災害支援(熊本大震災・東日本大震災等)に関する取り組み
当社グループでは、グループの一人ひとりが社会へのかかわりをより深めることを目的に、身近な社会貢献活動への参加を促進する取り組みを行っています。また、東日本大震災、熊本地震復興支援の他、日本および世界各地における災害支援も行っています。
主な活動
東日本大震災復興支援の取り組み
東日本大震災の被災地では復興に向けてたゆまぬ活動が続けられています。双日グループは震災発生当初より、グループ企業理念に基づき、復興に向けた支援活動に取り組んでいます。震災復興を支援することは、「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」として掲げている6課題に加えての重要な課題と認識しており、「人や地域社会の未来への活力」をテーマに、グループのリソースを活用し復興の力になる支援を継続して行っていきます。
事業を通じた復興支援
双日食料水産株式会社の工場は、震災当時岩手県大槌町にあり、甚大な被害を受け生産停止を余儀なくされました。その後、関係者の協力の下、釜石市に新工場を再建し、2012年3月より操業を再開。同社の再建は、沿岸部の基幹産業である水産業の復興と雇用創出、地域コミュニティ再生につながっています。現在、同社は主要製品である鮭フレーク事業を中心に業績の回復に努めています。
また、双日は2017年に3Dプリンタによる金属製品製造事業への参入を発表し、日本積層造形(JAMPT)を設立。2018年秋には、宮城県多賀城市の復興団地内で新工場の操業を開始。自治体や研究機関とも連携することで、金属積層業界におけるリーディングカンパニーを目指すとともに、東日本大震災で被害を受けた地域の経済復興にも貢献していきます。
関連リンク:
双日復興支援教育基金
被災により経済的に修学困難な大学生支援を目的とし、当初2011年度から5年間奨学生を募集し、最長4年間の返済不要な奨学金を給付してきました(総額約5億円)。
本基金は2015年度を以て一旦募集終了を予定していましたが、その後も支援を必要とする学生が多く、また地域の早期復興、未来への活力へとつなげるため、2018年度まで3年間募集を継続し、2018年度の新規奨学生が卒業する2022年3月まで給付を継続しました。(総額9,000万円)
これまでの採用者数
期 (年度) |
第1期生 2011年度 |
第2期生 2012年度 |
第3期生 2013年度 |
第4期生 2014年度 |
第5期生 2015年度 | 第6期生 2016年度 |
第7期生 2017年度 | 第8期生 2018年度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
採用数 | 52名 | 37名 | 38名 | 35名 | 39名 | 9名 | 12名 | 11名 |
奨学生からは「経済的な理由で進学をあきらめることなく、継続ができた」「卒業後は行政で復興支援にかかわる仕事に就きたい」などの声が寄せられています。
[ニュースリリース]
東日本大震災「双日復興支援教育基金」設立について
*活動協力:公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)
教育支援/「コラボ・スクール」への支援
「コラボ・スクール」とはNPOカタリバが行う放課後教育支援プロジェクトです。震災で居場所がなくなり、勉強する場所を奪われた子供たちには放課後の学習指導と心のケアが必要です。
震災後は仮設住宅生活におけるストレスの蓄積などにより、家庭が抱える新たな問題が顕在化 (例:子どもの不登校、母親の子育てに対する負荷・ストレスの増大)。双日は、放課後の学習支援を通じ、子どもたちに居場所を提供する「コラボ・スクール大槌臨学舎」の活動を支援しました。
コラボ・スクール大槌臨学舎の中学生・高校生と双日社員の交流
2016年8月5日~8月6日の2日間、NPOカタリバの協力のもと、大槌臨学舎の中学生・高校生と双日社員が交流する企画を実施しました。
【目的】
1.中学生・高校生が自分の将来像などについて考える機会を創出、視野を広げてもらう
2.双日社員に自社の支援取組みについて理解を深め、そのあり方を考えるきっかけを作る

初日は、中学生58名とスイカ割りを楽しんだ後、被災後再建した双日食料水産の水産加工品(鮭フレーク)ができるまでを題材に双日手製のパズル組合せに挑んでもらい、商社の役割について参加型の課外授業を実施しました。又、若手の双日社員(7名)が、それぞれの自分プレゼンも行い、中学生と交流しました。

翌日は、高校生5名が「地域やコミュニティの現状、大槌町の魅力」を双日社員に紹介してくれました。大槌町の旧役場、町を一望できる公園、風の電話などの場所に案内され、日頃高校生が抱いている町についての思いを聞きました。
今回の交流企画を通じて、生徒たちが震災を乗り越え、それぞれの夢を持って明日に向かって歩んでいる姿が印象的で、社員も、自社のことを違った角度で見直すきっかけとなりました。
ボランティア支援制度と社内復興支援ボランティアツアー
役職員の復興支援ボランティア活動を後押しするため、ボランティア休暇制度を新たに設け、また活動参加時の費用を補助するなどの支援を実施。これまで、多くの役職員がボランティアとして現地に赴きました。
2011年10月から、岩手県・宮城県でのボランティアツアーを双日グループ役職員向けに案内しています。ボランティアの内容は、被災地が復興の段階に入っていることもあり、地域コミュニティ活性化イベントのサポート、苗木植え、防潮林整備がメインです。
わたりグリーンベルトプロジェクトの活動に参加の双日グループ社員(2015年、宮城県)

現地のニーズに応じた農作業のボランティア活動を行う双日グループ社員。(2013年度、岩手県)

がれき撤去作業を行う双日グループ社員(2011年度、岩手県)
東北復興市の開催
東京本社が入居する飯野ビルで、岩手県・宮城県・福島県の物産や被災された方々の作った手芸品を販売する「東北復興市」を定期的に開催しています。多数の方々に来場いただき、商品によっては売り切れも出る等、毎回好評です。
活動実績:2013年7月、2013年11月、2014年2月、2014年5月、2014年8月、2014年11月、2015年3月、2015年9月、2016年3月、2016年9月、2017年3月、2018年3月
活動協力:NPO遠野まごころネット、双日食料水産株式会社
復興支援のための車両寄贈について
岩手県大槌町および遠野まごころネットに対し、被災地での支援活動に役立てて頂くための車両計14台を寄贈しました。
寄贈車両の概要
車両名称 | 車両の主な用途 | 提供先(台数) | 引き渡し時期 |
---|---|---|---|
軽自動車 スズキアルトバンVP(4WD) |
避難所や仮設住宅で生活する被災者を、保健師や栄養士の方々が個別訪問する際に活用 | 岩手県大槌町役場(5台) NPO法人遠野まごころネット(5台) |
2011年8月 |
ワゴン車 トヨタハイエースワゴンGL(4WD) |
ボランティアの拠点がある岩手県遠野市と、活動先である沿岸部との間の送迎に活用 | NPO法人遠野まごころネット(2台) | 2011年10月 |
電気自動車 三菱自動車minicab MiEV |
大槌町にある「まごころ弁当」の宅配などに活用 | NPO法人遠野まごころネット(2台) | 2012年8月 |

(*) NPO法人「遠野まごころネット」:延べ約10万人以上のボランティアを受け入れ岩手県内での支援活動行っているNPO法人。
義捐金(支援金)
東日本大震災の被災地に対し、2011年3月、双日グループとして1億円の支援を行いました。また、国内外の双日グループ役職員による募金を行い、約5,100名から集まった1,600万円を拠出いたしました。これらの義捐金は、赤十字社や被災地で活動するNPOなどに寄付しています。