双日、関西電力と共同で日本企業初の海外ウラン濃縮事業に参画
~ 原子燃料の安定供給に貢献 ~
2009年3月30日
双日株式会社は、関西電力株式会社と共同で、世界最大の仏国原子燃料メーカーのアレバNC社(本社:パリ、AREVA NC)が仏国南部ピエールラット市(Pierrelatte)で進めている新規ウラン濃縮工場(ジョルジュベスII工場)プロジェクトに参画します。日本企業が海外でウラン濃縮事業に参画することは初めてとなります。
両社は共同で仏国に設立したカンサイ・ソウジツ・エンリッチメント・インベスティング社(本社:パリ、双日20%・関西電力80%)を通じて、ジョルジュベスII工場を所有するSET社(本社:パリ、Societe d’Enrichissement du Tricastin、SETホールディング100%子会社)の持株会社であるSETホールディング社(本社:パリ、アレバNC95%、GDFスエズ(本社:ベルギー)5%)の発行済株式の2.5%を2009年6月30日までにアレバNC社より取得します。

ジョルジュベスII工場は、2009年中に竣工し、2016年時点で濃縮ウランの生産容量を7500tSWU※に拡張する予定です。これは世界需要の約13%となり、将来的に世界のウラン濃縮市場において重要な役割を担う工場となります。
(※SWU・・・濃縮ウラン生産プロセスにおける作業単位)
双日は、1970年代よりアレバNC社の対日総代理店として、日本の原子燃料サイクルビジネスに携わっています。原子力は、環境にやさしいエネルギーとして注目されており、原子燃料の世界需要は今後も増加すると考えられています。日本においても、原子燃料の長期安定確保が重要な課題となっているため、双日は、昨年アレバNC社と協力しウズベキスタンのウラン鉱山開発に着手しています。今回、原子燃料を製造する上で必要不可欠なウラン濃縮事業への参画により、安全で環境にやさしいエネルギー資源の安定供給に貢献していきます。
1:プロジェクトの概要
ジョルジュベスⅡ新工場の概要
1.所在地
フランス、ピエールラット市
2.工場建設計画
・建設開始:2006年9月
・竣工時期:2009年中予定
3.操業計画
・フル操業:2016年(7500tSWU/年)
2:原子燃料サイクル図

3:出資スキーム
4:各社の概要
カンサイ・ソウジツ・エンリッチメント・インベスティング社概要
正式名称: | Kansai Sojitz Enrichment Investing |
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所在地: | 23, rue de la Paix 75002 Paris, France |
事業内容: | ウラン濃縮事業への投資およびそれらに付帯する業務 |
資本構成: | 関西電力株式会社80%、双日株式会社20% |
設立年月: | 2008年8月 |
SET ホールディング社概要
正式名称: | Societe D’Enrichissement Du Tricastin Holding |
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所在地: | 33, rue Lafayette, 75009, Paris, France |
事業内容: | SET社株式の保有、受取配当金の運用 |
資本構成: | AREVA NC 95%、GDF SUEZ 5% |
設立年月: | 2008年4月 |
SET社概要
正式名称: | Societe D’Enrichissement Du Tricastin |
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所在地: | 33, rue Lafayette, 75009, Paris, France |
事業内容: | ジョルジュベスⅡ工場の保有、操業 |
資本構成: | SET Holding 100% |
設立年月: | 2001年12月 |
アレバNC社概要
正式名称: | AREVA NC |
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所在地: | 33, rue Lafayette, 75009, Paris, France |
事業内容: | ウラン鉱山開発、ウラン精鉱販売、天然ウラン転換販売、回収ウラン転換販売、ウラン濃縮販売、燃料成型加工(MOX燃料)、再処理、原子燃料物資の輸送及び関連サービス、原子燃料サイクル(発電を除く)に関するその他付随業務 |
資本構成: | AREVA 100% |
設立年月: | 1976年1月 |
以上