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Vol.06

これまでも、これからも、ベトナムと共に

2023.12.11 UP

ベトナムと双日を知る5のキーワード
Exploring Vietnam & Sojitz

vietnam6_01.jpgインドシナ半島の東岸に弧を描くように位置するベトナム。国土が長いゆえに、歴史も気候も文化も地域によって大きく異なります。社会主義、フォー、バインミー、アオザイなど、わかりやすいイメージはあるものの、「実はベトナムってどんな国?」と思っている人たちが多いのでは?ベトナムのキホンとそこに関わる双日の事業を、数字や事実から見てみましょう。

Illustration_Mayuko Kanazawa
Text&Edit _Shota Kato

1. 国家 / 国民
1976年成立 人口約1億人 平均年齢約31歳

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ベトナムの原型とされる最後の王朝「阮朝」がつくられたのは1802年です。1885年からはフランスの植民地化が南部から始まり、南北が分断された時代が60年間も続きました。社会主義の北部に対して南部は資本主義。やがて、北部が南部の実権を掌握する形でひとつの国家に統一され、1976年には現在の「ベトナム社会主義共和国」が始まったのです。意外かもしれませんが、国家としては50年弱と若い国なのです。

当時の人口は約5,000万人でしたが、現在はなんと約1億人弱に。この50年近くのあいだで倍増しています。ベトナムの国民は平均年齢約31歳と、全人口の約65%が60歳以下。そのなかでも20歳後半の割合が非常に高く、若者が多いことからも将来の経済発展が期待されています。

そんな国家として大きな成長が期待されるベトナムですが、双日とは深い関係にあります。そのはじまりはベトナムがベトナム戦争による禁輸措置や経済制裁を受けていた時代に遡ります。双日はベトナムが厳しい状況下にあっても、直接の貿易関係の維持や、日系企業として初めてとなる駐在所の開設などに取り組み、ベトナムにおける事業展開や同国発展のための貢献は、ベトナム政府から大きく評価されてきました。

その信頼関係の証として、2006年には「ベトナム国友好勲章」を受章。これはベトナム政府が外国人に贈る勲章としては最高位のもの。しかも当時は日系企業として初めての栄誉でした。2023年は日本とベトナムにとって、日越外交関係樹立50周年の節目です。双日はこれからも幅広いビジネスと社会貢献活動を通じて、ベトナムの明日をつくっていきます。

出典:
ベトナム基礎データ / 外務省 / 2023年
ベトナム 教育(Edtech)産業調査 / 日本貿易振興機構(JETRO) / 2021年

2. 都市 / 気候
ベトナムの北部・中部・南部の都市と気候の特徴

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細長い弧を描くように位置するベトナムは、北部・中部・南部に分けられることが多い国です。北部の中心は首都・ハノイ。双日ベトナム会社のハノイ支店が位置する都市でもあります。穀倉地帯として発展した北部は日本のように四季がある寒暖差が大きい地域です。夏は40度以上の猛暑を記録する日もあり、冬は10度以下まで冷え込みます。ちなみに、ハノイの四季は十二季に分けられ、ひと月ごとに象徴的な花があることは知っていますか? 4月はゆり、6月は蓮、8月は菊など、1年のなかでいつ訪れても季節の花が咲き誇る風景は、日本の四季とは違った趣きに満ちています。

中部はベトナム第3の都市にあたるダナンが中心。都が置かれていた古都フエ、かつての港湾都市であるホイアンと共に、多様な文化が混ざり合っていた歴史に触れることができるリゾートエリアとしても知られています。気候は乾季(2-7月)と雨季(8-1月)に分かれていますが、年間を通して高温多湿で雨が降りがちです。

かつてサイゴンと呼ばれていた南部の中心であるホーチミンは双日ベトナム会社の本拠地。東アジアと南アジアを結ぶ交易の拠点として栄えてきました。ベトナム最大の経済都市としてのイメージが大きいですが、南部の括りとしては東南アジア最大のメコン川下流の豊富な水路によって、米、果物などの農業や漁業も盛ん。中部と同じく乾季(11〜4月)と雨季(5〜10月)に分かれますが、1年を通して気温差は少なく年間の平均気温も約28度と、常夏の気候が特徴的です。

