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2022.01.28 UP

キャンピングカーが叶える、クリエイティブな仕事術と遊び方

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この数年で、生活は劇的に変化しました。オフィスで仕事をする機会は減り、また、アウトドアを遊び場とする人が増えました。そんな新時代に、注目を集めているのがキャンピングカー。どこでも寝泊まりできるだけでなく、完全プライベートな仕事場としても使える空間、災害などの避難場所として活用できたりと、まさに新しいモビリティの形なのです。今回は、東京と鹿児島、都市と自然を往来するプロデューサー・坂口修一郎さんのライフスタイルを通して、キャンピングカーの新しい使い方を考えます。

Text_Keisuke Kimura
Photograph_Masayuki Nakaya
Edit_Shota Kato

日本のライフスタイルに最適化されたキャンピングカー

ハリウッド映画やアメリカ文学に度々登場する、巨大なキャンピングカー。大きな躯体でハイウェイを走り、荒野で宿泊するシーンには、憧れを抱いた人も多いはずです。 

アメリカンカルチャーのアイコンであるキャンピングカーが、日本で注目を集めはじめたのはこの数年のこと。コロナ禍により訪れたリモートワークの波やアウトドアブーム、人との接触を極力避けるためのセカンドハウス的使い方ができるという理由から、販売台数を急速に伸ばしています。

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いまでは全国各地、多くの企業がオリジナルのキャンピングカーを販売しているなかで、日本の交通事情に配慮し、インテリアにも機能にもこだわった「キャンパー鹿児島」のキャンピングカーは、大きな人気を誇っています。本拠地である鹿児島や九州のみならず、遠く北海道にもオーナーがいるほど。

「キャンパー鹿児島」が展開するキャンピングカーは、大きく分けて10型。人気モデルである「rem BV」は、ショートステイとしては充分な設備と、家族4人が広々使える空間が魅力です。

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テーブルを挟んで向かい合って座ることができる後部座席は、ものの3分でフルフラットにトランスフォーム。冷房やTV、シンクなども完備。そのほかにも、ルーフトップにはソーラーパネルが配され、AC電源も複数備わっています。「使い続けたらクルマのバッテリーが上がってしまうのでは?」なんて心配も不要です。サブバッテリーが搭載され、エンジン用のバッテリーとは独立したシステムになっているのです。

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荷台部分にはマットが敷かれており、その広さは大人2人が悠々と寝転がれるほど。また、ユーザーの希望に合わせてさまざまなカスタマイズができるのも魅力のひとつです。シートのファブリックや木材も数種類の中から選べ、家具の配置や仕様も変更することができます。

では、機能満載のこの1台はどう使うべきなのか。ゲストである坂口修一郎さんのノマドな働き方を通して、見ていきましょう。

東京と鹿児島の"3拠点"を行き来する、坂口修一郎の働き方

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坂口修一郎さんの肩書きはさまざまあります。ミュージシャン、プロデューサー、コンテンツプランニングディレクターなんて呼ばれることも。言うなれば場づくりのプロフェッショナルです。東京・代官山の「UNIT」をつくったり、鹿児島では「GOOD NEIGHBORS JOMBOREE」というフェスを主催したり、そのほか官民問わず、さまざまな場をつくり続けています。現在は、東京と鹿児島を行き来する日々。

「2拠点生活とよく言われるんですけど、正確に言うと3拠点なんです。大都会の東京と、中核都市の鹿児島、そして、鹿児島から車で1時間の場所にある、ここ『リバーバンク森の学校』です」

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「リバーバンク森の学校」は、2018年に設立した一般社団法人で運営している自然体験施設。深い森の中にある廃校を再生し、自然と共にある里山の暮らしを学べる場所です。定期的にイベントやワークショップを開催し、近隣住民たちの新しいコミュニティの場になっています。

「いま、全国で年間500校近くが廃校になっているんです。しかも毎年ですよ。そうなると、巨大な空き家がたくさん生まれるわけで。さらに廃校になると、周辺の集落から人はどんどんいなくなり、過疎化が進むんです。ぼくは鹿児島で生まれ育ち、この場所で『GOOD NEIGHBORS JOMBOREE』もやらせてもらっていたので、恩返しの意味も込めて、なんとかしてこの場所にもう一度、人を呼び戻せたらと思っていて」

その活動が実りはじめ、ここ数年でこの地区の人口は25人増。もともとの人口が1200人で人口減少がつづく集落が多いなかで、およそ2%増という数字がもたらした影響は小さくありません。

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一方で「地方の活性化をお題目に掲げているわけではない」と坂口さんは続けます。その目的は、自分自身を活性化させるため。

