双日株式会社

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養殖エビのウイルス検出キットを開発、販売開始

2003年4月25日

日商岩井株式会社は、環境バイオベンチャーであるエンバイオテック・ラボラトリーズ(本社:東京都江東区、社長:水上春樹/以下、エンバイオ社)と共同で、世界各地のエビ養殖産業に深刻な打撃を与えるウイルスを、低コスト、短時間で測定できる検出キット「SHRIMPLE(シュリンプル)」を開発し、4月から販売を開始しました。

「SHRIMPLE」は、筑波大学の松村正利教授の研究成果を応用した技術シーズをもとに、エビの免疫学の権威である下関水産大学校の高橋幸則教授やタイの大学教授など国内外の数名の権威者による性能評価やアドバイスの協力を得て、日商岩井とエンバイオ社が共同開発しました。従来、エビのウイルスを検出するためには、経験に基づく目視チェックか、高度な技術や設備を必要とする高額なPCR法が用いられていましたが、「SHRIMPLE」は、エビの養殖現場で最も大きな被害が出ているWSSV(White Spot Syndrome Virus)を生産者がその場で簡単に検出できることが大きな特徴です。

ウイルス検出には、エビウイルスに対するモノクローナル抗体を反応媒体とするイムノクロマトグラフィー法を用いています。濾紙上で簡単に検出することができる試験紙型の検出キットなので、専門の設備がなくても、20分程度の時間で、ウイルス感染したエビをウイルスの潜伏期に検出することが可能です。感染の初期段階でウイルスを発見することにより、被害を最小限に抑えて、生産高を向上させることができます。

エビの養殖産業は、東南アジアなどの開発途上国の経済振興や雇用確保などに貢献する重要な外貨獲得産業ですが、高密度の養殖方法が一般化しており、病原菌の検出技術や防疫技術が未開発なために、感染力が強いウイルスの蔓延を引き起こしてきました。「SHRIMPLE」は、このような生産現場のニーズに応えるものです。販売にあたっては、日商岩井の化学品部門が東南アジアを中心としたエビの養殖場向けに塩素系殺菌剤(高度さらし粉)を販売してきた実績を生かしています。既存商圏を使用して、開発段階からキットのプロモーションや改良を繰り返してきたことにより、当初の計画より早い、異例のスピードでの販売開始となりました。開発段階ですでに各国から問合せが入っており、発売と同時に成約しました。日商岩井は、東南アジアや南米向けに、3年後には10億円の売上を見込んでいます。

日商岩井はエンバイオ社と共同で、創薬においてスポットが当たっているバイオテクノロジーを環境や化学など他分野へ応用して事業化するという取り組みをしています。「SHRIMPLE」で採用した技術は、エビ以外の魚介類の養殖における病原体の検出や、農産物の残留濃度、シックハウスで問題になっている化学物質の検出にも応用可能です。今後も、日商岩井が世界各地に持つネットワークや、ビジネスで培った情報を活用して、消費者のニーズに合った商品の事業化を進めていきます。


以上

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