HomeSpecial日越の多様なチームで挑むブランド牛づくり―ベトナムに新しい食文化をつくる人たち(後編)

Vol.06

これまでも、これからも、ベトナムと共に

2023.11.30 UP

日越の多様なチームで挑むブランド牛づくり―ベトナムに新しい食文化をつくる人たち(後編)

vietnam5_01.jpg前編では、日本由来の飼料でベトナムの家畜と食肉のアップデートに取り組む、Kyodo Sojitz Feed (双日協同飼料会社、以下KSF)の新社長、原田昌平のストーリーを紹介しました。後編の主役は、ベトナムでブランド牛づくりにチャレンジする3人の双日社員たちです。双日はベトナム最大手の乳業メーカーVietnam Dairy Products JSC(以下、ビナミルク)とタッグを組んで、2021年9月にJapan Vietnam Livestock(以下、JVL)を立ち上げました。ここには、ベトナムで安心安全な国産牛を生産、販売する目標を掲げて、奮闘する双日の社員たちがいます。牛を育てる農場に泊まったり、スーパーやレストランを相手に商談したり、そして日本からサポートしたり。さまざまなかたちでこの事業に携わる人々が心に秘めた、事業への想いと、双日での仕事を通して身についた仕事観について聞きました。

Photograph_Takuya Nagamine
Text_Tami Ono
Edit_Shota Kato

「双日=日本企業」が教えてくれた、専門を極める以外の働き方

JVLの事業は双日の生活産業・アグリビジネス本部、リテール・コンシューマーサービス本部での共同推進です。今回は本事業を軸に3人の社員に話を聞きました。はじめに登場するのはグエン・キ・ナム。JVLの立ち上げ準備から関わり、2020年の10月からホーチミン市内にある双日ベトナムのオフィスに勤務しています。

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ナムの出身はベトナム南部。国内の工科大学に籍を置いているときには、英語圏の大学に進学し、化学エンジニアになる青写真を描いていたといいます。しかし、偶然双日のことを知って、その進路を変更することになったのです。

「何気なく日本のグローバル採用サイトにアカウントを登録してみたら、7社の日本企業から面談の招待をもらうことができました。そのうちの1社が双日でしたが、最初は『商社ってなに?』って感じ。でも、説明を受けたら、おもしろいと感じました」

それまで日本企業に対して具体的な知識や興味はなく、漠然と持っていたイメージは、「お堅くて退屈そう」。でも、双日人事部のイギリス人担当者が会社の方針としてグローバリゼーションについて語る姿を見て、気持ちが変わりました。ただし、ベトナムでは大学で学んだ専門性を仕事に繋げるのが極めて一般的。ナムによると、工科大学から総合商社への就職は奇異に映るお国柄だといいます。

「友達には『どうしちゃったの?』って言われましたよ(笑)。でも、家族は『あなたの人生だから好きにしたら』と背中を押してくれました」

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2016年6月にグローバル人材として双日に入社。 最初の半年間は日本語学校に通い、2017年1月から3月まではOJTなどを経験し、4月に(旧)リテール・生活産業本部の企画業務部に配属となりました。

「一番大きな困難は言語の壁でした。最初は予算と実績の管理の取りまとめが多かったのですが、特に最初の1年間は結構しんどかったです。でも、次第に非言語コミュニケーションで理解できることが増えて、日本語も上達してきました。化学エンジニアというすごく狭い分野を勉強していたから、商社だからこその幅広い仕事が興味深くて。貿易の知識や簿記の勉強までは予想していませんでしたが楽しかったです」

その後、牛の肥育という専門的なプロジェクトに携わることになりますが、「プロジェクトマネジメントのノウハウを得られている」とナムは話します。これまでのベトナムにはなかった「国産牛の冷蔵販売」の市場をイチからつくる。そのために会社を立ち上げるところから歩みを進めるのは、大変ではありますが、今後他の国を舞台にしたとしても、活かせる経験です。

「僕は、スペシャリストからジェネラリストに進化しているのかな」

少し照れくさそうに話すその姿が、予想もしなかった未来を楽しんでいることを物語っています。

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日本の技術で、ベトナム初の事例を

新しい言語、新しい環境......未知の領域を開拓していく困難さをやりがいに感じられるのは、新規事業立ち上げの人材として最適な資質かもしれません。2020年からは、新しい牛肉事業を推進するためにタスクフォースとして選抜された5人のチームに参加。ビナミルクとの一大プロジェクトが始まったのです。