「きっと、ぼくらが活性化していって、その場を楽しめば、自然と人は集まってくると思うんです。それが結果的に、地域の活性化とか地方創生につながればいいなと思っています。そうして子どもたちが集まってきて、それを見てこの地域のおじいちゃん、おばあちゃんが喜んでくれれば、それだけでいいなって」

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東京という最先端都市で情報を詰め込み、鹿児島のオフィスでそれを咀嚼し、「リバーバンク森の学校」の自然の中でアイデアを具現化していく。こうした豊かな環境によって、坂口さんの革新的なクリエイティブは生まれているのです。

「よくも悪くも、どこでも会議ができるようになったじゃないですか。だから、コロナ以前は東京と鹿児島は半々くらいでしたけど、いまはほとんどの時間を鹿児島で過ごせているんです」

とはいえ、月に数度は東京へと足を運び、鹿児島のオフィスと「リバーバンク森の学校」を目まぐるしく移動する日々。坂口さんのような多忙なノマドワーカーにこそ、キャンピングカーは仕事と遊び、そのどちらにとっても最強のツールになりえるのです。

新たなアイデアの閃きをもたらす、キャンピングカーの可能性

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どこでも仕事ができるようになったことは、コロナ禍がもたらしたポジティブな側面ともいえるでしょう。以前はミーティングといえば対面が当たり前でした。その拘束から開放されたいまは、街の中でも森の中でも、どこでも仕事場になる。

「正直、今回体験してオフィスはキャンピングカーで充分って思いました(笑)。イスとテーブルがあるから普通に仕事ができるし、電源もある。しかも、どんな場所で仕事をするかも選び放題なわけですよね?」

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キャンピングカーはモーターホーム(住宅のように快適な生活を過ごす車両)という考え方以外に、坂口さんが話すとおり、第2のオフィスとして使う人も増えています。イスとテーブルさえあれば、どこでも仕事ができる時代です。

加えて坂口さんは「会社に座っているだけじゃ、おもしろい企画は生まれない」と言います。そのため東京と鹿児島のオフィスには、自身の机はないんだとか。

「会社の仲間にも、オフィスにはなるべくいるなと言っているんです。PCのディスプレイだけ眺めていても、そこから新しい発想は出てこない。やっぱりどこかに出かけて、人と会い、いつもと違う景色を見てこそ新しいアイデアを思いつくわけで。そういう意味でも、キャンピングカーは簡単に、いつもと違う環境に身を置けますよね」

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「当たり前ですが、キャンピングカーはキャンプにも最適」と坂口さんは続けます。

「キャンプの醍醐味は、焚き火を囲んで、みんなと話す時間だったりするじゃないですか。でも、テントを立てるのは面倒くさかったりする。キャンピングカーがあれば、寝床をつくる必要もないわけで、余計な手間が省けますよね。天候にも左右されませんし」

最後に、坂口さんが思う理想の宿泊場所を教えてもらいました。

「鹿児島だと、地元の人が日本三大砂丘のひとつと呼んでいる、吹上浜という場所があるんです。そこは全然人がいなくて、ほぼプライベートビーチみたいな場所なんです。そこで泊まって、朝起きたら窓の外には海が広がっているわけじゃないですか。本当に贅沢な体験ができますよね。そこでオンライン会議なんかもしちゃって、『どこにいるんですか!?』って相手に羨ましがられるのもいいですね(笑)」

どこでも寝泊まりができて、深い森の中やきれいな渓流沿い、静かな湖畔も、満点の星空も独り占め。遊びでも仕事でも、可能性が無限大なキャンピングカーは最強のツールだと言えるのではないでしょうか。article_post_1_16.jpg

INFORMATION

キャンパー鹿児島

鹿児島を拠点に、キャンピングカーの製造・販売を行うKアクセスは、キャンピングカー業界において「キャンパー鹿児島」のブランドで広く認知されています。高級感あふれる内装デザインに加え、走行中も充放電ができ、停車中も電気製品を長時間使用できる新たな電源システムを他社に先駆けて開発・搭載するなど、新しい価値と高い機能性を備えた革新的なキャンピングカーを生み出しています。双日は2021年2月に同社と資本業務提携を結び、キャンピングカー市場に進出しました。

キャンパー鹿児島
https://www.aa-k.com/

PROFILE

坂口 修一郎

坂口 修一郎

BAGN Inc.代表

1971年鹿児島生まれ。1993年無国籍楽団ダブルフェイマスを結成。音楽活動の一方2004年代官山UNITの設立に参画。2010年より鹿児島で野外イベント「GOOD NEIGHBORS JAMBOREE」を主宰している。現在はランドスケーププロダクツに参加し、ジャンルを越境したイベント・クリエイティブのプロデュースを多数手掛けている。

BAGN Inc.
https://bagn.jp/

キャンピングカー モビリティ ワーケーション 働き方 地方創生 遊び

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