世界の現場で鍛える企業法務 柴田 陽介/キャリア/法務部
2025年11月20日
2025年11月20日
現状法務部には約80名の部員がおり、7つの課で構成されています。
第1~4課は、M&Aやトレーディングの契約レビューといった法務業務を行っています。
それとは別に、コンプライアンス系の課が3つあります。
不正調査や個人情報保護といった一般コンプライアンスを扱うコンプライアンス統括課、
輸出や経済制裁を扱っている物流コンプライアンス課、
適正な関税の申告といった輸入関連を扱っている貿易管理課です。
7つの課とは別に、企画戦略ユニットが法務部長直下の組織としてあり、
例えば人手不足を補うための外部委託を企画・検討するといったことをやっています。
また、東京本社とは別に、アムステルダムやシンガポール等への駐在員もおり、
現在(25年7月時点)の駐在員は5名です。
さらに、国内の関係会社や社内の他の部署への出向者も数名おります。
ロースクール1期生として法務に関する勉強はしていたものの、当初は企業法務には全く興味がなく、
将来は普通の弁護士として様々な案件を対応するのだろうなと漠然と思っていました。
しかし、ロースクール生活において、周囲の同級生や授業を通じてお会いする様々な事務所の方から刺激を受け、
企業法務のほうが自分には合っているのではないかと思うようになりました。
そうした想いで、ロースクール卒業後、就活では大手法律事務所を受け、ファーストキャリアをスタートしました。
大手法律事務所では、不動産のファイナンスを担当していましたが、
倒産案件などに経験の幅を広げるために中規模の事務所に転職しました。
2社目の事務所に入所してからは、一般民事事件に加え倒産案件、TOBや海外案件などを担当し、
その中でブラジル案件への取組みをきっかけとして双日のブラジル会社での研修の機会をいただきました。
これが双日と私の出会いです。
2つあります。1つ目は、取り扱う業務の内容です。
私は四年半の双日法務部への出向期間中に多岐にわたる業務を経験しました。
通常の取引対応においてもトレーディング、M&A、EPC(*1)など幅広く、
それに加えて紛争案件やコンプライアンス案件、制裁対応などイレギュラーな業務も担当しました。
対象となる国も多岐にわたり、各国に出張にも行きましたので、
双日に出向するまでは想像もしていなかった世界を自分の目で見て回ることができました。
このように色々な案件に携わることができるのであれば、
業務上の興味を長期的に満たすことができ、かつ年齢を重ねていった後も
外部の目から見ても魅力的な経験を積んだ価値のある法務プレイヤーになることができるなと思いました。
2つ目は、法務部のカルチャーです。
透明性のあるフラットな組織なので、建設的な意見であれば、
肩書や社歴どころか社員か否かの垣根さえなくディスカッションができるなと感じていて、
出向当初においては驚きでしたし、入社直前においてもそこが魅力であり続け、
キャリア社員として入社することに不安を覚えませんでした。
(*1) EPC:Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)を一括して請け負う契約形態 「電力EPC事業」は変電所や発電所の建設事業を指す
現場を見ることができる楽しさ、世界中でいろんなものを見ることができる喜びがあります。
例えば、当社の取引においてとある東南アジアの国の客先からの支払が滞ったときに、
現地で営業部と一緒に債務者を訪問して交渉したり、担保となっている不動産の売却可能性を探るために
現地視察や不動産エージェントを訪問して状況を見たりといった機会がありました。
また、それをふまえた債権回収の見込みについて地域の経営陣に対して説明し対応の方向性を決めましたが、
こうした際には自分の意見が尊重され、決定権がなくとも裁量がありやりがいを感じました。
また別の機会においては、投資先の保有する南米の港湾施設を視察してオペレーションを確認したこともあります。
若手を一人で送り出して、苦労しながらも一生忘れられない経験をさせることが双日のカルチャーであり、
大変ではありますが双日で働く喜びだと思います。