双日、モザンビーク初のチップ輸出基地を建設
南アフリカで植林地を運営、日本製紙向け10月輸出開始
2008年3月10日
双日株式会社は、南アフリカ共和国の企業と共同で、モザンビークに製紙原料となる木材チップの加工・輸出を行う合弁会社を設立し、アフリカ地域での 植林事業に参入します。モザンビークにチップ加工工場が建設されるのは初めてのことで、チップの原料となる原木は隣国の南アフリカ共和国で植林地を買収し 確保します。植林地の運営からチップの輸出までの一貫事業を手掛ける本プロジェクトの総事業費は約27億円で、双日はそのうち約15億円を負担します。
双日は、本プロジェクトに南アフリカ共和国の企業で、原木販売を行うSAFIND 社(SAFIND Forest Products (Pty) Ltd.)およびHWJ社(HWJ Wood Chips (Pty) Ltd.)と共同で取り組みます。三社は、まず、2008年3月中にモザンビークの南端に位置するマプト市に、チップの加工・輸出を行うマプト・ウッド チップス社(Maputo Woodchips, Lda./MWC社)を設立します。MWC社の資本金は約3億円で、双日が40%、SAFIND社が30%、HWJ社が30%を出資します。MWC社は、 2008年8月にチップ加工工場を稼働し、10月末には日本製紙向けの輸出を開始する予定です。
さらに、三社は、チップ原料確保のため隣国の南アフリカ共和国に植林事業行う双日フォレスト・マネジメント社 (Sojitz Forest Management (Pty) Ltd./SFM社)を設立します。SFM社の資本金は約5億円で、双日が65%、SAFIND社が17.5%、HWJ社が17.5%を出資します。 SFM社は、南アフリカ共和国北東部のムプマランガ州にある約1万ヘクタールのユーカリ植林地を買収し、管理、伐採、再植林を行い、チップ加工・輸出を行 うMWC社に安定的かつ持続的な原料の供給を行います。また、2008年内にFSC森林認証を取得すべく所定の手続きを行ってまいります。
植林事業を行うSFM社は、年間36万立方メートルの原木伐採を計画しており、伐採後は再植林を行い、7-8 年後に原料として再び使用します。チップ加工・輸出を行うMWC社は、SFM社から産出される原木で賄えない分の原料を他原木販売会社 からの買材で補 い、年間20万トンのチップを生産し26億円の売り上げを見込みます。また、将来、モザンビークでの植林事業も視野に入れ事業化調査を進めてまいります。
双日は、これまでにベトナム、豪州でも植林事業を行っています。特にベトナムでは四つのチップ加工会社を保有 しており、これらの合弁会社を通じてベトナムの無立木地に、約26,000ヘクタールの森林を造成し、年間50万人の雇用を創出し、30万トンのチップを 生産しています。この事業は、合弁会社による大規模な企業有林経営ではなく、農民への融資、事業リスクと利益のシェア、苗木の無償提供などを通じて、農民 世帯や農民グループを林業経営者に育てることとなります。ベトナムで培った「持続可能な産業体系や社会基盤の実現」を考えた双日のビジネスモデルをモザン ビークに定着させることを目指します。

【モザンビークに建設するチップ輸出基地(マプト・ウッドチップス社)】
【南アフリカ共和国で運営する植林地】
【植林地から伐採される原木】
以上