HomeSpecialサーキュラーエコノミーは身にまとって実践を。地球に寄り添うアイテム6選

Vol.03

資源は次なるステージへ。
サーキュラーエコノミーのいまとこれから

2022.05.11 UP

サーキュラーエコノミーは身にまとって実践を。地球に寄り添うアイテム6選

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2022年4月1日より施行された「プラスチック新法(正式名:プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律)」。消費されるだけの資源に歯止めをかけ、リデュースやリサイクルを促すための法律です。限りある資源と地球環境を次世代へつないでいくためにも、いま、この瞬間から、身近にあるアイテムだけでも環境型のものへシフトチェンジしていくことが大切。今回はcaravan編集部が厳選した、手に取るだけでサーキュラーエコノミー(循環型経済)に参加できるアイテムを6つご紹介します。

Photograph_Kaoru Yamada
Text_Keisuke Kimura
Edit_Shota Kato

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古い服を回収し、新たな服を生み出す
「BRINGのTシャツ」

毎年、多くのファッションブランドが新製品をつくり、売れなかったものは捨てられています。さらにファストファッションが全盛のいま、ファッション産業が生み出す廃棄物は膨大。廃棄物の総量は年間約9200万トンに及ぶというデータも。そうしたインパクトを少しでも軽減させたい思いから誕生したのが、日本環境設計のファッションブランド「BRING」です。回収した古着と繊維工場由来の糸くずのポリエステル繊維を化学的に分子レベルまで分解、そこから新しい服を生み出す取組みを行っています。ブランドのコンセプトもさることながら、その着心地も評判を集めています。日本環境設計が自社の工場でリサイクルしたポリエステルを原料として、国内の紡績メーカーでコットンライクかつ吸水速乾、UVカット機能付きの再生糸を生産。この糸からできあがったTシャツは屋外で着用するのに重宝する機能も盛りだくさん。手頃な価格も魅力のひとつ。

DRYCOTTONY Long sleeve T-shirt/各税込5,830円/BRING
https://bring.org/

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地球に優しく、足にも優しい
「オールバーズのシューズ」

リサイクルされたペットボトルやユーカリの木、ヒマシ油など、使われる原料のほとんどがリサイクル素材と天然由来のものでできている「オールバーズ 」の靴。環境ファーストで、製造過程でのごみも極力少なくし、世界で注目を集めるアメリカのシューズメーカーです。その話だけ聞くと、履き心地も質素なものを想像してしまいますが、それは大きな間違い。「オールバーズ」の靴は、米『TIME』誌に「世界一快適な靴」と評されるほどの心地よさで、まるで靴下を履いているかのよう。また、製品には絶対の自信を持っているので、30日以内であれば返品できるという保証付き。派手なロゴや華美な装飾はないのも好印象。

ツリーパイパー/税込13,500円/オールバーズ
https://allbirds.jp/

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エコバッグなのだから、素材もエコじゃなきゃ
「ジュネスのエブリデイバッグ」

メキシコとの国境に接する、テキサス州の街エルパソ生まれのバッグブランド。創業者のジャネアン・マンは「地球を助けることは、時には地球に参加すること」というテーマを掲げ、再生プラスチック繊維と革新的な新技術を組み合わせたバイオニットメッシュをつくりました。強度と持続可能性を両立させたバッグは瞬く間に人気を博し、ここ日本でも、注目度は上昇中。バッグのデザインはミニマルでありながら、色使いが特徴的で、テキサスの陽気を思わせるカラー展開。さらに、ジャネアンは女性への還元も忘れません。バッグの売上の一部は「女性のための世界基金」に寄付され、女性の地位向上や生活環境の改善を図るために役立てられています。

Everyday Bag/税込5,280円/ピルグリム サーフ+サプライ
www.beams.co.jp/pilgrimsurfsupply

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野菜や果物の搾りかすは畑の養分に
「サンシャインジュースのコールドプレスジュース」

日本初のコールドプレスジュース専門店「サンシャインジュース」。100%自然由来、100%植物由来にこだわり、日本全国の生産者とつながることで選りすぐりの野菜や果物をジュースにしています。ここまでは、ほかのコールドプレスジュース店でもやっていることかもしれません。「サンシャインジュース」のすごいところは、その先です。ジュースの残渣(搾りかす)は近郊の生産者の協力を得て土に還され、土壌づくりに役立てられる。その良質な土でまた、ジュースに使う野菜を育ててもらう。こうして完全な循環を生み出しているのです。素材のおいしさをダイレクトに感じられるので、ぜひ一度ご賞味あれ。

コールドプレスジュース/各税込1,390円/サンシャインジュース
https://sunshinejuice.jp/

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土に埋めれば、やがては地球へ還る
「パプラスのタンブラー」

コンビニでコーヒーが提供されるようになってから、紙コップの消費量は激増しています。繰り返し使えるタンブラーも多数販売されていますが、その多くが石油由来のプラスチック製のもの。資源をどんどん消費し、地球への環境負荷は増すばかり。「パプラス」のタンブラーは、そうした問題を解決する一助となります。というのも、「パプラス」のタンブラーは合成樹脂と紙が原料であり、合成樹脂は、トウモロコシやサトウキビ搾汁のデンプンを発酵して得られる乳酸が主成分となった生分解性プラスチック。そのため、もし使わなくなったなら、土に埋めてあげれば水と二酸化炭素に分解されるのです。ちなみに、このプラスチックフリータンブラーはごみとして廃棄するのではなく、資源として回収し、再製品化することも。「買っては捨てる」はもう止めて、「パプラス」のタンブラーでサーキュラーエコノミーを実践してみては。

※分解に要する時間は微生物の働きにより異なりますが、コンポストの場合3~6ヶ月、土中の場合は数年を要します。

プラスチックフリータンブラー/税込4,620円/パプラス
https://paplus.jp/

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100%リサイクル素材。使い終えたらまたリサイクル
「フーディニのショーツ」

スウェーデンで生まれたアウトドアブランド「フーディニ」。ブランドのユーザーは、日々、自然と対峙するエクストリームな登山家やスキーヤーたち。そして、自然のなかでの遊びをライフスタイルとして楽しむ人たちです。自然を愛するすべての人たちを見据えているからこそ、「フーディニ」のアイテムには過酷な環境でも信頼できる機能と耐久性が備えられています。それを日常で使ったらどうでしょう。山の中とは違い、生地の摩耗も少なければ、木の枝に引っかかることもありません。ケアを怠らなければ何年も着られるというわけです。それだけでも環境への負担を減らすことにつながりますが、このショーツはリサイクルポリエステル100%でつくられていて、不要になればリサイクルでき、新製品へと生まれ変わる。新しい地球の資源を使わないことこそが、環境保全の近道です。

Ms Pace Wind Shorts/各税込13,200円/フルマークス
www.fullmarksstore.jp

INFORMATION

日本環境設計

BRING 製品の製造・販売・服の回収・リサイクル、企業と連携したあらゆるものを循環させるプロジェクトの企画・運営、PET ケミカルリサイクル技術関連事業を展開。日本環境設計と双日は、日本環境設計が保有する独自技術「BRING Technology?」と双日の顧客ネットワークの活用により、国内外でのケミカルリサイクル事業を推進。

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