持株会×ファイナンシャル・ウェルネス
赤坂 誠一/人事部人事企画課 課長
田中 茜/人事部人事企画課
2023.05.25
赤坂:双日はかねてより「従業員持株会」の拡充に力を入れてきました。持株会とは、自社の株を従業員が購入・保有できるしくみのことです。
従業員の方々からみれば、少ない資金でも株式投資ができ、またインサイダー規制に即した形で、自社株を使った資産形成ができるのがメリットです。
田中:社員それぞれの普段の業務が地続きに自分の資産価値に結びつくのも、いいところですよね。
赤坂:一方で、会社側からみると、社員が株主と同じ目線で、双日の企業価値の向上、持続的な成長を目指せるようになることの意義は大きいと考えられます。
田中:こうした従業員と会社、双方のメリットがあるからこそ、持株会のスキームも、魅力あるものにしてあります。
まずは双日の株が「時価より10%安く取得」できます。たとえば社員が「1万円分、持株会で株式を取得したい」と考えたとき、会社はその10%にあたる1,000円分の奨励金を支払う。社員は「1万1,000円分」の株式を、1万円で取得できます。
赤坂:含み益が最初から10%あるのと同じことですからね。加えて、配当利回りは5%です。
もちろん双日持株会以外にも世の中にはたくさんの投資機会があります。しかし、当社社員には、双日持株会よりも「自分の努力で成果を変えられ、収益性が高い投資が他にあるのか」考えて欲しいと思っています。
田中:キャンペーン期間は今年2月から5月末までの4ヶ月間。すでに持株会に入会している社員はもちろん、その期間に新たに入会してくれた社員にも100株を追加で取得できるというスキームです。あらためて......思い切りましたよね(笑)。
赤坂:そうですね。藤本社長の肝いりでもありました。後押しとなったのは、2004年の統合以来、22年3月期に当期純利益がはじめて1,000億円を超過したことです。
これは先人から受け継いできた有形・無形の資産が生み出した結果であると同時に、いま所属している社員一人ひとりの努力の賜です。1,000億円超の順調推移を瞬間風速的な結果にするのではなく、持続的な成長としていきたいという意思だと私は受け止めています。
田中:だからこそ、給与などに反映させるだけではなく、持株会への参加を促す施策にしようと考えました。株主になってもらい、サステイナブルな成長を同じ目線で目指していきたいというメッセージもあるわけです。
それにしても、1人100株。2月初旬の終値で算定したので約26万円分の株式になります。
赤坂:大きいですよね。持株会の株式取得は毎月一口1,000円から可能なので、1年間で1万2,000円から入会できることになります。そこで26万円の株式がついてくるので配当利回り5%と考えると、それだけで年間1万3,000円が入ってくる。1年でもとがとれ、いわば元手なしで株式投資ができるようなものですからね。
ただ、あまりこうしたロジックや数式でアピールしても、投資に興味を抱かない人にはむしろ響かない。プロモーション施策を周知してもらう難しさはありましたね。
田中:それでも地道に繰り返し説明してきたことで、入会数は徐々に伸びていきました。
赤坂:そうですね。施策を思い切った甲斐がありました。また双日という会社を一緒に持続的に盛り上げていきたい、そんな思いも伝わったのかなと感じています。
田中:今回のプロモーションで実感したのは、やはりいくらいい制度があっても伝われなければ意味がないということでしょうか。
赤坂:その通りですね。双日には団体保険や手厚い健康保険など、優れた福利厚生施策が多々ある自負があります。また今はDC(確定拠出年金)の選択肢もさらに魅力的なものを増やして多彩にしていくプロジェクトを進めているところです。
今後もこうしたすばらしい施策を、正確にしっかりと周知。同じ船に乗っている社員の方々、あるいはこれから船に乗る社員の方々の幸せのお手伝いができたら、うれしいですね。