社長メッセージ

「双日が得る価値」と
「社会が得る価値」の最大化と
豊かな未来の実現へ

双日グループは「新たな価値と豊かな未来を創造する」ことを企業理念とし、事業基盤の拡充や持続的成長といった「双日が得る価値」と地域経済の発展や環境保全などの「社会が得る価値」という2つの価値の実現を目指しています。

双日はこれまでも、事業を通じた社会課題の解決を自社の強みに変え、事業基盤を拡充、成長をしてきました。エネルギーの供給・確保という社会課題に対しては、国内外で多くの資源ビジネスを手掛け、解決の一端を担うとともに、それを自社の収益へと繋げてきています。一方で、世界的に気候変動問題への対応が喫緊の課題となっており、カーボンニュートラルに向けた潮流が加速する中、エネルギーは、単純な使用・供給から、よりグリーンな使用・供給への移行が求められています。同時に、企業は、ビジネスと人権といった社会課題への対応も一層期待されています。

こうした中、双日は、2018年に、パリ協定や持続可能な開発目標(SDGs)なども踏まえた2050年に向けた長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を掲げ、脱炭素や人権に対する取り組みの強化に本格的に着手しました。事業を通じた脱炭素社会実現への挑戦と、サプライチェーンを含めた人権尊重への対応により、双日と社会の持続的な成長を目指していきます。

前中計の「中期経営計画2020」は、「サステナビリティ チャレンジ」の準備期間と位置づけ、脱炭素方針を策定し具体的な目標を設定するとともに、ビジネスと人権への取り組みとして、双日グループにとっての「高リスク分野」の特定・確認と、サプライチェーン全体における人権、環境リスクの調査、評価を実施しました。この間、社会のサステナビリティに対する関心は、予想を上回るスピードで高まりました。

2021年4月からスタートした「中期経営計画2023 ~ Start of the Next Decade ~」では、「サステナビリティ チャレンジ」を本格的に実践し、取り組みを加速していきます。脱炭素分野では、一般炭権益やSCOPE1/2の削減、サプライチェーンで発生するSCOPE3への対応、または機会としての各種事業の推進など、掲げる方針達成に向けた各種施策を進めます。人権分野では、特定した「高リスク分野」での対応を深めるとともに、広く双日グループの方針の周知・啓発を行います。加えて、日進月歩で変化するサステナビリティの分野での、新たな規範、考え方、さまざまなニーズにも柔軟に対応していきます。

また、「中期経営計画2023」の公表にあたっては、2030年の目指す姿として「事業や人材を創造し続ける総合商社」を掲げました。これは、デジタル化の進展や、ESGに対する意識の高まり、価値観・ニーズの多様化といった中で起こるさまざまな社会の構造変化の中で、総合商社としての使命でもある必要なモノ・サービスを必要なところに提供することを通じて、「マーケットニーズや社会課題に応える事業や人といった価値を創造し続けることにより、企業価値の向上を実現する」というものです。このための組織、人材づくりにも注力し、持続的な成長を叶える「双日らしさ」を築いていきたいと考えています。

今後も、サステナビリティを経営の中心に据え、「双日の得る価値」と「社会の得る価値」の最大化と豊かな未来の実現にむけ、ステークホルダーの皆様の期待に応えてまいります。引き続き双日グループへのご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

代表取締役社長 CEO

藤本晶義

※双日では国連グローバル・コンパクト10原則への支持やCOP21パリ協定・SDGsなどの国際規範を踏まえて企業活動を通じたサステナビリティの向上に取り組んでいます。

統合報告書2023
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