働き方改革と生産性向上
基本的な考え方
双日では、持続的成長のために人材力の最大化に注力しており、中期経営計画2020より「働き方改革」を重要施策の1つとして位置づけ、業務の効率性・生産性の向上の努めてまいりました。その結果、残業時間ならびに有給休暇取得日数においては大きな改善を図ることができ、当社における働き方改革は一定程度浸透してきていると考えております。


中期経営計画2023においては、従前から取り組む長時間労働の是正や有給休暇の取得促進の継続、テレワークの活用やオフィス環境の整備を通じた生産性の向上に加え、RPA(Robotic Process Automation)を始めとするデジタル・IT技術をより一層駆使することで業務の効率化を推進してまいります。

取り組み実績
社員の心身の健康増進及び生産性向上を目的とし、残業時間削減策と休暇取得推進策の推進、事業に見合った柔軟な働き方を可能にするスーパーフレックス制度の導入(実施済)のほか、全社レベルでのテレワーク導入、ITツール活用による業務効率化など、様々な取り組みを行っています。特に、2019年4月の法改正対応(残業時間の上限規制、有休5日取得義務化)を考慮した独自の目標を設定し、勤怠システムの改修による残業時間および有給休暇の管理、E-learning等を通じた法改正概要の社内啓蒙を実施し、働き方改革を進めています。
長時間労働の是正
2023年度目標 | 月間所定外労働時間80時間(※)を超える社員数ゼロ |
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原則20時以降残業禁止、月間所定労働時間80時間超(※)の残業社員数0名を目標とすることで、長時間労働削減を推進しています。月間所定労働時間80時間超の社員数の実績は、2018年度は69名ですが、2022年度は24名まで大幅に減少しています。引き続き改善を推進していきます。
(※)上記の所定労働時間80時間超は、当社所定労働時間は1日7時間15分を基準としており、法定労働時間1日8時間を基準に換算すると約65時間超となります。
<勤怠管理の高度化>
全社員のPC利用時間をベースとする勤怠管理システムを改修し、日々の残業時間を上司が管理するとともに、残業上限ラインを超過する可能性がある社員について、月中に注意喚起メールを上司宛に自動送付しています。また、上司が部下の休暇取得状況を見える化し、現場の上司部下間で計画的な業務遂行や休暇取得に関するコミュニケーションを図る体制を2020年度に整備しました。なお、プロジェクトの繁忙期等、業務上やむを得ない事情により、勤務時間が一定時間を超える場合は、人事部による上司との業務分担の見直しや、業務効率改善策を検討する対話を行っています。
有給休暇取得の促進
2023年度目標 |
有給休暇取得年間17日以上 (1日/月ペースの有給休暇と夏期休暇5日/年の合計) |
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双日では、入社次年度以降、前年度における出勤率が80%以上の社員に20日の年次有給休暇を付与しているほか、夏期休暇として特別休暇を5日間、合計25日間の有休・特別休暇を付与しています。有休・特別休暇取得は、2022年度実績で17日以上とする目標を達成致しました(18.36日)。2023年度も引き続き17日以上(休暇取得率68%に相当)を継続目標として促進してまいります。有給休暇の消化促進にあたっては各組織におけるワークシェアリングの実施に加え、所属組織の業績評価項目として組み込んでおり、働き方改革の中で取得率のさらなる向上、それに伴う健康経営の推進と生産性の向上に向けた取り組みを継続していきます。
長期勤続者を対象にした休暇制度
勤続10年、20年、30年目の節目を迎える社員に対しては、5日間の特別休暇を付与しており、これに有給休暇ないしは夏期休暇を加えて連続2週間以内の長期休暇とすることが可能です。今年度より、海外勤務者も取得可能とし、これまでの休暇日数では行くことが難しい、遠距離旅行など、勤務場所から物理的に離れることを可能にし、心身ともリフレッシュできる機会取得を推進しています。
特別休暇「ファミリーサポート休暇」の付与
有休および夏期休暇で計12日以上を取得した社員を対象に、家族のサポート(配偶者の出産付添、学校の参観日、親の看病等)を目的とした特別休暇を新たに5日間付与し、家庭の事情に配慮した取得しやすい休暇制度としています。
場所や時間にとらわれない働き方を選択できる環境の整備
時差のある地域とのビジネスなど、部署の業務形態に合った勤務時間を現場で選択できるよう、コアタイムを撤廃したスーパーフレックス*を導入済です。また、働き方改革の一つとして、2019年度においては、2018年度から行ってきた社内トライアルを経て2020年1月から正式にテレワーク勤務制度を導入し、自律的に働く多様な人材が柔軟に業務遂行できる環境を整えています。これにより、2月には新型コロナウイルス対策として時差出勤や在宅テレワーク勤務をいち早く奨励、また緊急事態宣言下においては、全社員テレワーク体制とし、社員の感染拡大リスク回避と事業継続を行いました。引き続き、テレワークを活用した新たな働き方の検討を進めていきます。
*2017年11月から、必ず会社にいなくてはならない「コアタイム」を廃止して、7時から20時の間で個人の都合にあわせて勤務することを可能としました。同時に、勤務間インターバルを設定し、前日の終業時刻から翌日の始業時刻までに10時間以上空けることを推奨することで、健康面も考慮した勤務時間となるようにしています。
個人業務の質と組織力向上とを両立できるオフィス環境の整備
東京本社の人員増に伴うフロア改編計画の際、本社オフィスで働く社員からのアンケート結果を、社員意識調査結果と合わせ、双日の働き方にあったオフィスのコンセプトを改めて定義し、デザインやファシリティに反映します。チームの生産性向上に向けたコミュニケーションスペースの充実、個人業務の質向上のための集中ブース設置等を順次進めています。
業務効率化
ITを活用した業務効率化を進め、付加価値の高い業務へのシフトを全社で進めています。2018年よりRPA(Robotic Process Automation)を導入し、社内の定常業務をロボット化した結果、全社で約3万時間(2022年3月末時点)の削減につながっています。また、ローコードツールの活用に関し、総務・IT業務部が主体となり進めている内製化の結果、約2,500時間(2022年7月時点)の削減につながっており、今後も様々なデジタル技術を活用した業務効率化を進めていきます。
加えて、2021年より全社で電子契約システムを新規導入、また社内会計伝票の承認プロセスを電子化し、合計約5万時間(2022年3月末時点)の削減を実現しました。社内申請書についても、多くは既に電子化しており、今後もさらに拡充していく予定です。
また、エンゲージメントサーベイ結果より、業務時間の多くを占める会議を見直しています。一例として、会議は最大40分という時間意識を持ち、時間内で結果を出し、次アクションにつなげるルールを策定しました。人事部長メッセージとして本社・関西支社内の全会議室に掲示しています。