双日株式会社

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双日、リチウムイオン・キャパシタ製造のACTに出資

~ 環境に優しいリチウムイオン・キャパシタ「Premlis®」の製造・販売で提携 ~

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2009年8月6日

双日株式会社は、太陽誘電株式会社とともに日本電子株式会社の子会社であるアドバンスト・キャパシタ・テクノロジーズ株式会社(本社:東京都昭島市、代表者:松浦文康/ACT)の第三者割当増資を引き受け、太陽光発電向けおよび鉛電池の代替などの需要拡大が期待されているリチウムイオン・キャパシタ「Premlis®(プレムリス)」の製造・販売で提携します。

双日と太陽誘電の出資金額はそれぞれ3億円で、そのほか日本電子とベンチャーキャピタル数社が出資し、ACTは合計11億7000万円の資金を調達しました。増資後のACTの資本金は12億2000万円で、出資比率は日本電子が51.6%、双日と太陽誘電が各11.5%になります。

ACTは、増資で調達した資金をもとに「Premlis®」の製造設備を増強し、2010年夏には月産2万セルの生産体制を構築します。双日は、役員を派遣してACTの経営支援を行うとともに、国内外での「Premlis®」の販売活動を通じて、市場や販路を開拓します。太陽誘電は、「Premlis®」の量産体制構築をサポートします。

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【ACTが製造するリチウムイオン・キャパシタ「Premlis®」】

リチウムイオン・キャパシタは、リチウムイオン電池や鉛電池といった二次電池と、急速充電が可能な電気二重層キャパシタの長所を併せ持つ新型の蓄電デバイスです。サイクル寿命が長く、充放電効率に優れており、短時間での急速充電が可能なことが特長として挙げられます。また、安全性が高く、発火や爆発の心配がありません。さらに、有害物質を含まないので環境にも優しい蓄電デバイスです。ACTの「Premlis®」は世界最高水準のエネルギー密度(25Wh/kg)を達成しており、従来の電気二重層キャパシタに比べて軽量・小型化を図ることができます。

リチウムイオン・キャパシタは微弱な電力でも効率的に蓄電できるという特性を生かして、太陽光発電などの環境エネルギー分野での需要が拡大していくと見込んでいます。特に、太陽電池パネルと組み合わせて、街灯や監視カメラ、防犯センサーなどの独立電源として利用することが幅広く検討されています。また鉛電池の代替として工場用搬送システムや、建機・重機の補助電源、あるいは無停電電源装置(UPS)への活用も期待されています。また、将来的には、アイドリングストップ装置や電子制御用のバックアップ電源など自動車向けの用途も有望で、リチウムイオン・キャパシタの市場は2015年には1000億円まで拡大すると予測しています。

ACT、双日、太陽誘電は、今回の提携を機に「Premlis®」の量産体制を確立し、新たな市場を開拓することにより、2014年に100億円の売上げを目指します。

リチウムイオン・キャパシタ「Premlis®」の特長

サイクル寿命 長い(約10万回/約10年の寿命)
充放電時間 極めて短い(数秒~数10分)
充放電効率 高い(微弱な電気も蓄えることができる)
安全性 高い(発火や爆発の危険性がない)
作動温度範囲 広い(-30℃~60℃/厳しい使用環境にも強い)
環境への対応 優しい(重金属や酸など有害物質を含まない)
メンテナンス 長期間メンテナンスが不要

リチウムイオン・キャパシタの用途

分野 太陽光発電 産業・建機 自動車
用途 ソーラー街灯
ソーラー表示装置
防犯センサー
非常用電源
クレーンなどのエネルギー回生
工場用搬送システム
車載電子(ECU)
アイドリングストップ装置
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【太陽電池パネルと組み合わせたLED照明】

以上

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