リスク情報

事業上のリスク

当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されています。そのため、「リスク管理基本規程」に則り、リスクを分類・定義した上で各々のリスク項目ごとに任命されたリスク管理責任者が年度初めに「リスク管理運営方針・運営計画」を策定し、四半期ごとに進捗、改善状況をモニタリングしたうえで年度末に総括を行っています。分類したリスクのうち、計測可能なリスク(市場リスク・信用リスク・事業投資リスク・カントリーリスク)に関しては、リスクを計測し、算出したリスクアセットの数値に基づいて管理しています。また、計測を行わないリスク項目(法務リスク、コンプライアンスリスク、環境・社会(人権)リスク、資金調達リスク、災害リスク、システムリスク)については、四半期のモニタリングの対象として管理しています。当社グループは、こうした様々なリスクに対処するため、必要なリスク管理体制を整備し、リスク管理にあたっていますが、これらのすべてのリスクを完全に回避できるものではありません。

① マクロ経済環境の変化によるリスク

当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的或いは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 市場リスク

当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、ならびに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクにさらされています。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としています。

(a)為替リスク

当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされています。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じていますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(b)金利リスク

当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入または社債発行などを通じて資金調達を行っています。資産・負債を勘定科目毎に金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理していますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(c)商品価格リスク

当社グループは、総合商社としてさまざまな業務分野において多岐にわたる商品を取り扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされています。市況商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とロスカットポイントを設定の上、ポジション・損失管理を行うとともに、損切りルール(評価額を含む損失額がロスカットポイントに抵触した場合、速やかにポジションを解消し、以降の当該年度中の新規取引を禁止するルール)を制定し運用していますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。在庫商品に関しては適正水準にコントロールするために事業別に月次でモニタリングを行うなどの施策を行っています。

(d)上場有価証券の価格リスク

当社グループは、市場性のある有価証券を保有しており、特に上場株式に関しては保有意義を定期的に確認していますが、大幅な株価下落によって当社グループの投資ポートフォリオを毀損し、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 信用リスク

当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っています。こうしたリスクに対処するために、当社グループは、信用供与を行っている取引先ごとに客観的な手法に基づく11段階の信用格付けを付与するとともに、信用格付けを参考に取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしています。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じています。さらに、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出した上で、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めています。延払・融資・保証行為に伴う信用リスクは、別途、収益性が信用リスクに見合ったものかを定期的に評価し、リスクに見合う収益を生まない取引については、収益性改善または信用リスク抑制の措置を講じることとしています。

しかしながら、こうした与信管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 事業投資リスク

当社グループは、主要な事業活動の一つとしてさまざまな事業に対して投資活動を行っていますが、事業投資や権益投資などにおいて投資価値が変動するリスクを負っています。さらに事業投資の多くが持つ流動性の低さなどの理由により、当初意図していた採算で投資を回収できないリスクがあります。

事業投資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の審議における厳格なスクリーニング、事後管理、ならびに撤退について各々基準を設け、管理を行っています。

新規事業投資案件のスクリーニングでは、キャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価するとともに、キャッシュ・フロー内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる案件を選別できる仕組みを整えています。

すでに実行済みの事業投資案件については、問題事業を早期に発見し適切な措置を講じることで損失を極小化するために、定期的に事業性を評価するなどプロセス管理を徹底しています。また、事業投資案件の問題点を早期・事前に把握し、撤退・整理損を極小化する目的で、撤退条件を設定し、リスクに見合った収益を生まない投資から適時適切に撤退するための意思決定に活用しています。

このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組みおよび案件の事後管理に係る手続きを整備してはいますが、期待どおりの収益が上がらないリスクや事業活動そのものを計画どおりに行えないリスクを完全に回避することは困難です。当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性や、当該事業のパートナーとの関係など個別の事由により当社が意図したとおりの撤退ができない可能性があり、これらの場合において、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ カントリーリスク

当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えています。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としています。

カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与するとともに、国格付けと国の規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差し引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しています。

しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画どおりの事業活動を行えない可能性や、損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 固定資産に係る減損リスク

当社グループが保有する不動産、機械装置・運搬具、のれん、鉱業権などの固定資産およびリース資産については、減損リスクにさらされています。当社グループでは、対象資産に対し当期末時点において必要な減損処理を行っています。しかしながら、今後価格下落などによりこれらの対象資産の価値が著しく減少した場合、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 資金調達に係るリスク

当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金または社債発行などにより調達しています。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っていますが、金融システム・金融資本市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引き下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 環境・人権に係るリスク

当社グループは、双日グループ・コンプライアンス行動基準をはじめ、双日グループCSRポリシー、CSR重点取り組みテーマ(人権、環境、資源、地域社会、人材、ガバナンス)を定め、企業活動とステークホルダーの利益を高い次元で調和させ、発展を目指すと共に、環境、人権リスクの軽減に努めています。しかしながら、当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境や労働安全衛生、人権などにかかわる問題が発生した場合、または地域住民や環境・人権保護団体などからそれら問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、汚染除去・浄化への対応、訴訟の発生や損害賠償の負担、当社グループの社会的評価の低下などにより、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑨ コンプライアンスリスク

当社グループは、さまざまな事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、独占禁止法、外為法を含む貿易関連諸法や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっています。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全体のコンプライアンスの徹底および指導を図っています。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 訴訟などに関するリスク

営業活動に関連して、当社グループが国内または海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告または当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑪ 情報システム・情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、情報セキュリティ分科会などを中心とした管理体制を構築しています。また、重要な情報システムやネットワーク設備については、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すとともに、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、ウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めています。

このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めていますが、近年急増しているサイバー攻撃や、コンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩または毀損、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。その場合に被害の規模によっては当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑫ 自然災害リスク

地震、風水害などの自然災害により事務所・設備・社員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的または間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルの作成、防災訓練、社員安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じていますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

大和IR受賞

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