「これまでビナミルクでは、乳が出ない雄牛が生まれたら二束三文ですぐに手放していたんです。でも、きちんと肥育して肉用牛として売り出せば有効な食糧生産につながる。乳用牛の雄牛を育てるノウハウはまだベトナムになかったので、日本の技術で一緒にやりましょう、と双日が名乗りをあげました。僕の担当は、牛の肥育・健康管理体制づくり、農場マネジメントなど。日本の肥育のエキスパートとビナミルクの農場を繋げて、適切な管理ができるように調整しています。気候や飼料の違いなどがありますから、日本の肥育プログラムをそのままベトナムの農場に使えないんです」

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日本語でのインタビューに緊張の面持ちだったナムですが、牛の話題になると饒舌に。人懐っこい笑顔で話す様子に、「牛について詳しいんですね」と水を向けてみました。

「双日の駐在員の中では一番詳しいと思います(笑)。コロナ禍で外出制限があるときには、2021年の10月から2ヶ月半くらい農場に泊まっていました。子牛にミルクをあげたりもしたんですよ。本当にかわいくて」

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現在はプロジェクトのフェーズが進み、人員が増えてきたのでオフィスにいることも増えたそう。それでも全国10カ所にあるビナミルクの農場に出張に出向くことも多く、オフィス勤務と出張の比率は半々くらいです。取材時は、ちょうど初めてJVLの国産肉「VINABEEF」を日系スーパーで販売して間もないタイミング。肥育主体だった事業も、いよいよ販売担当と足並みを揃えて前進していくフェーズに突入していきます。

「ベトナムで出回っている肉は、常温で加工・流通したものが一般的で、冷蔵の牛肉はこれまでの市場には少ないんです。JVLでは、温度管理された工場で加工するので、安全安心だし、品質にも自信があります。これから量産体制をつくっていくために、来年にはベトナム北部に最大年間3万頭を出荷できる大規模な肥育農場と食肉加工工場が完成する予定です。農場の隣に工場が併設して、生産から流通までを一貫して担えるようになりますが、ベトナムでは前例がないんですね。日本のオペレーションとベトナムのやり方の間でうまくバランスをとりながら、量産体制を軌道に乗せるのが目標です」

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(上)JVLの国産肉「VINABEEF」はベトナム国内のスーパーで販売されている。(中)先んじて販売されていた北海道産国産牛の冷凍肉「YUKI BEEF」。(下)2024年、ビンフック省に完成が予定されている牛の肥育農場と食肉加工工場の完成予想図。

良質な国産牛を提供するミッションに共感すると同時に、ナムだからこその想いを抱えて仕事をしています。

「せっかく日本の総合商社に入れたからには、ベトナムと日本の架け橋になっていきたいです。事業はすごく大きいものなので、結果が出るのはまだまだ先ですけど......。日本のやり方を教えた現地の農場の人に、牛の病気が減って、いい牛が育ったと感謝されるときには、とても達成感があります」

大きな成果も、一人ひとりとの心の通ったやりとりや、小さな架け橋がつながっていった先にあるもの。JVLは新しい文化を築いていく長い道のりを歩き始めたばかり。その道を手を取り合って進み始められたのは、農場で結ばれた信頼関係があるからこそです。

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ベトナムで、トライアンドエラーを受け入れるということ

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吉川千尋は、JVLにおいてベトナム南部のセールス・マーケティングを担当。販売チームとしてベトナムに駐在している双日の日本人社員は3人です。南部担当の吉川に加えて、北部担当、全体統括という役割分担ですが、全員で顧客を開拓するために全国を奔走しています。牛を育てるナムたちからバトンを渡され、販売先へ、さらには消費者に届ける役割を担います。

「ベトナムはこれから人口もさらに増え、タンパク源の確保が課題です。ベトナムの発展に合わせて、食の安全や文化をつくっていく事業にやりがいを感じているし、使命感のような気持ちもあります。JVLというひとつの会社で、肥育、加工、販売と主に3つのことをやっています。普通なら別会社でやるようなことを一貫してやっているんです。私はその中で販売を担当しています。

