ダイバーシティ経営
女性活躍推進
変化のスピードが加速するビジネス環境において、女性を含む、多様な人材の活躍が中長期の双日の成長に不可欠であるとの認識のもと、経営トップ自らがメッセージを継続的に発信し、管理職をはじめとする社員の意識改革をリードしています。
女性活躍推進にあたっては、ジェンダーに関わらず、社員自らがキャリア意識を高め、能力を発揮できるような育成や環境づくりが重要であると考えています。また、仕事と育児の両立支援、多様な人材が活躍できるチームマネジメント力の強化、多様な働き方への対応など、複合的に取り組みを進めています。
女性活躍推進に関するこれまでの歩み
ライフイベントがある中でも「キャリアを止めない」との観点から、若手女性総合職社員に対する駐在や語学研修などの経験早期化の推進や、上司・本人への研修などの実施により、女性のキャリア形成と継続についての理解促進を図るとともに、仕事と育児の両立支援の環境整備等に取り組んできました。
多様性を活かすためのベース
多様性を競争力に:2030年代に向けた中長期の取り組みと目標
双日は、女性活躍を更なる競争力に繋げるために、中長期の目線で、当たり前に女性が活躍する環境づくりを進め、世代に応じた社員の自律的な成長をサポートしながら、将来的に組織の意思決定に関わる女性社員を増やしていきます。
「中期経営計画2023」においても、従来の考え方や取り組みを継続しつつ、長期・中期の目線を設定して、女性活躍推進を加速します。
ジェンダーやライフステージ(出産・育児など)に関わらず、
個々人が知見・能力・経験を発揮して活躍、価値の創造に貢献
● 2030年代中に女性社員比率50%程度とすることを目指し、社員の自律性を促し、ジェンダーに関わらず活躍ができる組織風土づくりを更に進めます。
● 将来、意思決定に関わる女性の数を増やすなど、活躍の場を更に拡大すべく、社員の自律的な成長をサポートしつつ、各世代層のパイプライン形成と、経験の蓄積、キャリア意識醸成に継続的に取り組みます。
女性活躍推進法に基づく行動計画
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)に基づき、2023年度末までの計画、目標を設定しています。
女性活躍推進法に基づく「一般事業主行動計画(2021年4月~2024年3月)」
各種施策について
各世代層のパイプライン形成
管理職までの経験値積上げ
女性活躍の目標に掲げている女性総合職の新卒採用比率は、2018年度以降、30%以上を維持しています。管理職育成のためのパイプライン形成として、ライフイベントに左右されない若手のうちに、海外や国内出向など本社外の経験を積む機会を提供しているほか、世代別の研修を実施しています。また、女性の管理職登用を積極的に進めており、課長を補佐する副課長職の経験を経て、課長に登用する事例も増えています。
若手社員に対する取り組み
2018年度には、4-5年目の女性総合職に対し、一人ひとりの強みや、仕事とライフイベントをどうマネージするか等、中長期的なキャリアを考える研修を実施しました。研修の中では、女性総合職と上司が合同で研修と講義を受け話し合うセッションも設けています。
2021年度は、10年後の管理職世代となる30歳前後の女性総合職を対象に、自身のキャリアの明確化や、将来ビジョンに対する意識を高めることなどを目的に、経営陣によるメンタープログラムを実施しました。
係長相当職に対する取り組み:管理職前研修プログラム
係長相当職の女性総合職を対象に、管理職登用への育成の一環として、2019年9月より継続して、コーチング、上司や役員との面談を含む3ヶ月タームのキャリア研修を実施しています。
管理職に対する取り組み:管理職の外部研修派遣
マネジメント力強化の一環として、管理職に対して、ビジネススクールのエグゼクティブプログラムへの派遣や当社グループ会社の役員任用等の取組みを進めています。
2021年4月には内部昇格により当社初の女性執行役員も誕生しました。また、社外からの人材獲得により、女性の執行役員数は2022年7月現在で2名となっています。
その他の取り組み
社外取締役キャリアトークセッション
社外取締役キャリアトークセッション「多様性を競争力に」つなげるために、ジェンダーに関わらず多様な社員が活躍できる組織風土づくりの一環として、2022年度は「双日・女性キャリアトークセッション」(全3回)を開催。3名の女性社外取締役が登壇し、これまでのキャリアや、ビジネスパーソンとしての心がけ、社外取締役の視点から見た双日など、様々なテーマで話をしました。

社外取締役による女性キャリアトークセッション
女性執行役員によるラウンドテーブル
女性執行役員によるラウンドテーブル多様な考え方や視点に触れ、視野を広げるために、コミュニケーションネットワーク作りの機会を設けています。2022年度には、外部登用の女性執行役員を囲み、少人数で意見交換を行う、ラウンドテーブルを全6回開催しました。ラウンドテーブルには男性本部長も加わり、活発な意見交換となりました。

小人数のラウンドテーブル
事務職社員のキャリア形成
多様なキャリア形成のニーズに応え事務職社員の活躍を促すべく、19年度に人事制度を改定し、事務職の上位役割等級ならびに、地域・職種・領域を限定した総合職を新設しました。事務職としての更なる活躍または自身の専門性を活かし総合職へ転換し活躍の幅を広げている事務職社員が出始めています。
