双日、アセリノックスと日新製鋼がマレーシアに建設中のステンレス冷延工場向けに生産設備を受注
~マレーシアで初めてのステンレス生産プロジェクト~
2009年7月10日
双日株式会社は、スペインの大手ステンレスメーカーであるアセリノックス社(本社:スペイン マドリード市/ACERINOX S. A.)と日新製鋼株式会社がマレーシアのジョホールバル地区で建設を進めている、同国初のステンレス冷延工場向けに、冷間圧延設備1基を受注しました。受注金額は約50億円で、双日が三菱日立製鉄機械株式会社(本社:東京都港区、代表者:山崎育邦)と共同で機器納入および据付工事を行うターンキー契約です。
アセリノックス社と日新製鋼の合弁会社であるバル・ステンレス社(本社:マレーシア ジョホール州/Bahru Stainless Sdn. Bhd.)は、東南アジアにおいて自動車や家電、建材向けにステンレス鋼板を販売していく計画です。バル・ステンレス社では、将来的に年間100万トンの生産能力を持つステンレス一貫製鉄所にまで工場を拡張することを視野に入れています。第一段階では、約300億円を投資して、年間24万トン(冷延能力は年間18万トン)のステンレス冷延工場を建設する計画です。工場の生産開始は2011年初めを予定しています。
今回受注した冷間圧延設備は、双日が販売・製造のライセンスを保有しているセンヂミア式20段圧延機で、多段ロール構造により、大きな圧下力で圧延することができ、ステンレス鋼のように硬い素材を圧延するのに適しています。また、高い制御能力により、高品質のステンレス鋼板を生産することができるのが特長です。冷間圧延工程はステンレス鋼板の品質を左右する重要な工程であり、三菱日立製鉄機械の高い技術力が評価されました。電気品は株式会社日立製作所が製造します。
アセリノックス社は、年間の粗鋼生産が300万トンを超える世界第2位のステンレスメーカーです。同社は、スペイン、米国、南アフリカに生産拠点を保有していますが、マレーシアはアジアにおける初めての生産拠点となります。双日は、アセリノックスグループと過去40年近い取引実績があり、これまでに10台のセンヂミア式圧延設備を含むステンレス製造設備を多数納入してきました。双日は、マレーシアでの拡張計画に合わせて、今後も冷間圧延設備の受注などを目指します。

以上