ベトナムでは、まだまだ冷蔵冷凍設備も整っていない店も多いんです。そんななか、イオンなどの日系企業のスーパーからレストラン、小売店まで、顧客になり得る会社を訪ねて、2,3キロの少ない量からの営業を地道に続けています。オペレーションも顧客開拓もゼロからのプロジェクトだけど、双日はベトナムに20社を超える事業会社があって、倉庫や物流などつながりを活用できるのは幸いです」

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吉川がベトナムに赴任したのは、2021年12月。入社からこれまで、IT、経営企画など幅広い職種を経験してきました。そんな彼女にとって、ベトナムでの仕事や暮らしは、どのような経験になっているのでしょうか。

「リモートでできることも増えたけど、現地に来てみないと分からないことがあるなあと改めて感じます。商品である肉を買って食べてくれるお客さまの空気やニュアンスは話してみないとわからない。実際、モノを作って動かそうとしてみたら、さまざまな壁があって一つずつ乗り越えなくちゃいけない、というようなことが起こるわけです。これからの時代に駐在するなら、現地でしかできないことは何かをより明確に考えて行動していく必要があると思いますね」

実際に、配送のためのトラックが来なかったり、客先に届けずに帰ってしまったりというトラブルも経験。日本の商習慣とは前提が違うゆえの行き違いで、大変な苦労も経験してきました。

「ちょっとやそっとのことじゃ、あまり驚かなくなりました(笑)。ものごとへの重要度に関する意識と感覚の違いは、一緒に働いてみてわかること。違いを認めて話し合うことを大切にしたいし、トラブルに備える先回り力がつきました」

一方でベトナムの魅力を感じるのは、トライアンドエラーを受け入れる雰囲気だと言います。街中では、キャッシュレス決済が日本以上に浸透し、新しいサービスを目にする機会も多いのだとか。その土壌は、今まさに新しい市場をつくっていこうとしている吉川にとっては心強いものなのです。

ホーチミン市内のブックストリート
ホーチミン市内のブックストリート
ホーチミン市内のブックストリート
ホーチミン市内のブックストリート

吉川の休日はホーチミン市内のブックストリートで過ごすのがお気に入り。「みんなでワイワイするのも大好きだけど、休日は本を読んだり、静かに過ごしたりする時間を大事にしています。表紙がかわいい本や気になる本をパラパラめくるのはいい時間です。そこで買った本や持ってきた本を近くのカフェでのんびり読んだりして」

いただく命も、自分の力も100%使い切りたい

取材の少し前、スーパーでお披露目した「VINABEEF」が好評だったことに胸をなで下ろしたという吉川。これからの目標をこう語ってくれました。

「ベトナム国内にも、大きなスーパーがこれからどんどん増えていくと思います。そこには必ずJVLの肉がある、という状態にしていきたいです。日系企業の商品だということを忘れちゃうくらい、生活に根ざせたらいいですよね。国民の大半が知っているようなブランドに育てていきたい。日本の技術や良さは大事にしながら、ベトナムの文化に沿って人気を築いている日系食品メーカーもあって、素晴らしいなと思うんです。

それと、牛にはお肉だけでなくて、骨や皮、内臓もあるわけですから、くまなく売り切るための努力をしなくちゃいけない。これから量産体制を築いていくとしたら、未利用資源の活用などをしっかり取り組んでいる他社から学ばなくてはと思っています。」

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Farm to Tableー農場から食卓へー。これから農場や加工場も新設されていく成長フェーズにあって、子牛の健やかな成長からベトナムの人々の食卓までをつなぐ責任を、噛みしめています。

「さまざまな部位のおいしい食べ方を紹介していくことも必要です。そのためにはSNSを活用するなど、宣伝戦略も練っていかなくてはいけません。ベトナムでは、日本のスーパーで見かけるような用途ごとに切り分けられている売り方はありません。また、ひき肉に抵抗感がある人が多いので、ハンバーグを食べる文化もないんです。消費者の声を集める仕組みをつくって、肥育や加工といった過程にもフィードバックできるようにしていきたいですね。せっかくFarm to Tableを目指して一貫事業でやっている強みを活かしていきたいです」

真摯な使命感を胸に抱きながら、失敗談も大きなチャレンジも、快活に話してくれた吉川。販路の開拓に向けて走り回る彼女が、顧客にいきいきと商品の魅力を語る姿は容易に想像できます。