また21年度には、より早期に総合職にチャレンジしたい事務職社員に対し、自身の経験・スキルを活かして地域・職種・領域を限定した総合職に転換できるよう人事制度を改定しました。キャリアを考える研修の実施などの多様なキャリア形成を促す経験を提供することで更なる活躍を推進しています。
事業創出に向けた活動
2019年度から開始した双日の新規事業創出プロジェクト「発想×双日プロジェクト」において、様々な性別・年次・役職が集まる多様性にあふれるチームが結成され活動を続けています。中でも2020年度にはフェムテックチームが結成され、事業化に向けた活動を進めています。全ての人が自分らしいライフ・キャリアを過ごすことができる社会を目指し、女性特有の月経・プレコンセプションケア・妊娠・産後・更年期・婦人科系疾患に関する課題や悩みと向き合い、テクノロジーを活用して女性が自分らしいライフ・キャリアを選択できるよう、女性の健康を支えるビジネスの実現に取り組んでいます。
女性の健康に関する取り組み
健康診断受診率は100%を継続しており、二次健診の受診勧奨を積極的に行っています。更に2022年度より子宮頸がん検診・乳がん検診の対象を全女性社員に拡大し、女性の健康支援を強化しました。加えて、社内診療所に婦人科専門医を配置、不妊治療に関する相談窓口の設置や外部企業と契約し、医師や専門家によるオンラインセミナーの開催や、社員やその配偶者の不妊治療の支援も行っています。健康で働き続けるために知っておきたい、女性特有の疾病リスクや年齢による身体の変化、不調に対するセルフケアなどのテーマで専門の医師によるセミナーなどを開催しています。
関連データ
女性採用比率実績
2018年3月期 (FY2017) |
2019年3月期 (FY2018) |
2020年3月期 (FY2019) |
2021年3月期 (FY2020) |
2022年3月期 (FY2021) |
|
---|---|---|---|---|---|
新卒女性採用比率 (総合職および事務職) |
35.8% | 47.9% | 46.0% | 49.0% | 45.4% |
新卒女性採用比率 (総合職のみ) |
23.6% | 37.0% | 32.0% | 34.1% | 31.9% |
キャリア採用比率 | 21.7% | 40.7% | 44.0% | 53.3% | 34.3% |
女性管理職実績
2018年3月期 (FY2017) |
2019年3月期 (FY2018) |
2020年3月期 (FY2019) |
2021年3月期 (FY2020) |
2022年3月期 (FY2021) |
|
---|---|---|---|---|---|
管理職数(名) | 男性 1,031 女性 33 |
男性 1,020 女性 40 |
男性 1,000 女性 46 |
男性 954 女性 54 |
男性 915 女性 57 |
女性比率 | 3.1% | 3.8% | 4.4% | 5.4% | 5.9% |
部長相当職数(名) | 男性 184 女性 0 |
男性 186 女性 2 |
男性 187 女性 3 |
男性 176 女性 2 |
男性 154 女性 2 |
課長相当職数(名) | 男性 841 女性 33 |
男性 834 女性 38 |
男性 813 女性 43 |
男性 778 女性 52 |
男性 761 女性 55 |
新規管理職登用数(名) | 男性 50 女性 3 |
男性 28 女性 7 |
男性 28 女性 5 |
男性 35 女性 9 |
男性 33 女性 4 |
女性係長相当職実績
2018年3月期 (FY2017) |
2019年3月期 (FY2018) |
2020年3月期 (FY2019) |
2021年3月期 (FY2020) |
2022年3月期 (FY2021) |
|
---|---|---|---|---|---|
係長相当職数(名) | 男性 275 女性 44 |
男性 294 女性 44 |
男性 297 女性 38 |
男性 284 女性 38 |
男性 287 女性 39 |
その他の関連データ
- ・従業員における女性比率
- ・管理職における女性比率
- ・採用における女性比率
- ・男女の平均勤続年数の差
- ・取締役における女性比率
- 女性活躍に関する第三者保証報告書
ワークライフマネジメント推進

双日では、社員が主体的に生活と仕事をマネージするワークライフマネジメントを推進しており、育児・介護と仕事の両立のためのさまざまな支援制度を導入・整備しています。
2021年8月には、厚生労働大臣の認定である「プラチナくるみん認定」を取得。くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業を「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が認定する制度です。当社はこれまで2010年から4回連続で「くるみん認定」を取得し、5回目となる認定において、より高い水準で子育て支援を実施している企業に付与される「プラチナくるみん認定」の取得、 2022年12月から、不妊治療と仕事との両立のための制度や方針を設け社内周知している企業に付与される「プラチナくるみんプラス認定」の取得となりました。
現在、次世代育成支援対策推進法に基づく2021年度から2023年度までの「一般事業主行動計画」を新たに定め、今後も継続して、「育児と仕事の両立を実現するための風土づくり」や「子の出生後も主体的にキャリア形成できる環境整備」への取組を進めてまいります。
