双日、英国の新薬スクリーニング技術ベンチャー、ファーミデックス社と対日総代理店契約を締結
2006年6月15日
双日株式会社は、英国の新薬スクリーニング(有望な新薬候補物質を選び出すプロセス)技術ベンチャー企業であるファーミデックス社 (Pharmidex Pharmaceutical Services Ltd./本社:英国)と対日総代理店契約を締結し、中枢神経系疾患の治療薬や診断薬向けのスクリーニング技術の事業化を推進します。双日は、ファーミ デックス社と共同で、新薬スクリーニング技術を日本の製薬メーカーに紹介するとともに、新薬の分析サービス受託にも取り組んでいきます。
ファーミデックス社の新薬スクリーニング技術は、アルツハイマー病やパーキンソン病など根本的治療が待ち望まれている中枢神経系疾患の治療薬や診断薬のスクリーニングにおいて、開発の成功率向上、コストダウン、スピードアップを可能にする技術です。
脳には血液から脳組織に物質を容易に通さない「血液-脳関門」というバリアがあり、中枢神経系疾患の治療薬の開発においては、このバリアを通過して脳組織に到達する物質をいかに効率的に発見し、有効な医薬を創り出すかが最大の関門のひとつとなっています。
ファーミデックス社の技術は、医薬品候補化合物の「血液-脳関門」の透過性を、特殊な細胞等を用いて分析し、脳組織に到達できる化合物を 予測および評価するものです。この技術を応用すると、「血液-脳関門」透過性のある化合物を、あらゆる開発段階において効率的に選び出せるようになりま す。またこれとは逆に、脳神経系以外の疾患で、脳組織に作用させたくない薬を開発する場合は、脳組織に移行しやすい化合物を早期に除外することにより、脳 神経に対する副作用が少ない医薬を開発することが可能になります。
ファーミデックス社では、医薬品の開発ステージに沿って下記の新薬スクリーニング技術のサービス提供を行っています。
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Validity™遺伝子改変動物による行動評価試験・神経化学特性評価試験
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Clarity™コンピュータによる血液-脳関門透過予測
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Penetrability™P糖蛋白発現培養細胞による血液-脳関門透過試験
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IntegrityXPRESS™動物の血液中および脳におけるPK(薬物動態)試験
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Integrity™動物の脳組織での微量透析による薬効・副作用の予測試験
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IntegrityPLUS™治療薬候補の最適用量の同定
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ClinPK™ヒト血液中、または疾患組織での微量透析によるPK測定
双日は、海外バイオベンチャー企業との戦略的提携を通じ、優れた新規技術や新製品の日本での共同事業展開に取り組んでいます。成長途上の ベンチャー企業が必要とする、仲介・マーケティング・貿易・流通・ファイナンスなどの商社機能、日本における事業展開の拠点としての便宜性を提供しつつ、 これまでバイオ分野で築いてきたネットワークや培ってきたノウハウを最大限に活用し、新規事業の発掘・開発・展開を進めていきます。
Pharmidex社 会社概要
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※ ファーミデックス社は、2002年にDr. Alan M. Palmer と Dr. Mohammad S. Alavijehが設立、ロンドンと米国San Diegoにオフィスを置き、世界的に顧客企業との提携を進めています。同社は2005年、英国において、バイオテクノロジー企業としては初の 「Service Company of the Year」を受賞いたしました。また同社 Executive ChairmanのDr. Alan M. Palmerは、ロンドンにおいて「London’s Biotech Entrepreneur of the Year」の称号を授与されています。
「日本では、脳神経系疾患の新薬開発に多大な労力が払われています。この領域の新薬開発に関心の高い日本の製薬企業に、双日の協力を得ながら当社の技術 サービスの提供を推進できることを喜んでいます。ぜひ息の長い、また実りある協力を進めていきたいと願っています。(Dr. Alan M. Palmer)」
以上