「いまは後輩も増えて、自分で動くだけじゃなくて、どうやったら同じ方向を向いて一緒に働いていけるのだろうと考えることが増えました。女性社員も増えている実感があるので、ロールモデルとまではいかなくても、"ああいうやり方もあるんだな"と希望が持てる働き方をしていきたいですね」

うまくいかないことがあっても前を向き、上を目指してきた彼女の柔軟性は、帰国するころにはさらに増しているでしょう。"失敗しても大丈夫"。背中でそう語ってくれる先輩の存在は、たくさんの後輩に勇気を与えてくれそうです。

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ホーチミン
ホーチミン
ホーチミン
ホーチミン
ホーチミン
ホーチミン
ホーチミン
ホーチミン

「ホーチミンには、観光地として有名な市場だけでなく、一歩路地に入れば小さなローカル市場がたくさんあります。そういう場所を見つけて立ち寄るのも好きなことです。日本だと八百屋さんとか小さな専門店で買い物をする機会も少なくなっていると思うので、地元の人たちとコミュニケーションを取りながらの買い物を楽しんでみてほしいです」(吉川)

日本での私は、人の10倍努力が必要

ベトナムで多角的に業務範囲を広げているJVL。その土台づくりには、日本の双日本社からの尽力も欠かせません。生活産業アグリビジネス本部食料事業部プロテイン事業課のチャン・ジエウ・アインは、ベトナム企業への投資分野で事業を支えています。

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グローバル採用で2020年1月に双日に入社したチャン・ジエウ・アイン。子どもの頃から漫画やアニメといった日本のポップカルチャーが好きで、大学ではアベノミクスの研究など、日本の政治戦略について学んでいたそうです。

日本で働きたい。その想いを叶えるために、日本企業について多く調べてわかったのは、国際的な仕事を手がけるなら商社が最適、そして双日がベトナムでの事業を豊富に手がけていることでした。来日して実際に働いて3年半。日本の生活や商習慣にもすっかり馴染んでいるようです。

「日本はとてもよく"整理されている"と感じます。ベトナムは逆で、プロジェクトがいきなり大きく変更されることもあって、大変です。大切なのは、両者をよく見てバランスをとっていくこと。双方の意見をしっかりヒアリングして巻き込んでいく必要があると学びました。ベトナムの企業は若くて勢いがあるのはいいところですが、日本で学んで活かしたいスキルはたくさんあります」

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柔らかな語り口のアインですが、「日本ではマイノリティの立場だから、人の10倍努力が必要だと思っています」と、努力家の一面も覗かせます。

「私が双日で得られた大きな成果は、プロジェクトマネジメントのスキルです。ほかにも、人を巻き込んでチームワークよく業務を遂行させるやり方も、私はとても好き。たくさんの人からフィードバックや意見を聞けるのがありがたいと感じます」

力が湧いてくるのは、叶えたい未来が一緒だから

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双日の企業風土から多くのことを学んできたアイン。ベトナムと日本の橋渡しを担い、新規事業連携案件であるJVL、畜産業界に関わるM&Aの案件やベトナム国内で配合飼料の生産・販売を行うKyodo Sojitz Feed(以下、KSF)向けに農業データのデジタル化事業のサポートなどを担当しています。2020年11月から2021年6月までの間はホーチミンへ長期出張を経験し、JVLがベトナム国産牛の販売に先んじて手がけた、和牛の商品「YUKI BEEF」のローンチをサポートしました。現在は日本の双日本社に勤務しながら、ベトナムで進行中のプロジェクトマネジメント業務をこなしています。

「KSFの協力先の肥育場に日本国内のパートナーと組んで、農業データのデジタル化をサポートするためのシステムを導入しました。このプロジェクトの目的はデータを活用して農場の生産性を改善させることだったので、現場に張り付いているKSFの技術者と密に進捗を管理して、農場の生産性改善に貢献することができました。

またJVLではビナミルクと協業して間もない頃、ベトナム国内で牛肉を生産していくにあたって、日本から輸入した牛肉「YUKI BEEF」のテストマーケティングを始めました。私は市場調査からプロダクトローンチまでの一連の業務に携わったのですが、商品登録、パッケージデザイン、輸入手続き、商品の取り扱い、ロジスティクス、イベントでの試食会、販売チャネルとの交渉など、非常に細かい作業のサポートが多かったんですね。当時のチームは3人だけだったので、荷物運びも含めてなんでもやっていました(笑)。何もないところからのはじまりだったからこそ、ベトナムのスーパーマーケットで私たちの商品が販売されていることにすごく達成感があります」

