金属・資源・リサイクル本部
鉄鋼、重要鉱物、リサイクル分野での事業創出を通じて独自のサプライチェーンを構築し、社会や需要家に対する新たな価値提供に取り組みます。
本部方針
グリーン製鉄や重要鉱物のサプライチェーン構築における取り組みを強化し、安定的かつ持続成長が可能な事業ポートフォリオへの変革を進めます。
執行役員
金属・資源・リサイクル本部長
岡田 勝紀
当本部を取り巻く外部環境は、日本国内の鉄鋼需要の減少、世界的な循環型社会・脱炭素の潮流の高まり、地政学リスクの顕在化に伴う経済安全保障上の課題を背景に、変化の激しい状況が今後も続くと見込んでいます。
当本部は、国内需要家向けの石炭・鉄鉱石・レアメタルなどの原料供給事業(上流権益投資を含む)および国内の鉄鋼製品販売事業が収益の大半を占めてきましたが、これら外部環境の変化を踏まえ、安定的な収益基盤の構築と持続可能な成長に向け、事業ポートフォリオの変革に取り組んでいます。
具体的には、以下を新たな重点領域と定めて取り組みを強化していきます。
①グリーン製鉄サプライチェーンの構築:
製鉄業界のGXに寄与するサプライチェーン構築を目指します。既に、電炉での製鉄に必要な高品位鉄鉱石生産プロジェクト(Kami プロジェクト)の検証をカナダで進めていますが、その他にも、当社ならではの冷鉄源戦略を構築のうえ、新たな事業創出にチャレンジします。
②重要鉱物サプライチェーンの構築:
EV普及による電池需要やデジタル化進展による半導体需要などが増えるとともに、製品の品質・性能が高度化することで、必要とされる鉱物資源も変化しています。当本部が長く取り扱っているブラジルCBMMのニオブ(レアメタルの一種)に加えて、次世代パワー半導体の製造に必要なガリウムの確保にも取り組んでいます。また、従来の上流権益投資+トレードというビジネスモデルだけではなく、バリューチェーンの中流~下流分野における事業創出も目指します。
一方、既存の石炭事業については、当社の成長戦略投資に必要なキャッシュ創出事業として、コスト競争力や生産性の向上を図ると同時に、適時適切な保有資産の入れ替えも検討していきます。
既存事業の伸長と、新規事業創出を両輪で進めますが、いずれにおいてもマテリアルチェーン・バリューチェーンの将来変化を先読みし、当本部の競争優位性や「勝ち筋」を徹底的に追求したうえで、安定的な資源の供給体制を構築し、社会や需要家のニーズに応えていきます。
本部の強み
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特色ある重要鉱物の
取り扱い地政学リスクを機会に捉え、偏在するレアメタル事業に出資参加。ニオブ*1など特色ある重要鉱物を強靭なサプライチェーンを通じて安定的に取り扱うほか、新素材・新機能の研究開発にも取り組み中
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グリーン製鉄実現への
取り組み鉄鋼生産の低炭素・脱炭素化に不可欠な高品位鉄鉱石を長年取り扱うパートナーとノウハウをもとに、中長期の安定供給に資する事業開発に着手
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中下流の
安定収益基盤グループ会社の鉄鋼総合商社メタルワンに加え、社会ニーズの高まる資源循環分野での事業参画を通じて安定収益基盤の拡大に取り組み中
*1 ニオブ:自動車向け鋼材の軽量化・剛性化などのために高張力鋼やステンレス鋼に使用される鉄鋼添加剤
主な取り組み
事業MAP
ニオブ事業:CBMM(ブラジル)
大気中のCO2を直接回収するDAC装置:Carbon Xtract株式会社(日本)
金属3Dプリンターで造形した製品:日本積層造形株式会社(日本)
鉄鋼石鉱山Kamiプロジェクト(カナダ)
事業内容
■ 鉄鋼原料事業
鉄鋼業界では2050年の脱炭素化に向け、従来の高炉での鉄鉱石の還元をコークス(石炭)の代わりに水素を用いた「高炉水素還元」への過程で、2030年代には鉄スクラップなどを主原料とする電炉法へ移行させ、CO2排出を4分の1程度への抑制を目指しています。電炉法で高級鋼材を製造するには、高品質の鉄スクラップに不純物の割合を低減するために使用する還元鉄が必要になり、還元鉄の製造に必要な高品位の鉄鉱石の確保が不可欠です。当社はカナダの鉄鉱石鉱山Kamiプロジェクトの実現に向け鉄鉱石サプライヤーのChampion Iron Limitedおよび日本製鉄株式会社と合弁会社を設立し、開発に向けた調査を2024年末に基本合意後、2025年9月に権益取得・出資参画の上、開発に向けFS(実行可能性調査)を推進中です。
