多様性×寮
並 真樹也/総務・IT業務部部長
坂田 匡俊/総務・IT業務部総務課(寮管理担当)
山路 美伶/総務・IT業務部
セキュリティ・デジタルBPR推進課(女子寮長)
平井 優作/サステナビリティ推進室 企画業務課(男子寮長)
2022.12.27
坂田:男子寮の課題はロケーションですよね。かつての男子寮は柏にあり、駅からの距離も遠く、本社までドアtoドアで70分ほどかかりました。深夜タクシー帰宅の負担も大きかった。
そのため入寮率が60%を切り、2年以内に退寮する人も多くタテ・ヨコ・ナナメの関係性を育みにくい環境になっていた。
一方の女子寮は3寮あったうち2寮は全室ワンルームタイプで、共有部もない。こちらもコミュニケーションが生まれにくかった。
並:そこで今年、男子寮は江東区の清澄白河に移転。120戸の清澄白河寮を立ち上げました。本社まではドアtoドアで約30分に。
女子寮は3つあった寮を、元代々木の200戸に集約しました。共有スペースもしっかり用意。何より某ドラマの撮影場所としても知られる元代々木は、静かな住宅街のすばらしいロケーションです。
清澄白河も同様ですが、それが月3万円以下。入寮の魅力がうんと上がったと自負しています。
坂田:また男子寮ならシェアキッチンやジム、卓球ルーム、サウナなど。女子寮はラウンジやパターゴルフ室と、共有スペースは充実しています。専有部の居室は従前の寮より広い生活空間を確保しており、入居者の多様性をある程度、担保した形ができたなと。
実際の"使い心地"は、ぜひ今、それぞれの寮長を務めている平井さんと山路さんに教えていただきたい。
平井:私は柏時代から男子寮自治会の役員をしてきましたが、本社までの近さは、やはり便利ですね。
また共有部の使い勝手もいい。直近では、サッカーW杯を、ラウンジのプロジェクターで皆で応援。非常に盛り上がっていました(笑)。またサウナ付き大浴場があるので、そこで会話も生まれやすく、「今度みなでゴルフに行こう」等と交流のきっかけになっていますね。
山路:元代々木の女子寮はロケーションが本当にすばらしいと感じています。代々木上原周辺は、素敵なカフェなども多く、寮生同士で「あそこは美味しいらしいので、行ってみない?」と誘い合うことが増えました。タテ・ヨコ・ナナメのつながりが、自然と生まれやすくなりました。
平井:清澄白河寮も、お隣が門前仲町でいい感じの飲み屋さんや飲食店が多いので、先輩後輩で連れ立って飲む機会も多いですね。
またシェアキッチンが8つもあり、使い勝手のいいアイランドキッチンまである。釣り好きの人が釣ってきた魚を持ち込んで、みんなで料理。それを肴にお酒を飲む、なんてことも。
坂田:一方で清澄白河寮にはオンラインミーティングがしやすいよう、テレキューブを5つ設置しました。
平井:人気ですね。仕事柄、海外とのミーティングも多いので、夜は埋まっていることが多いです。リモートワークが常態化した今、寮にもこうした環境があるのはありがたい。
並:寮での生活、そこで生まれた関係性をきっかけに、会社での共創に繋がった事って何かある?
山路:あります。事業アイデアの社内公募制度「発想×双日 Hassojitzプロジェクト」に参画していたのですが、悶々と抱えていたビジネスアイデアの芽があったんですね。寮のみんなで料理する機会があり、そのときさりげなく相談してみたら、皆が壁打ち相手になってくれた。お肉を切りながら、アイデアがまとまっていったことを覚えています。
また自治会でクリスマスパーティなどを企画して実施するのですが、メンバー同士がとても仲良くなれる。仕事だけだと関わる人の幅が限られますが、部署も年次も違うけれど何かあったときに相談にのってくれる頼りになる仲間が増えたなと感じます。
平井:わかります。僕もコーポレート部門なので、オフィスだとなかなか営業の現場の方と話す機会がないんですね。けれど、寮の仲間と門仲の飲み屋さんで、彼らと腹を割って話せるのは、自分の視野も広がり、仕事の見晴らしもよくなると感じています。コーポレート側からのいやがられがちなお願いごとをしやすくなるメリットもありますね(笑)。
並:今回の寮の移転・調達に関して、当然、経営会議にかけたのですが、経営層が寮の話題のときは、皆の顔がやわらかくほころび、雑談で盛り上がったんですね。「あの寮ではこんなことがあった」とか「あの先輩とは今も続いている」とか(笑)。
一生もののすばらしい経験と思い出が、寮で育まれることの証左だなと感じました。寮が新しくなり、30%だった退寮率は10%以下にまで下がっている。さらに多くの方々に寮でのすばらしい時間を味わってもらい、素敵な歴史を重ねていってほしいですね。
(所属組織、役職名等は本記事掲載当時のものです)