私は、私を超えていく。
林絵里/自動車第二部第一課
2025.10.17

入社後はまず国内の商業施設などを管理する部署に配属されましたが、そこで驚いたことは上司や先輩が数字に強く、財務諸表を読み込みながら事業が抱える問題を見つけ、深掘りしていく姿でした。その姿を見て、私も自身の頭で考えて、数字で物事を語れるようになりたいと感じました。簿記の勉強や日々の業務を進めるうちに、数字を使って説明ができるようになったことが、その部署で得た何にも代えがたいスキルだと思っています。
入社7年目には、社内公募(*1)の中に鉄道事業を管轄する部署で経理業務をおこなう事務職の募集を見つけ、応募しました。せっかく商社にいるのだから海外の仕事をしてみたい、新規の事業案件に携わりたい、という想いが芽生えてきたからです。異動後は、インドの貨物専用鉄道プロジェクトの経理業務を担当し、インド税務という高い壁にぶつかりながらも、新規案件の会計の仕組みを構築できた経験が成長の糧となりました。
(*1) 社内公募に関する詳細はこちら:人的資本経営|Sojitz ESG BOOK|サステナビリティ|双日株式会社
鉄道事業を3年間担当した後、営業部の新規事業開発を支援するビジネスイノベーション推進室に異動しました。ビジネスイノベーション推進室にいる仲のよい先輩から、部としての取組みに関する話などを聞くうちに、新規事業に関わる仕事にさらに興味を持ち、異動の希望を申し出ました。会計や税務に関する自分の知識や経験がここでも活かせるのではないかという考えがあったのも大きな決め手です。異動した時は、アメリカ、インドでの事業創出の手段として、コーポレートベンチャーキャピタルを設立、ベンチャーキャピタルファンドへの投資を行うことが決まった頃で、異動後はそれらの準備に携わることができました。ここでも様々な壁にぶつかったのですが、駐在員、パートナー企業、専門家と連携し、ひとつずつ問題を解決しながら、計画を進められたことは大きな成果と思っています。
事業経営に携わりたいと上司をはじめ周囲の人々に伝え、自動車本部への異動を決めたことです。ビジネスイノベーション推進室に在籍する間に、キャリアの可能性を広げたいと思うようになり、職種転換制度(*2)を利用して、総合職へ転換しました。時期を同じくしてキャリアについて考える機会や、キャリアプランについて上司と対話する機会が増えたので、上司も交えながらキャリアプランを何度も整理するうちに、事業経営に携わるという、私のやりたいことが言語化できるようになりました。道筋を含めて自分自身だけでは考えつかなかったことも多く、そこにたどり着いたのは当時の上司のお陰だと心から思っています。
現在の主な業務は、パナマの自動車ディーラー・ディストリビューター事業会社のPMI(*3)と、過去に買収した北米の事業会社の企業価値向上に向けた施策の実施です。具体的には、双日のグループ会社としての規程導入や、事業計画の策定支援や進捗管理といった事業会社経営を、現場と二人三脚で進めています。自動車業界は外部環境の変化に影響を受けやすく、その時々で柔軟な対応を求められることも少なくありません。社内外の調整は簡単にいかないこともありますが、ビジネスイノベーション室の時と同様に、上司や同僚、現場の方など、関係するすべての人と一体となってチャレンジすることで、一つひとつの問題を解決し、私は前に進むことができています。
こうしたチャレンジの積み重ねは、私の長期的な成長につながると同時に、将来私が事業会社に出向し事業経営に関わることになった時にも必ず活きてくるものだと思います。そして、いつも私にアドバイスをくれる上司や先輩、私を長い目で見守ってくれている会社に感謝しながら、今日も私は充実感を得ながら仕事をしています。
(*2) 職種転換制度に関する詳細はこちら:ダイバーシティマネジメント|Sojitz ESG BOOK|サステナビリティ|双日株式会社
(*3) PMI: Post Merger Integrationという、M&A 成立後における経営の統合プロセス
将来的には事業会社に出向して現場で事業経営に携わりたいというキャリアプランは持っていますが、今はまだ具体的にどんなビジネスに取り組みたいかが決まっているわけではありません。だからこそ今は目の前にある仕事に一生懸命取り組み、この分野に取り組みたい、この事業こそ私がやらなければいけない、という目標を早く見出したいです。理想を言えば、種蒔きからはじめて、事業を0からつくり上げ、その事業会社の経営に現場で携わりたいと思っています。事業経営においても、私のチャレンジ精神やどんな壁も乗り越えてきた経験が必ず活かせると考えています。
そして、遠い将来の夢としては、私を育ててくれた故郷、新潟に恩返しをしたいですね。私が地元に帰る度に感じる地場産業や伝統産業の衰退を食い止め、故郷の役に立てることができたらとてもうれしく思います。大学を出てすぐに地元の企業に就職するという選択肢もあったかもしれませんが、私はグローバルな会社での経験を活かして故郷に貢献したいと思います。その時には、今私が業務を通じて習得している、そしてこれから深めていく事業経営のスキルや経験がきっと大きな力になると思っています。