双日、インドネシアのIoTベンチャーと資本業務提携
~ テレマティクスによるビッグデータを活用した物流改善、新保険サービスの創出 ~
2016年10月31日
双日株式会社
双日株式会社(以下、双日)は、インドネシアにおけるIoT(*)ベンチャーのPT.Digitalinstincts Teknologi(以下、DIT社)と同国をはじめとするアジアでのIoT事業を共同開発・推進していくため、このたび、DIT社との間で資本業務提携契約を締結しました。これにより双日は海外でのIoT市場へ本格的に参入します。
DIT社は、車両の運行管理サービスを開発・提供するIoTベンチャーとして、インドネシアにおいて石炭業界、物流業界を中心に、通信(テレコミュニケーション)と情報工学(インフォマティクス)を融合した技術であるテレマティクスを活用した生産効率改善サービスを開発、提供しています。生産性向上のためのサービスとして他社との差別化を図る中で、既にインドネシア最大手の飲料水メーカーの配送に採用され、物流効率を1.8倍に改善したことで注目されています。
双日は、2010年より子会社の日商エレクトロニクス株式会社を通じて、国内企業向けに、車両運行管理等を目的としてテレマティクスによるビッグデータを用いた交通事故削減コンサルティングサービスを提供しています。ビッグデータの分析によって営業車両等による事故の大幅削減に寄与しており、日本国内にて約1万台の車両に採用されています。
DIT社と双日は、2015年より両社のサービスの技術優位性とノウハウを持ち寄って協業を開始し、インドネシアにおいて保険・レンタカー・建機業界向けに新たなサービスを提案してきました。その結果、インドネシアの大手財閥が同国初のテレマティクス保険の商品開発に向けてDIT社のサービスを採用し、2016年10月より試験運用を開始しています。今般の資本業務提携により、DIT社のIoT技術基盤と双日のビッグデータ分析技術とを融合し、先ずは同国内にて5年間で40万台の車両へサービスを普及させることを目指します。
近年、データ活用・共有技術の開発が進み、個別企業や業界に限定することなくビッグデータを横断的に共有する仕組み(オープンイノベーション)の重要性が高まりつつあります。このような市場環境において、双日は総合商社としての機能を最大限発揮し、インドネシアをはじめとするアジアにて事業拡大を図ると同時に、自動車周辺の保険、物流、レンタカー業界とのデータの連携を図ります。これにより自動車分野における配送効率化、渋滞改善、安全な交通環境を実現し、さらには、二輪、建機、船舶といった自動車以外の分野にも適用することで、インドネシアをはじめとしたアジアの産業の効率化に寄与していきます。
(*)IoT: Internet of Things = インターネット オブ シングス
様々な物がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み
以上
PT. Digitalinstincts Teknologi(DIT社)社の概要
設立 | 2012年11月 |
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本社所在地 | Jl. Gatot Subroto Kav 53 RT/RW 00/00 Kelurahan Petamburan, Kecamatan Tanah Abang, Central Jakarta, Indonesia |
代表者 | Kenny Marchel (CEO) |
株主 | 代表者を含む個人4名、双日株式会社 |
主な事業内容 | IoT基盤“TRAXIA”の開発 石炭・物流・保険業界向けテレマティクスサービスの提供 生産性向上に関するコンサルティング |