双日、可溶性ポリイミド樹脂の研究・開発を加速

~新規ポリマー開発による高機能素材の事業領域を拡大~

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2010年3月25日

双日株式会社は、ソルピー工業株式会社(本社:茨城県つくば市、代表者:板谷博)への出資を通じて、航空・宇宙、車両、電子材料等の先端分野で幅広く需要が期待されている高機能樹脂である可溶性ポリイミド樹脂の研究・開発を行っておりますが、この度、既存ポリイミドフィルムで使用される原料を用い、溶剤に溶かす事に成功し、様々な素材にポリイミド樹脂を塗布することが可能になりました。双日は今後、可溶性ポリイミド樹脂の研究・開発を加速化すると共に、早期の量産化および事業化の検討を進めてまいります。

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【可溶性ポリイミド樹脂「ソルピー6,6-PI」の溶液】

双日は、2008年9月に、ソルピー工業の第三者割当増資を引き受け(出資比率36%)、可溶性ポリイミド樹脂の研究・開発を支援しており、両社はすでに共同での特許出願(5件)を行っています。また、ソルピー工業は用途開発の一環として、国立大学法人豊橋科学技術大学等との産学連携による共同研究も同時に進めています。

ポリイミド樹脂は、最高の耐熱性と強度を有するプラスチックで、スーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれています。ポリイミド樹脂は、通常耐熱性や絶縁性、寸法安定性等の特性により、デジタル家電や携帯電話等の回路基板としての需要がある一方で、不溶不融でペレット状樹脂での流通ができないため、成形加工が非常に困難で、フィルム形状のみの流通に留まっていました。今回、ポリイミドフィルムで使用される比較的安価な原料を用い、特定の溶剤に溶かす事が可能になったことで、ポリイミド樹脂を様々な素材に塗布する事により、今後、飛躍的に用途の拡大が期待されます。

主な用途

①電子回路基板への耐熱絶縁接着材
②次世代で開発が期待されるフレキシブルディスプレイ基板
③フレキシブル型太陽電池基板への耐熱絶縁コート材
④リチウムイオン電池内部材の耐熱コートやバインダーといった先端分野、環境対応素材
⑤汎用プラスチックへの塗布による耐熱化や難燃化等の機能付与
⑥炭素繊維等とのコンポジット化といった複合材料
⑦ナノファイバー化やナノ粒子化といった成型品等

双日は、高機能モノマー・電子材料を戦略分野の一つと位置付けており、バリューチェーンの構築を図るため、新規モノマーやポリマーの開発を進めています。可溶性ポリイミド樹脂は、用途範囲が広いため、双日はソルピー工業の研究開発を支援するとともに、広く事業パートナーと提携し、2011年度中に事業化の判断を行う予定です。

なお、ソルピー工業は、2010年4月7日(水)から9日(金)まで、東京国際展示場(東京ビッグサイト)東ホールにて開催される「新・機能性材料展2010」に出展し、可溶性ポリイミド樹脂に関するこれまでの研究成果を発表します。

【可溶性ポリイミド樹脂「ソルピー6,6-PI」の特長】

(1)高耐熱性の塗布型ポリイミドで、従来の汎用ポリイミドとほぼ同等の諸特性
(2)ハンドリングが容易で、流通・生産のプロセスの簡略化が可能
(3)溶液から直接製膜が可能で、高速化・低コスト化が可能
(4)成形加工が容易になり、各種用途に展開が可能
(5)溶剤に再溶解も可能

種別 全芳香族型ポリイミド樹脂溶液
イミド化率 100%
耐熱温度(Tg)※ 300℃~420℃(調整可能)
樹脂濃度 10%~15%
溶剤 NMP(Nメチルピロリドン)
保存安定性 良好
改質特性 機能性付与可能
価格の優位性 有り

※Tg : ガラス転移点温度

ソルピー工業 会社概要

会社名 ソルピー工業株式会社
代表者 板谷博
本社 茨城県つくば市
資本金 25百万円
業容 6,6-PI(可溶性ポリイミド)の研究・開発
共同研究 豊橋技術科学大学 竹市力 教授

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