サーベイ×人事
飯田 智/人事部デジタルHR推進室
清水 智起/人事部 デジタルHR推進室
2024.03.18
飯田:私は、双日を、社員が挑戦したいと思え、意欲のある社員が活躍できる職場にしたいと思っています。双日を好きになって入社を決め、この職場で活躍し続けたいと思う社員や双日で働くことに対して誇りに思う社員が増えてほしいです。社員がモチベーション高く働くことは、組織や会社の健全性に直結します。社員が100%の力を発揮できる環境が整っているのか、そして職場に対して社員がどう感じているのか、といった社員の本音を理解するために、エンゲージメントサーベイと360度サーベイを活用しています。
清水:新卒社員でもキャリア社員でも、入社前や入社当初は誰もが新しい環境で働き始めることに不安を抱くと思います。「双日は実際残業が多いのか?」「一緒に働く人に馴染んでいけるだろうか?」「上司や先輩とうまくコミュニケーションを取って活躍していけるだろうか?」など、たくさん想像することがあるでしょう。働く上で生じる理想とのギャップに対する思いや「より良い組織に変えたい」という思いをぶつけられるのが当社のサーベイです。
飯田:エンゲージメントサーベイは、「社員と組織」に関する質問があり、「会社が社員に挑戦・成長できる環境を与えているか」、「テレワーク等を活用して柔軟な働き方ができるか」など働き方や働く環境に対する質問を設けることで、組織や働く環境、会社の文化に対する満足度を把握しています。数年前から、サーベイの質問内容から手作りで行っているからこそ、社員から聞き出したい設問を設計できており、この点は当社のエンゲージメントサーベイの特徴ですね。
清水:実際にエンゲージメントサーベイでの社員の声が、組織を変えた事例ってありますよね?
飯田:そうだね。サーベイ結果の分析も各部署主体で行ってもらい、改善活動を実施してもらっているから部署によって取り組み内容は違うけど、人事部では「普段業務などで関わらない部員とのつながりが少ない」や「部内での情報共有が少ない」といった声から、「部員ともっとつながれるように」を目的に、「プロフィール・賞賛ボード」を掲示したよね。
清水:この取り組みは部内での反響もかなり大きかったですよね!些細な取り組みかもしれないですが、感謝したい人に向けて簡単な手紙を書いてボードに貼って貢献を見えるようにしたり、自分のプロフィールを記載するボードをプリンターの前に掲示することで、順番待ちの際にボードを見ながら雑談したり、ボードについて話す機会ができてコミュニケーションにつながった取り組みだったなと思います。
飯田:各部署で実施した改善活動は全社に向けて発表してもらうこともしていて、直近の発表で優秀賞を取った部署は、業務内容と気持ちを見える化するアプリを内製していましたね。「やりがいや成長を更に感じることができたら、より前向きに仕事ができると思う」という声から部員の幸せが生産性向上のドライバーになるのではないか、と仮説を立てこの取り組みにつなげていました。部員には毎日アプリに「Unhappy」から「Happy」の5段階で自分の気持ちを入力してもらい、Unhappyを入力した社員には業務量を調整するなど改善に向けた取り組みを行った結果、Unhappyと回答する社員が16%から9%に減り、改善につながりました。
清水:エンゲージメントサーベイは組織の雰囲気や働き方、成長機会の提供などを変えることに大きく関係しているなと感じます。雰囲気といえば、対話を増やす取り組みもしていますね。
飯田:これは360度サーベイの結果を活用したことで取り組みにつながったものの1つだね。360度サーベイは、1人の管理職(本部長・部長・課長)に対して、上司だけではなく部下や同僚も評価を行います。「部下が安心して発言できる環境づくりを行っているか」「部下のキャリアプランに関心を持ち、支援しようとしている」などのマネジメント方法や日々の行動について「気づき」を与える位置づけとなっています。こういった設問から、社員や部下と対話し傾聴することが重要ということがわかり、管理職員に部下としっかりと向き合い会話をするよう促しています。
清水:社員や部下が活き活きと働き成長実感につなげるためには、対話の回数が多ければいいというわけではなく、質の高い対話が重要ということもわかり、取り組みを進めています。
飯田:対話の促進も人事部の賞賛ボードも、社員一人ひとりの声が反映され組織文化や働き方などの変革につながっていて、双日は変化し続ける会社だなと感じています。サーベイの担当者として経年で進捗を見ると少しずつ会社全体が変わっている実感も持てるようになってきました。
清水:僕も担当者として同じように感じています。会社全体としての話だとサーベイの分析から会社が掲げている人材KPIを策定することにもつながりましたね。
飯田:エンゲージメントサーベイの結果から、若手女性は早い時期に海外経験を希望する割合が相対的に高いことがわかって、より積極的に派遣を促せるよう「女性総合職の海外・国内出向経験割合」を人材KPIとして設定しました。より多くの若手女性を早期に派遣し、多様な経験をしてもらうことにつながっています。
清水:自分が早く海外経験をしたい!と思っていて、サーベイを通してその思いを組織にぶつけることで、実際に仕組みが変わり、派遣される機会が増えると純粋に嬉しいですし、柔軟で挑戦・成長したい社員を応援してくれる会社だ!と思いますよね。
4月から入社6年目になりますが、いち社員として様々な領域で挑戦を続けたいと思っています。今後もサーベイの活用を通して社員の声をしっかりと吸い上げ組織変革につなげていきたいです。そして社員が組織を変えられる、その仕組みや体制が双日にはある、ということを社内外を問わずより多くの方に理解してもらえるよう取り組みを進めていきたいと思います。
飯田:冒頭でも話しましたが、サーベイを活用した取り組みが続き、社員の声・思いにしっかりと耳を傾け改善し、風通しの良い環境を整えることで、双日で活躍したい、挑戦し続けたい、と思う社員が増え、意欲のある社員を応援する会社であり続けたいと思っています。社員一人ひとりが最大限に力を発揮できるよう、サーベイの活用や対話を通じて社員の思いや意欲を引き出し、個の成長につなげ、組織の成長、そして企業価値向上につなげていきます。