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社会における総合商社の役割
日本が経済発展をする過程において、総合商社は世界と日本との「架け橋」になるとともに、日本の産業基盤の形成に貢献してきました。
現在では事業内容そのものも「トレード」や「物流」にとどまらず、幅広い分野での「事業投資」および「ファイナンス」、そして事業の「コーディネーション」から「オペレーション」にまで拡大しています。また、資本や労働力のグローバル化が進む今、世界中のさまざまな国・地域の特性や文化に合致した事業展開を行うことが、非常に重要になってきていると考えています。
道路や鉄道などの産業インフラにはじまり、病院・学校・住居などの生活インフラ、それらをつくるためのセメント事業あるいは近代的な農業を行うための肥料プラントというように、経済発展の度合いによって必要とされるビジネスも変わっていきます。そしてかつて日本の経済成長が海外からの技術導入に支えられたように、今度は日本から途上国への技術移転が、そして現地において雇用を生むビジネスの展開が求められているのです。
こうした要請・期待に応えるために、総合商社が持つ多様な「機能」とこれまでの事業活動の中で培われてきたグローバルな視点を生かしながら、それぞれの国・地域においてもっとも有効な方法で、現地に貢献できるビジネスを構築していくことこそが、現代社会において総合商社に求められている重要な役割だといえるでしょう。双日グループはこれからも日本のみならず世界の経済発展を牽引する役割の一端を担っていきたいと考えています。
「有言実行」で社会からの信頼を得る
2003年の設立以来、「双日グループは、誠実な心で世界の経済や文化、人々の心を結び、新たな豊かさを築きつづけます。」を企業理念として掲げてきました。
ここでいう「新たな豊かさ」とは、もちろん経済的な豊かさだけを意味するものではありません。私たちは、それぞれの土地に根ざした多様な文化や価値観を尊重しつつ、人々の生活の質の向上に貢献していくこと、そしてそれを通じて社会との共存共栄の関係を築いていくことを目指しているのです。
双日グループのCSRの取り組みは、この企業理念を地道に実践していくことにあります。そのために重視しているのがすべての企業活動の基本でもある「誠実」と「信頼」です。社会的な要請に対して常に「有言実行」で応えていく。それによって社会から信頼される企業となることが何よりも重要だと考えています。
現在、企業活動が社会に与える影響に対する関心がこれまでになく高まっています。事業を行うにあたり、環境への影響を考慮する、人権を尊重する、といった当然の配慮なしには、企業は社会の中で存続していくことはできません。そして、CSRへの取り組みは、景気の波に左右されることなく、持続的に行っていく必要があります。こうしたCSRへの認識を、社員が行動を起こす際の精神的な支柱にまで高めて、浸透させていく必要があると考えています。
事業を通じて、社会の課題解決に寄与する
世界では今、温暖化問題をはじめ、さまざまな地球的規模の課題が深刻になりつつあります。2050年には約90億人になると見込まれている人口を養っていかなければなりません。これらの課題を解決し、世界の人々がそれぞれに「豊かさ」を享受できる環境をつくっていくことが、社会全体にとっての急務といえるでしょう。その中で、私たちが事業活動を通じて担える役割は決して小さくないと感じています。
一例が新エネルギー事業の開発です。その一環として双日ではブラジルでサトウキビを原料としたバイオエタノール・砂糖製造事業に力を入れています。ガソリンに代わるエネルギーとして注目が高まっているバイオエタノールですが、サトウキビはトウモロコシなどの穀物を原料とする場合と比べて短い工程でバイオエタノールを製造することができ、より環境負荷が少ない原料ということができます。また、放牧地を中心にサトウキビ栽培地の拡大を進め、他穀物の栽培地からの転用は行わないなど、食糧問題にも配慮しています。ビジネスを持続的に行っていく上ではこうしたCSRの観点に立脚した規範に則って行動することが大切であると考えています。
こうした事業を通じた貢献と、利益の創出とは直接関連しない本業以外での活動とを、車の両輪のようにバランスよく進めていくことの重要性も強く認識しています。後者に関しては現在、災害被災地への支援活動や国際交流などを展開しています。今後は教育分野に力を入れるとともに、医療などの分野にも取り組みを広げるべく検討中です。時代の要請に合致しつつも、持続性、継続性のある活動を「両輪」で積み重ねていきます。
自分の仕事に、会社に誇りを持つ
こうした私たちの事業活動、そしてCSR活動の源泉は「人」にあります。これまでも私自身、社員一人ひとりに積極的に声をかけ、意見を言いやすい雰囲気をつくるなど、社員との双方向のコミュニケーションの充実と企業風土づくりに努めてきました。今後は、双日のCSRについて、社員全員が改めて認識を共有できるようメッセージを強く発信していくとともに、CSR研修をはじめとしたCSR意識の啓発・浸透活動を強力に推進していきます。最終的には、社員一人ひとりが「双日のCSR」を語れるようになることを目標としています。
私が社員に求めたいのは、自分の仕事、あるいは会社そのものに対して誇りを持ってほしい、そうできるような仕事をしてほしいということ。世界中のどこにおいても、「また一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるような信頼関係を、周りの人々と築いていく。その地道な積み重ねから、「信頼される会社」としての双日が実現されていくと信じています。
これからも、持続的な企業活動のために、これまで以上に社会とのコミュニケーションを充実させ、そこから得た意見を取り入れながら、改善を重ね続けていきます。本レポートをお読みいただいた皆さまからの、忌憚のないご意見をお待ちしております。
双日株式会社 代表取締役社長
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