健康経営
基本的な考え方
双日にとって最大の財産である社員一人ひとりとその家族が心身ともに健康であり、かかる社員が働きやすさと働きがいをもてる健全な職場環境づくりは、会社の重要な責任のひとつと考えています。社員が仕事に対する高い意欲を持ち、最大限の力を発揮することが組織力向上につながり、双日が掲げる「新たな価値と豊かな未来の創造」を実現するという考えに基づき、健康維持・増進に関する『双日グループ健康憲章 〝Sojitz Healthy Value〟』を策定しました(2018年3月)。この『双日グループ健康憲章』にのっとり、様々な取り組みを推進中であり、今後も健康経営を強化していきます。
双日グループ健康憲章 〝Sojitz Healthy Value〟宣言
✓当社が企業理念に掲げる「新たな価値と豊かな未来の創造」の実現は、「社員の心身の健康」と「健全な職場環境」の上に成り立つものと考えます。
✓双日グループは社員1人ひとりと、その家族が自ら健康の維持・増進に努めることを支援し、個人個人の能力を最大限発揮できる職場環境作りを目指していきます。
本中計の新たな取り組み
双日では、ここ数年間において生活習慣病罹患者数が増加傾向にあるほか、がん罹患等により治療を継続している社員もいます。疾病の未然予防、健康増進に加え、仕事と治療の両立を図るべく、健康推進担当の組織体制を強化し、以下施策を実施しています。
定期健康診断受診率・二次健診受診率の向上
全社員に対し、年1回、定期的に健康診断受診、婦人科検診の機会を提供し、未受診者について個別受診勧奨を行い、受診率の向上を図っています。今後は二次健診該当者の受診勧奨を強化し、疾病の早期発見による予防、早期解決につなげていきます。21年度より人材KPIとして二次検診受診率の進捗をモニタリングしています。
2020年度 |
2021年度 | 2022年度 |
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健康診断受診率 | 100% |
100% |
100% |
がん対策
がん研有明病院と提携し、40歳以上の社員に対し3年に1回、 通常の健診項目に加え、胃カメラ、大腸内視鏡、胸部CT、腫瘍マーカー等を実施し、がんの早期発見・治療に努めています。がん検診導入に際しては、がんセミナーを実施し、がんに関する基礎知識や検査内容の周知を図っています。
また、社員およびその家族に関し、厚労省の指定するがんに関する先進医療が必要となった場合の費用を補助することで社員と家族が安心して治療に専念できる環境を整備しています。
更に2022年度より子宮頸がん検診・乳がん検診の対象を全女性社員に拡大し、女性の健康支援を強化しています。また、健康で働き続けるために知っておきたい、女性特有の疾病リスクや年齢による身体の変化、不調に対するセルフケアなどのテーマで専門の医師によるセミナーなどの開催を行っています。
健康管理システムの導入
社員の健康状態の変化を予兆できる体制とするため、「健康管理システム」を2019年6月より導入しています。全社員の健康診断(定期健診、成人病、がん検診など)やストレス度合を定期的にチェックし、健康状態に変化がみられる社員に対し、健康推進担当より個別アプローチする体制を整え、社員が業務上の悩みも含め、相談しやすい環境を整えています。
受動喫煙対策
社員の健康維持の為に、2023年度末までに喫煙率を22%(2019年度)から12%まで減らすことを目標としており、東京本社および関西支社に設置していた喫煙ブースを2023年3月末で閉鎖しました。引き続き、2020年度から実施している喫煙者卒煙プログラムや禁煙に関するセミナー等を順次実施していき、2023年度末までに喫煙率を12%まで減らすことを目標としています。
2020年度 |
2021年度 | 2022年度 | 2023年度末目標 |
|
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喫煙率 | 20% |
18% |
17% |
12% |
社員の健康づくりに関する支援
社員の健康づくりに関して、生活習慣病予防を推進するべく、BMI指数が30以上の社員数(35歳以上)を1%以下にすることを目標と定めています。この目標達成のため、健康相談窓口を設置しているほか、生活習慣病予備群等に対し栄養指導等を実施したり、栄養価の高い低糖質弁当を社員に提供するなど、支援の幅を広げています。また、女性の健康支援やその他健康課題をテーマとするセミナーを実施しています。
メンタルヘルス対策
2020年度より精神科産業医を設置し、発症予防、早期発見、早期治療、再発防止に繋げる施策を実施しています。労働安全衛生法に基づき毎年ストレスチェックを実施し、高ストレス者に対する産業医面談および組織毎の集団分析を行い、職場の環境改善に繋げています。また臨床心理士を設置し、いつでもカウンセリング可能な体制の構築、管理職向けのラインケアセミナーを実施し、メンタルヘルスマネジメントに対する意識啓蒙を図っています。これらのプログラムを通じて、2023年度までにメンタル不調による休務率を2019年度よりも半減させることを目標としています。
感染症対策
新型コロナウィルス対策として、社員が安心して働けるよう、グループ会社、家族を含め職域接種を実施し、社員対象に抗原検査を実施しています(22年度抗原検査費用:約17百万円)。また東阪間で産業医と連携し安全・衛生委員会での状況の共有、各フロアーへの消毒薬の設置、発熱者管理等推奨を実施しています。また、毎年インフルエンザの予防接種受検を推奨し、費用補助を実施しています(19年度以降補助額:3.3百万円)。
職域接種(累計) | 抗原検査 |
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---|---|---|
2021年度 | 10,359回 |
38,957回 |
ヘルスケア等
東京本社および関西支社では、業務における疲労回復・ストレス緩和を目的としたヘルスケアルーム(マッサージ室)の設置に加え、社員の健康促進とワークライフマネジメントの充実のため、フィットネスクラブなどを割引で利用できるサービスを導入しています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