北部・中部・南部の特徴は気候だけではありません。日本と同じくベトナムにも方言があり、北部・中部・南部での言葉の違いは「三大方言」といわれています。地域の言葉を知ることで、ベトナムの新たな魅力に触れることができるでしょう。

気候の温暖化を防ごうと、世界中でさまざまなアクションが起きています。経済発展が目覚ましく、電力需要が拡大しているベトナムでも、低炭素社会の実現に向けた取り組みが行われています。ベトナム政府は2050年までに国内の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合を70%まで拡大させる目標を掲げています。

双日でもベトナムで屋根置き太陽光発電事業を開始しました。地球環境への負荷の少ない再生可能エネルギーを供給します。まずは、双日が運営するドンナイ省のロンドウック工業団地に太陽光発電設備を設置する予定です。工業団地全体で目指すのは、年間約5,800tのCO2削減です。太陽光発電で余った電気は他の入居企業に供給され、工業団地を起点に、ベトナム国内を地球にやさしい電力が循環していきます。

3. 教育 / 労働
大学進学率35.4% 就労者人口5,120万人

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ベトナムの義務教育は就学前の幼児教育1年(5歳)、小学校5年(6〜10歳)、中学校4年(11〜14歳)で、合わせて10年間です。中学卒業後の進路として、高等学校3年間(15〜17歳)と大学があります。しかし、ベトナム高校生の大学進学率は約35%であることから、大学進学は一般的とは言えません。

車やバイク、アニメや漫画などに日本のメーカーやブランド、作品が浸透していることから、ベトナム人の日本への関心は高いと言えます。日本語を学ぶベトナム人は4万人以上といわれ、中学校・高等学校では、日本語を学習しているクラスもあります。

若者の割合が非常に高いベトナムでは、約1億人の人口のうち、60歳以下の就労者は半分。その内、1980年代から2000年代に生まれた若い世代が全体の約65%を占めています。固定概念にとらわれないアイデアを持つ若者たちが新しい技術やイノベーションに適応し、既存の産業だけでなく、新しい分野が発展していくことが期待されています。

男性と女性の労働者比率もおおよそ50%ずつ。世界的には女性の活躍が注目されていますが、女性の労働力率をみると、世界、アジア太平洋地域全体で平均5割を満たないのに対して、ベトナムはなんと70%を上回ります。これは女性が出産後も職場復帰しやすい法律と環境が整っているためです。

双日はベトナムの子どもたちの未来をサポートするさまざまな活動に取り組んでいます。自由な感受性や発想をもつ大人に育ってほしいという願いを込めて、ダナンの小学校40校へ絵本と本棚を寄贈しました。毎年、特定の地域の小中学校、高等学校へ奨学金も給付しており、学費、受験補習や留学支援など、目的はさまざま。そして大学生には、日本語とビジネスマナーをレクチャーする人材育成プログラムを実施しています。

また、日本で働きたいベトナム人大学生のために、「HuReDee」プログラムをつくりました。HuReDeeと提携するベトナムの国立大学3校から選抜された学生たちには、日本企業への就職をサポート。日本とベトナムの架け橋になることが期待されています。

現在、ベトナムにおける双日のビジネスは幅広く、21個の事業に数えられます。多くの雇用を生み出すという側面でも、ベトナムの産業と経済の発展を支えており、ベトナム社会にさまざまな形で付加価値をつくっていきます。

出典:
世界の学校を見てみよう / 外務省 / 2013年
INFOGRAPHIC SOCIAL-ECONOMIC SITUATION 4TH QUARTER AND 2022 / ベトナム統計総局 / 2022年
プレスリリース / 国際労働機関 / 2021年
東南アジア最新情報 / GAコンサルタンツ株式会社 / 2023年

4. 食 / 小売
穀物自給率117% 胡椒の生産量世界1位 コーヒーの生産量世界2位 米の生産量世界5位

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ベトナムの代表的な産業のひとつとして食分野に注目しましょう。米、小麦、トウモロコシなどの穀物自給率は117%を誇ります。なかでも米の生産量は世界5位の約43千トン。米は私たち日本人にとっても馴染み深いものですが、日本の生産量は第12位の約9.7千トンです。ベトナムのフォーをはじめとした米粉を使う食文化の浸透が、その高い生産量を物語っていることがわかるでしょう。

