中国・山東省における水素サプライチェーン構築に向け、NEDOより調査受託 ~ 水素ガスを約500分の1に圧縮し、効率的な輸送・貯蔵方法の確立を目指す ~
2020年11月30日
双日株式会社
株式会社フレイン・エナジー
2020年11月30日
双日株式会社
株式会社フレイン・エナジー
双日株式会社(以下「双日」)と株式会社フレイン・エナジー(以下「フレイン」)は、このたび、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)による、「エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業」の枠組みにおける「LOHC(*1)を用いた水素サプライチェーン確立について(中国・山東省)」(以下、「本調査」)を受託しました。
双日とフレインは、究極のエネルギー源として期待される水素の輸送・貯蔵時における課題解消を目指し、本調査を開始し、2020年度末までに調査結果をまとめる予定です。
【本調査の内容】
双日とフレインは、フレインが保有するLOHC技術を活用し、山東省内の工場で副次的に生産される副生水素をMCH(メチルシクロヘキサン)(*2)の形に変え、水素ステーションまで輸送、再度水素に転換した上で燃料電池車向けに供給する事業の検討に必要な基礎情報として、必要となる許認可、関連する法制度、及び水素需給のポテンシャルなどを調査するものです。
【本調査の狙い】
水素をMCHの形で輸送・貯蔵することで、高圧の水素ガスや超低温の液化水素に比べて安全に輸送できることに加え、容積を水素ガスの約500分の1に圧縮できることから、効率的な輸送・貯蔵コスト削減を実現できます。
本調査を経て実証試験を行い、これらの輸送・貯蔵方法を活用した水素サプライチェーンの有効性を実証し、当該技術の国内外での普及、温室効果ガスの排出削減・低炭素社会の実現・地球温暖化といった社会課題の解決につなげることを目指します。
このたび本調査を行う中国の水素生産量は世界最大規模であり、水素の利活用が推進されています。その中でも山東省は、副生水素のみならず、再生可能エネルギーについて中国全省の中でも最大級の供給力を有していることから、将来のCO2フリー水素の供給に関しても有力な候補地です。
また日本へも近距離であることから、中国国内のみならず、日本への水素サプライチェーンの構築の可能性も視野に事業展開を模索していきます。
双日は、本調査を第一歩として水素関連事業における事業展開・業容拡大・事業創出を目指すとともに、双日が掲げているサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)である「事業を通じた地球環境への貢献」および「持続可能な資源の開発・供給・利用」において、本件が、地域資源の持続的な活用による地域の脱炭素化と、他地域の課題解決を図るモデルとして広く波及されるよう推進します。
(*1)LOHCとは、Liquid Organic Hydrogen Carrierの略称であり、気体の水素を有機溶剤の一種であるトルエンと触媒反応させて、容積が水素ガスの約500分の1であるMCH(メチルシクロヘキサン)にして貯蔵や輸送を容易にする技術です。
(*2)MCH(メチルシクロヘキサン) とは、常温常圧の安定した液体で、化学物質としてのリスクも低く、修正液の溶剤など身近なところで使われています。MCH を用いることで安全かつ容易に水素の長期貯蔵や大量輸送ができるようになります。
(ご参考)
フレインの概要
会社名 | 株式会社フレイン・エナジー |
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設立 | 2001年4月 エイチ・ツー・ジャパン株式会社設立 2004年10月 ハイドロジェネテック株式会社と2社統合により株式会社フレイン・エナジーに社名変更 |
所在地 | 北海道札幌市西区琴似2条4丁目1-24 ヤマチビル |
代表者 | 代表取締役 小池田 章 |
資本金 | 3,210万円(2020年3月31日現在) |
事業内容 | 水素製造・貯蔵装置の技術開発、製造、修理、メンテナンス業務等 |
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