仕事と育児の両立支援制度
双日では、産前の休暇として有給で6週間の休暇取得が可能です。また、産後については2022年4月より、従来の育児休暇制度を改定し、男女共通の「産後育児休暇」を設けました。子の出生後から1歳になるまでの間の40日間(所定勤務日ベース)を限度に、取得回数に制限なく分割ができる有給休暇を付与しています。法定では、産前6週間、産後8週間は無給の休業が認められていますが、双日独自の給与支給を伴う育児休業制度となります。
また、育児休職は出産後1歳までとし、保育所への入所ができず復職が難しい場合、法定期間を上回る最大2歳半迄延長が可能です。また社員の育休からの復職をサポートするため、事業所近隣の保育所と法人契約を締結し、保育所が見つからない場合に利用できる体制をとっています。さらに、業務遂行のために利用できるベビーシッターの費用補助等も行っています。
柔軟な働き方
双日は、以前からフレックスタイム制度を導入していましたが、2017年11月からは必ず会社にいなくてはならない「コアタイム」を廃止し、7時から20時の間で勤務ができるようになりました。また、育児短時間勤務制度については、始業/終業時間のスライドを可能にする時短スライド制も導入。さらに、トライアル期間を経て、2020年1月からはテレワークを全社導入し、仕事と育児を両立する柔軟な働き方の環境を実現しています。
早期復職支援制度
2019年10月には、仕事と育児の両立に関する諸制度に新たに「早期復職支援制度」を導入し、産休・育休を取得後、早期に復職(子が生後9か月になる月の翌月1日までに復職)した社員を対象に保育料補助を実施しています。
制度導入により、早期に復職可能な環境を整え、復職意欲を高め、キャリアの継続を支援しています。
また、復職時の早期キャッチアップ、仕事と育児を両立するためのペースづくりの支援として、勤務時間や日数を限定して復職できる段階的復職の取組みも行っています。
再雇用制度
配偶者の国内外への転勤に帯同し退職を余儀なくされる社員については、再雇用制度の導入により再度キャリアを継続することが可能な環境を整えています。
配偶者の転勤に伴う再雇用制度を利用して復職した人数:
2018年3月期 (FY2017) |
2019年3月期 (FY2018) |
2020年3月期 (FY2019) |
2021年3月期 (FY2020) |
2022年3月期 (FY2021) |
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復職者数(名) | 3 |
4 |
3 |
5 |
2 |
男性の育児休暇
2022年4月に育児休暇制度を改定し、男女共通の「産後育児休暇」を設けました。 子供が生まれてから1歳になるまで、取得回数に制限のない、通算で40日の育児のための特別休暇(有給)を付与しています。旧制度では、取得期限を出生後8週間までとしていましたが、新制度ではこれを1歳までに延長しました。
近年、制度の拡充や管理職向け研修などを継続的に実施してきたことで、男性社員の育休取得率、取得日数ともに大幅に向上しております。男性社員の育児に対する意識向上や職場での上司や同僚による理解や、サポートを一層促進し、仕事と育児の両立がし易く、ジェンダーに関わらず活躍できる環境整備に取り組んでいます。
また、2023年迄に男女問わず育児休職、育児関連休暇制度の取得率を100%にすることを目指しています。

社内のデジタルサイネージで男性育休の取得事例を紹介
関連情報
- [外部サイト] “多様性”を活かす風土が競争力を生み出す。社員の声を聞き、総合商社双日が実現させた「新育休制度」 | AMP[アンプ] - ビジネスインスピレーションメディア (ampmedia.jp)
- [外部サイト] 「イクボス研修」などで上司の意識を変革し、育業(育休)が取りやすい職場環境を醸成。|企業事例動画・事例集|家庭と仕事の両立支援ポータルサイト (tokyo.lg.jp)
男性の育児休暇取得実績:
2018年3月期 (FY2017) |
2019年3月期 (FY2018) |
2020年3月期 (FY2019) |
2021年3月期 (FY2020) |
2022年3月期 (FY2021) |
|
---|---|---|---|---|---|
男性の育児休暇取得率 | 22.8% |
31.0% |
55.6% |
55.6% |
83.3% |
男性の育児休暇平均取得日数 | 3.7日 |
3.5日 |
11.7日 |
17.2日 |
26.5日 |
双日育児コンシェルジュ
外部専門家が、育児コンシェルジュとして、育休からの復職に向けた保育園を探す保活情報の提供や、仕事と育児の両立へのアドバイス等の個別相談会を行っています。また、セミナーや社員同士の交流会などを定期的に実施しています。男性社員の利用も多く、性別を越えた育児中の社員同士の意見交換の場になっています。
なでしこ銘柄に選定されました
様々な女性活躍の取り組みにより、2022年3月には、女性活躍推進に優れた上場企業を表彰する「なでしこ銘柄」(経済産業省、東京証券取引所主催)に6年連続6回目の選定をされました。
イクメン企業アワード 奨励賞を受賞しました
2020年11月には、働きながら安心して子どもを産み育てることができる労働環境の整備を目的に、男性の育児と仕事の両立を促進する企業を表彰する「イクメン企業アワード2020」(厚生労働省主催)で奨励賞を受賞しました。