コーヒーの代表的な産地といえば、中南米やアフリカを連想しますが、ベトナムのコーヒー豆の生産量はなんと世界2位の約185万トン。近年は甘さが特徴的なベトナムコーヒーだけでなく、日本でも人気の豆本来の味わいを楽しむコーヒーショップも増えてきています。

ちなみに、世界1位の生産量を誇る香辛料があることを知っていますか? それは胡椒です(約28.8万トン)。特にフーコック島の黒胡椒は安価で風味が良く、世界中の料理家たちを魅了している名産品なのです。

ベトナムの市街地でも、日本と同じようにコンビニエンスストアを見かけます。旅行者にとって、深夜早朝でも必要なモノが手に入るコンビニは強い味方。店舗によっては日本の飲料や食品が豊富に揃っています。

ホーチミンを中心に展開されているミニストップの店舗は、実は双日がミニストップ株式会社と展開しているのです。現在の店舗数は160店超。ベトナム人の味覚に合わせたオリジナル商品を中心に人気が高く、出店に力を入れています。売場に並ぶおにぎりや惣菜などの製造や、店頭に届けられるまでの輸送と保管も双日の事業です。2023年7月に、最新の物流倉庫が完成したばかりで、常温から冷凍まで4温度帯の食品を保管できます。

そのほか、オリジナル牛肉ブランド「VINABEEF」も立ち上げました。ベトナムでは、牛肉は常温で流通することが一般的ですが、4温度帯の物流倉庫によって牛肉の鮮度が向上することで、ベトナムの食卓に「美味しい」が増えることにつながっていく。食品の製造・物流・小売までを網羅する高品質な物流インフラの仕組みを通じて、双日はベトナムの新しい食文化をつくることに挑戦しています。

出典:
世界の統計 / 総務省統計局 / 2022年、2023年
世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング・推移 / グローバルノート / 2023年
世界のコショウ(胡椒)生産量 国別ランキング・推移 / グローバルノート / 2023年
Convenience store 2023 / Vietdata / 2023年
VIETNAM MEAT MARKET / IPSOS BUSINESS CONSULTING / 2016年

5. 文化 / 観光
外国人旅行客888万5,400人(2023年1-9月)

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ホーチミン市街を歩いていると、世界各国の旅行者の姿を見かけます。2022年のベトナムの外国人旅行客は約366万人でしたが、2023年1-9月期は約890万人。コロナ禍前の2019年と比べて約7割ですが、新型コロナウイルス対策の制限が撤廃されたため、今後も旅行客数の急増が見込まれています。

いまのベトナムを象徴している、ハノイやホーチミンの高層ビル群と旧市街が織りなすコントラスト。市場やナイトマーケットには、エネルギッシュでエスニックな空気が漂っています。世界遺産の街として知られるフエ、ホイアンはベトナムに残る古都の面影を堪能するのに最適です。リゾート気分を楽しみたいならば、ダナンへ。ビーチで贅沢な時間を過ごすことができます。

中華系様式の建築物のなかにフランス統治時代を彷彿とさせるコロニアル様式の建物が混在しているのは、ベトナムならではの街並みです。フォーやバインミーといったベトナムグルメを味わったり、美しい伝統衣装のアオザイや、繊細な色付けのバッチャン焼きとソンべ焼きの陶器などを物色したり。ベトナムの衣・食・住・旅は、懐かしさと新しさで満ちています。

文化において、双日はベトナムのオーケストラ活動を支援しています。ベトナム国内の幾つかの歴史的なオペラハウスを訪れて双日が思ったのは、幼少期から音楽に触れられる環境をつくりたいということ。ベトナム国立交響楽団 (VNSO)、ベトナムクラシック音楽団 (VYMI)、ベトナムユースオーケストラ (VYO) の支援を通じて、ベトナムの人々に芸術への理解と教養を深めることの素晴らしさを伝えています。

2023年からはヤマハの協力を得て、ダナン市内小学校に音楽授業用リコーダーの寄附を始めました。5年間で市内すべての小学校に寄贈することを目指します。音楽が身近にあることで生まれるのは、自分の世界が広がるきっかけ。音楽の力で、ベトナムの人々の心を豊かに。

出典:
Vietnam achieves 2023 foreign tourist target / VnExpress International / 2023年
Vietnam Tourist Arrivals / TRADING ECONOMICS / 2023年

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