さらに不純物の少ない高品質な鉄スクラップの効率的な回収・安定調達を可能にする技術開発企業への出資や還元鉄など冷鉄源の取扱いも検討中です。
また、環境意識の高まりや持続的成長を見据えた一般炭権益事業からの早期撤退の一方で、豪州グレゴリー・クライナム原料炭鉱での安定生産とコスト削減を進めながら脱炭素化までの過渡期の安定供給にも努めてまいります。
■ 金属資源事業
偏在するレアメタルは地政学上、今後ますます必要とされる半導体や電池材料向け重要鉱物に定められ、日本や欧米でも中長期にわたって安定的な供給体制の構築が喫緊の課題となっています。当社が長年取り扱い、出資参画しているCBMMのニオブは、自動車向けなどの鋼材の軽量化の添加材として今後も全世界的に需要が益々伸びると期待されるほか、川下領域で超急速充電や長寿命の特性を持つNTO電池*2などの新たな用途開発にも取り組んでいます。
また、豪州で独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)とガリウム生産に向けた共同調査を行うための合弁会社を通じて、米国 Alcoa Corporation傘下の豪州法人西豪州に所在するアルミナ精錬所でのガリウム生産の共同調査契約を締結しました。ガリウムはLED、太陽光発電セル、そして化合物半導体の材料など幅広い用途で使用され、半導体需要の伸びにけん引され、全世界で需要増が見込まれる一方で、生産は特定国に集中しています。2026年内の共同開発を通じて、長期かつ安定的な供給を目指し活動中です。
*2 NTO電池:ニオブチタン酸化物(Niobium Titanium Oxide)を負極に用いた次世代リチウムイオン電池
■ 金属製品・資源循環事業
鉄鋼製品分野で三菱商事株式会社との共同事業である鉄鋼総合商社の株式会社メタルワンを通じて、成長市場での当社とのシナジーを追求し、協業やサポートを行っています。
脱炭素化や省資源化などの社会ニーズの変化を捉えて、リユース・リサイクルを含む金属資源の循環型事業の基盤構築に取り組んでいます。国内ではIT Asset Disposition事業者であるTES-AMM JAPAN株式会社、北米ではカナダの家電・電子機器リサイクル事業者のeCycle Solutions Inc.に出資・経営参画しています。またそこで認識した業界やユーザー企業の課題に取組むべく、国内初*3の法人向け中古IT機器買取一括見積プラットフォーム「Hi-Kii( ハイキー)」事業も運営開始しました。これら金属製品の廃棄物の再資源化を含むサーキュラーエコノミー領域において、規模感のある事業の構築を進めていきます。
*3 双日調べ(2025年5月14日時点)
組織図
新着情報
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2025.08.04
ニュースリリース
豪州におけるガリウム生産開始に向けた共同調査を開始
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2025.05.14
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双日、法人向けパソコン買取一括見積プラットフォーム「Hi-Kii」を開始
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2024.12.19
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2024.10.17
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大気から二酸化炭素を直接回収・利活用するm-DAC®技術の都市実装を開始
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2024.08.01
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