|
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ヘルスケアルーム利用者 | 888人 | 1,080人 | 1,341人 | 2,168人 |
健康経営取組による各種数値の推移
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
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定期健康診断受診率 | 100% | 100% | 100% |
精密検査(二次健診)受診率 | 24% | 49% | 67% |
肥満者率(BMI30以上) | 2.3% |
2.3% | 3.4% |
治療継続者の管理率 | 100% | 100% | 100% |
特定保健指導実施率 | 21% | 20% | 20% |
喫煙率 | 20% | 18% | 17% |
運動習慣者比率 ※1 | 17% | 22% | 33% |
ウォーキングキャンペーン 参加人数 |
638人 | 691人 | 751人 |
ストレスチェック受診率 | 94% | 91% | 95% |
高ストレス者率 | 4.8% | 6.3% | 6.4% |
傷病による休職率 | 0.2% | 0.3% | 0.2% |
アブセンティーイズム | 0.2日 | 0.8日 | 0.7日 |
健康施策の従業員の満足度 | ー | 84% | ー |
従業員のヘルスリテラシーの状況 | ー | 83% | ー |
※1「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上1年以上実施」または「日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施」に「はい」と回答した者の割合
プレゼンティーイズム(WHO-HPQ): 39%(22年度より計測開始)
総評:
精密検査受診率は改善傾向であるが引きつづき産業医と連携し受診率向上に取り組みます。運動習慣比率はウォーキングキャンペーン参加人数と共に増加、喫煙率も改善傾向、生活習慣改善策を進め肥満率の改善に努めます。引き続き精神科産業医と所属組織との連携を強化し、メンタル不調による休務率の改善に努め、アブセンティーイズムの改善を目指します。
仕事と家族の健康の両立支援
長期療養を経て復帰した場合等、必要に応じて勤務時間の制限を図り徐々に仕事に慣らしていく対応をとっています。また、テレワークやコアタイムを撤廃したスーパーフレックスタイム制度等を柔軟に活用することで、通院しながら治療と仕事の両立を図ることが可能な体制を整えています。また、社員のみならず家族も使用できるカウンセリングサービス等、家族の健康支援にも注力しています。
推進体制
双日では代表取締役社長をトップとして人事部、サステナビリティ推進部、、双日健康保険組合、労働組合と連携・協議し、以下の通り、社員の健康維持・増進に関する体制を構築しています。
組織

①メンタルヘルス対策やストレスの予防・軽減を含む労働安全衛生法の趣旨に基づく、労働災害の防止、社員の疾病の予防、健康の増進ならびに環境の整備促進を目的とする「安全衛生管理規程」を定め、産業医、看護師を含む診療室、人事部、サステナビリティ推進部にて社員の健康管理を実施しています。
②また規程に基づく取り組みとして、安全・衛生委員会を毎月開催し、モニタリング(安全衛生活動についての報告、改善施策の検討等)を行なっており、結果については全社員向けに社内掲示しています。
当委員会は、人事部・産業医および労働組合にて構成しており、東京9名(会社側5名、組合側4名)、大阪6名(会社側3名、組合側3名)で運営しています。
安全・衛生管理規程
労働安全衛生法の趣旨に基づき、労働災害の防止、社員の疾病の予防、健康の増進ならびに環境の整備促進を目的として「安全衛生管理規程」を制定し、管理体制、安全・衛生委員会、健康診断およびストレスチェックの実施などについて定め、運用しております。
サステナビリティ推進部・診療室について
双日ではサステナビリティ推進部での社員の健康管理、健康診断の実施に加え、東京本社および関西支社に診療室を設置、各種専門医による診療体制を整えております。診療体制は、東京本社に産業医、精神科産業医、内科(循環器、内分泌、消化器)、婦人科の専門医と看護師4名、関西支社では産業医、内科、精神科の専門医と看護師1名を配置し、日々の健康相談や各診療を受診できる体制を整えています。
利用実績
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
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診療室利用者 | 1,711人 |
1,436人 |
1,808人 |
グループへの取り組み
『双日グループ健康憲章 〝Sojitz Healthy Value〟』にのっとり、双日グループ会社の社員の健康の維持・増進に寄与すべく取り組みを実施しています。具体的には、がん検診等の検診機関の紹介、当社産業医によるセカンドオピニオン、海外赴任前講習への参加、海外における医療サービス会社との提携に関するサポートを実施しています。また、定期的に実施するグループ会社連絡会において、健康経営に関する取り組み、精神科医の講演や働き方改革の全般的な施策や、外部講師を招いて働き方改革関連法改正等に関する説明会の実施などを行い、各種啓蒙を図ることで、グループ会社社員の健康維持・増進を進めています。
外部評価
従業員の健康増進等に積極的に取り組み、優良な健康経営を実践している法人として、経済産業省と日本健康会議が主催する健康経営優良法人認定制度である「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)ホワイト500」の4度目の認定を受けました。健康経営を経営における重要テーマと捉え、経営層を巻き込んだ取り組みや、従業員への浸透度、また施策の効果検証・改善を特に評価頂きました。
また、2018年6月には日本政策投資銀行「DBJ健康経営(ヘルスマネジメント)格付」より、従業員への健康配慮への取組が優れているという評価を得ています。