双日株式会社

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双日マリンアンドエンジニアリング、 米国のバラスト水処理装置メーカーに資本参加

~バラスト水管理の国際条約発効を見据え、アジア向け販売代理権を獲得~

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2012年3月8日
双日株式会社
双日マリンアンドエンジニアリング株式会社

双日の船舶関連子会社である双日マリンアンドエンジニアリング株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:新井克治郎)は、米国のバラスト水処理装置メーカーであるエコクロール社(Ecochlor, Inc.本社:米国マサチューセッツ州アクトン市)に対して約1億5千万円を出資し、資本参加します。また、日本向けに加えて、中国・韓国・台湾向けの販売代理権を獲得し、需要の拡大するアジア地域での販売体制を構築・強化します。

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【バラスト水処理装置 Ecochlor BWTS】

バラスト水とは、船舶が空荷の時に船体のバランスを確保するための重しとして積載する海水のことで、取水した海域の海水が、到着港にて排水する海域の生態系のバランスを破壊する恐れがあるとして、世界的な海洋環境問題として注目されています。

双日マリンアンドエンジニアリングが販売する「Ecochlor BWTS」は、フィルターと薬剤の2段階でバラスト水を処理します。販売ターゲットは、2万5千m3以上のバラストタンクを持つ中型以上の船舶(載貨重量7万dwt以上、※1)を中心としていますが、処理能力250m3/時(同、1万dwt程度)から1万m3/時(同、30万dwt程度)超のものまで幅広く揃えているため、新造船・既存船を問わず、多くの幅広いタイプの船舶に搭載することが可能です。2011年12月には、IMO(国際海事機関)の規則を満たす製品としてBSH(ドイツ政府機関)から型式承認を取得しています。また、IMO基準より厳しいとされるUSCG(米国沿岸警備隊)のSTEP(Shipboard Technology Evaluation Program)承認取得にいち早く取り組み、既に2隻の船舶で承認を受けています。双日は、2011年12月に竣工した、自社船 MV“BUENOS AIRES”(8万3千 dwtパナマックス型ばら積船)に本装置を搭載しました。

IMOは、「船舶のバラスト水および沈殿物の規制および管理に関する国際条約(バラスト水管理条約)」を2004年に採択しました。実際の発効には、「IMO加盟国のうち30カ国以上の批准」かつ「批准国の合計船腹量が世界の船腹量の35%以上」の二つの条件があり、条件を満たした時点から1年後に発効します。

現在は33カ国の加盟国が批准済みで、合計船腹量も26%を超えており、近々の条件の充足が見込まれています。発効に至れば、約6万隻にバラスト水処理装置の搭載が義務づけられることになります。

このような国際的な規制の流れを受け、バラスト水処理装置ビジネスの世界市場規模は、今後2兆円規模にまで拡大すると見込まれています。現在、造船の受注量は日本、韓国、中国が世界の8割以上を占めています。双日マリンアンドエンジニアリングは、条約の発効に先駆けてアジア向けの販売体制を構築し、新造船・既存就航船合わせて、2019年までに約900隻への搭載を目標として販売していきます。

以上

※1 載貨重量(dead weight tonnage)
船舶の貨物の積載能力を最大重量で示したもの。

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