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日本の商社に勤めながら、生まれ故郷であるベトナムの発展に貢献しているアインにとって、彼女は仕事にどんなやりがいを見出しているのでしょうか。

「仕事のやりがいは3つあります。ひとつめは、やはりベトナムに関わる仕事ができることです。ベトナム人であることは、私のアドバンテージ。コミュニケーションや商習慣にも慣れていることを生かして活躍できるのは嬉しいです。ふたつめは、社会に対して貢献ができていること。ベトナムは途上国ですから、双日がベトナムで事業を展開することによって発展の助けになるのは非常に魅力的です。最後は、仕事の内容です。私の仕事は出資会社の管理業務が主ですが、この仕事が非常に好きです。チームでミクロなことからマクロなことまで一つひとつ議論して検討するのは、大変だけど楽しいプロセス。意見を出しながら建設的に戦略を立てていく過程には、やりがいがあります。

自分たちの強み、相手の強み、両者のシナジーを総合的に判断する必要があります。最終的には、双日の利益を拡大させるだけじゃなくて、出資先の既存のビジネスと連携させて事業をサポート、育成することを目指すのも意義のあることです」

業務のなかで出合ったビジネス分野を、自分の学びとしても深めているアイン。自らのスキルアップが、ふるさとの未来に寄与すると信じて前に進めるのは、周りの仲間、ひいては双日が描く未来に心から共感できるからです。彼女がベトナムで生活していた頃には、スーパーにはなかった国産の冷蔵肉。これから帰省したときには、新しい食文化を目の当たりにするかもしれません。ふるさとの暮らしに、自分の仕事が貢献した喜びを噛みしめる日も、そう遠くないはずです。

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INFORMATION

Japan Vietnam Livestock Co., LTD.

双日株式会社とベトナム最大手乳業メーカーであるVietnam Dairy Products JSC (ビナミルクグループ)が2021年9月に設立した、ベトナム国内における牛肉製品の輸入および加工・販売を目的とした合弁会社。双日が提供する日本の加工技術や牛肉のマーケティングと、ビナミルクグループの事業基盤といった両社の強みを掛け合わせ、現地の牛肉需要の掘り起こしや成長力に取り込む。2023年3月、ビンフック省でベトナム国内最大級の牛の肥育農場・食肉加工工場の起工式を実施した。工場の稼働は2024年夏を予定。

PROFILE

グエン・ナム

Japan Vietnam Livestock Co., LTD. (本社主管部:生活産業・アグリビジネス本部、リテール・コンシューマーサービス本部)

2016年6月、グローバル人材の採用と育成を目的とした『グローバル・マネージメント・トレーニー』プログラムを通じて、双日に入社。語学研修を経て、2017年4月にリテール・生活産業本部企画業務部に配属となり、主に予実管理を務めた。2020年4月よりJapan Vietnam Livestockに出向。

吉川千尋

Japan Vietnam Livestock Co., LTD. (本社主管部:生活産業・アグリビジネス本部、リテール・コンシューマーサービス本部)

2012年4月入社。情報企画部(現デジタル推進)配属。2013年10月から12月まで、双日アジア会社(シンガポール)へ海外トレーニーとして派遣された後、2015年10月には経営企画部総合企画課に配属。2017年11月から食料・アグリビジネス本部穀物・アグリビジネス部へ異動。2021年12月からベトナムに赴任しJVL案件に従事。セールス・マーケティング(南部担当)に所属し、新規顧客を開拓。生産チームと協業し牛肉製品(カット・包装含む)の企画、売り方・マーケティング施策の検討・実行、工場建設に向けたITシステムの構築サポートなども担当している。

チャン・ジエウ・アイン

生活産業・アグリビジネス本部 食料事業部 プロテイン事業課 ※

2020年2月から10月までベトナム事業推進室に配属。Kyodo Sojitz Feed向け農業データのデジタル化事業をサポート。その後は2021年6月まで、双日ベトナム会社ホーチミン支店にて、Japan Vietnam Livestock社の設立をサポート。和牛ブランド「YUKI BEEF」の輸入販売開始に向けた市場調査を担当していた。日本に帰任してからは再びベトナム事業推進室に配属。上記業務に加えて投資案件なども担当している。

※2023年7月取材当時

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