針への理解・協力を仰いでいきます。

リスク評価

双日グループでは、グループ会社およびサプライヤーにおける潜在的な環境・社会(人権)リスクの所在とその低減に向けた取り組みを把握するため、CSRアンケートを実施しています。

CSRアンケートは双日グループ サプライチェーンCSR行動指針の6つの重要分野(※)に関わる約50の設問で構成しており、人権リスクの発生原因となりやすい環境リスク低減への取り組みについても同時にコミュニケーション出来るよう作成しています。また、当社グループの事業領域は多岐に亘ることから、業界を問わずコミュニケーションを図ることができるよう汎用性の高い内容としています。

※人権、職場の安全・衛生、環境保全、公正取引・腐敗防止、情報開示、
製品・サービスの品質・安全性管理

CSRアンケートの結果は、当社サステナビリティ委員会への報告・討議を経て経営会議および取締役会へ報告されます。また、その後の訪問実査の対象先を選定する上での基礎情報として活用しています。

2017年度 活動実績

方針共有の対象先となった連結子会社計38社に対し優先的にCSRアンケートを実施しました。アンケート回答からは人権侵害や労務問題への対応、環境法規違反や生態系への悪影響など、早急に改善が必要な課題はありませんでした。

改善・救済

双日グループでは、現場におけるリスク低減の具体的運用の把握と、経営層・現場担当者との更なる改善に向けたコミュニケーション深化のため、CSRアンケート回答企業への訪問実査を行っています。

2018年6月、サステナビリティ推進室が外部の専門家とともに、在ベトナムのKyodo Sojitz Feed Co.,Ltd.(以下、KSF)を訪問しました。同社は主に豚・鶏の畜産用飼料の製造・販売を行う連結子会社であり、今後もベトナムにおいて畜肉の需要増加が見込まれる中、安心・安全な食料資源の安定供給に貢献していく会社の1つです。

訪問実査は同社マネジメントとのサステナビリティに関わる対話を含め、2日間に渡り、双日グループ サプライチェーンCSR行動指針にて掲げる6つの重要分野(※)につき、各種書類の整備状況と敷地内の工場・施設での取り組みを確認しました。

外部の専門家からは良好な労務管理・書類整備の実状や、農業生産事業の環境・社会・経済的持続性を証する「Global Gap」認証取得を通じた経営品質向上の取り組みなど、全体的に高評価を得ました。一方、工場内の一部において「職場の安全・衛生」分野に関わる潜在的な人権リスクにつき指摘があり、マネジメントを含む実査後の総括において共有し、今後、優先的に改善を図ることとしました。

重要分野(※) 実査結果
人権・労働 軽微な指摘有り
職場の安全・衛生 改善検討箇所を特定
環境保全 軽微な指摘有り
公正取引・腐敗防止 問題なし
品質・安全性管理 問題なし
情報開示 問題なし

■実査を振り返って

ベトナムの人口増加・経済成長に伴い、今後も食の多様化と食肉需要の増加は更に進んでいくと見込んでおります。その中で、日本の畜産技術を活用した飼料の製造・供給を通じてベトナムの畜産業に貢献し、ベトナムの市場に安全・安心な畜肉を流通させていくことが当社に課せられた使命です。

当社内での労働環境の整備や環境保全の取り組みは、事業活動と地域社会との共生を両立していく上で必要不可欠という考えから、各種法令遵守は勿論のこと、Global Gap認証の取得により更なる経営品質の向上に努めております。

認証取得の甲斐もあり、今回の実査では即刻改善が必要な重大な指摘事項はなかったものの、労働環境をより良い方向へと改善していく上での様々な気づきを得ることが出来ました。今回の指摘事項は早速各現場責任者とも共有し、改善に向けた取り組みをスタートしました。

Kyodo Sojitz Feed Co.,Ltd.

(左)   Deputy General Director 中村 圭太

(中央)General Director 濱 貴信

(右)   General Manager 冨山 大喜

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