岩井勝次郎のCSR活動②

京都大学に岩井奨学資金を設立

岩井勝次郎は、東京から帰阪する際に、偶然に荒木寅三郎京都帝大総長と出合い、「京大には、学力は優秀だが学資に困る者がいる」と聞き、学資が続かないために将来有望な若者が退学に追い込まれるなら国家的損失であると感じた勝次郎は奨学資金の提供を決める。


大正5(1916)年9月から実行され、昭和14(1939)年までの間に約150名が受給した。その中には、恒藤恭(大阪市立大学学長)、汐見三郎(日本租税研究会会長、京都大学名誉教授)、菅野和太郎(衆議院議員、経済企画庁長官、通産大臣)などが含まれる。


勝次郎の死後、勝次郎の遺志を継ぎ、昭和15(1940)年に、息子の岩井雄二郎社長が後見人となって勝次郎の孫である英夫が、「財団法人岩井奨学資金」を設立した。

  • 岩井奨学資金を受けた京大生OBの懇親会(大正9年)