TCFDへの対応
TCFD提言に基づく情報開示
開示方針
当社は、2018年気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同しました。
気候変動に関する『リスク』と『機会』についてTCFD提言のフレームワークを活用し、積極的な情報開示と透明性向上に努めています。
TCFDの枠組みに沿った取り組み
ガバナンス
社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を、年に4回以上開催しています。また、サステナビリティ委員会で検討・協議された方針や課題等は、経営会議及び取締役会へ付議または報告され、取締役会はこのプロセスを定期的に監督し、必要に応じて対応の指示を行っています。
リスク管理
サステナビリティ委員会において、双日グループが行う各事業におけるGHG排出リスクを評価・特定しています。
加えて、投融資審議会での審議過程において、個別事業リスクの確認を行うとともに、経営会議を通じて各本部への周知を行い、また、ステークホルダーダイアログにおいても気候関連の「リスク」と「機会」が当社事業に与える影響について討議・確認しています。
戦略
【年代ごとに技術動向を予測し、双日の対応・考え方を整理】
年代ごとに技術動向や世の中の動きを見立て、リスクと機会別に双日としての考え方や対応方針を整理しています。今後も外部動向を注視し、見立てと双日としての対応を更新して参ります。
移行リスク
【将来のリスク・機会について、シナリオに照らした分析を実施】
外部調査、内部分析も踏まえ、「リスク」と「機会」が当社グループの事業活動、経営戦略、財務計画にもたらす影響がより大きいと考えられる事業分野について順次シナリオ分析を行い、財務への影響を分析しています。
また、脱炭素社会実現に向けて不可欠なサーキュラーエコノミーにおいても取り組みをさらに強化します。
物理的リスク
当社は、上記「移行リスク」に加え、気候変動が抑制できず、温暖化が進行した場合の「物理的リスク」についても対応を図ることとしており、先ず、資産に対する洪水や干ばつなど、おもに「水」に関するリスクに注目し精査を行っています。
当社事業への影響を広く確認するため、世界資源研究所(World Resources Institute)が提供する4℃シナリオ(RCP8.5)等を参照している水リスクの分析ツール『Aqueduct』を用いて、定期的に調査を実施しています。
中期経営計画2023では、TCFDが分類する物理的リスクへの対応として、喫緊の課題である「洪水リスク」の影響を受ける可能性のある資産を特定し、財務影響を測定しました。
<財務影響のある資産(有形固定資産)の額> 約290億円
- 『Aqueduct』の評価において「Extremely High」 「High」に立地する拠点の25/3月末有形固定資産額(リース資産は除く)。
指標と目標
当社は、2050年に向けた長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」に掲げる「脱炭素社会実現への貢献」への責務を果たすべく、双日グループの対応方針と目標を策定し、取り組みを推進してきました。脱炭素・ESGを巡る外部環境や当社グループの事業ポートフォリオの変化を踏まえ、従来の2030年目標に加え、2050年ネットゼロに向けた新たな中間目標として2035年目標を設定するとともに、脱炭素方針を改定しました(2026年3月)。
目標
【Scope1・Scope2の目標】
2019年度時点の事業に関して、エネルギー起源CO2を2030年までに2019年比6割削減(内、Scope2はネットゼロに)することを目標としています。加えて、24年度時点の事業に関しては、GHGを2035年までに2024年度比4割削減(内、Scope2はネットインパクトゼロ*に)することを目標とします。それ以降の事業についても、2050年までのネットゼロ達成を目指しています。
* ネットインパクトゼロ:自社の排出量から、吸収除去・オフセット量と、事業を通じて実現した削減貢献量を差し引き、ゼロとする考え方
| Scope1・Scope2 | ・2050年までにネットゼロ ・2019年度時点の事業:2030年までに6割削減 *1 (内、Scope2は、2030年までにネットゼロ) ・2024年度時点の事業:2035年までに4割削減 *2 (内、Scope2は、2035年までにネットインパクトゼロ) |
|---|---|
| 石炭火力発電 | 現在保有無し。今後も保有しない |
双日単体、国内外全連結子会社および経営支配力アプローチにて報告対象となるUnincorporated JVが対象。
*1 2019年度を基準年としてエネルギー起源CO2対象
*2 2024年度を基準年としてGHG対象
【Scope3(資源権益事業)の目標】
Scope3とは、主にサプライチェーン上の間接的なGHG排出を指します。商社は川上から川下まで広範なサプライチェーンを有します。
双日の2019年時点での保有資源権益において、全て燃焼させた場合のGHGは約2億トンです。これは前述の双日グループが直接使用するエネルギーからのGHG排出量(Scope1・Scope2)の約1百万トン(2019年時点)を大きく上回ります。資源権益への対応はより社会的な責任が重いと考え、以下の方針、目標を2019年より掲げています。
尚、原料炭に関するビジネスにおいても、CO2回収や新製鉄法などの技術革新に伴う新たな事業機会にも、積極的に取り組んでいます。
資源権益事業の目標
| 一般炭権益 | 2025年までに半分以下、2030年までにゼロ*3 |
|---|---|
| 石油権益 | 2030年までにゼロ |
| 原料炭権益 | 2050年までにゼロ |
- *3 2018年を基準とした権益資産の簿価ベース。
当社は、脱炭素社会に至るまでの年代ごとの「技術動向・世の中の動き」を見立てたロードマップを整理し、これを踏まえて「双日の対応・考え方」を検討・整理しています。
上記の目標は、こうした見立てを含む将来環境や事業実態を踏まえた上で策定しています。そのため、これらの目標は、現時点の将来見通しに基づいたものであり、社会動向や技術革新の状況の変化によって、柔軟に見直しを行います。
進捗
2030年目標の2025年3月期における進捗は、Scope1とScope2で4割程度削減、一般炭権益はすでに9割程度削減を達成しています。
権益資産推移
TCFDとは
正式名称は、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosure)。
低炭素経済への移行は、経済界に重大、且つ根本的な変化をもたらすため、金融の安定、および資産価値における損失を防ぐ観点から、金融界の対応方法のレビューを求めるG20の要請に基づき、金融安定理事会が立ち上げたイニシアチブです。
TCFDは、気候関連のリスク・機会がおよぼす将来的な財務影響の把握・検討を企業に促しています。
TCFDが推奨する、気候関連の開示フレームワーク
TCFDは、企業に気候変動関連の情報開示を促すための任意のフレームワークを提示しています。 そのフレームワークでは、気候関連に関わる『リスクと機会』に関し、企業が『ガバナンス』、『戦略』、『リスク管理』、『指標と目標』の4つのテーマに沿った開示を行うことを推奨しています。また、特徴的なものとして、『戦略』の検討において、気候関連の『シナリオ分析』を行うことを求めています。
ガバナンス
- 取締役会による監視体制
- 評価・管理上の経営の役割
リスク管理
- 識別および評価のプロセス
- 管理プロセス
- 全社リスク管理への統合
戦略
- 短期・中期・長期のリスクと機会
- 事業、戦略、財務計画への影響
- シナリオ分析
指標と目標
- リスク評価の指標設定
- 温室効果ガス排出量と関連リスク
- 目標、KPIの実績