Hassojitz session Hassojitzプロジェクトセッション

市場のニーズを新しい視点で捉え、必要とされる価値を生み出すため、双日では「発想×Sojitzプロジェクト2019」を始動。発想の力で、この世界を変えていく。そんな力強い熱量を持った、双日の将来を担う若い世代が手を挙げた。2050年、そこはどんな世界になっているのだろうか。そのアイデア・視点・発想から何が生まれるのか。
Hassojitz。新しいビジネスを切り拓き、よりよい未来の実現に挑む。

AI Animal Partner

リアルな動物型ロボットで、
社会に癒やしを提供。
さらにその先で「感情の見える化」へ。

SHINICHI
MAEKAWA
前川 真一
金属・資源本部 企画業務室
ミライ事業開発チーム
2010年入社 法学部卒

金属・資源本部 企画業務室
ミライ事業開発チームで、
前川は資源リサイクル分野の新規事業を手がけている。

日々仕事をする中で、
「新規事業開発に関する知見・
ノウハウに磨きをかけたい 」
と思っていた矢先に飛び込んできたのが、
Hassojitzプロジェクトのメンバーの募集告知。
前川は迷わず手を挙げた。

ハッソウジツプロジェクトは公募制だ。
であれば、新規事業に本気で取り組む人ばかりが
応募してくるに違いない。
そういう人たちと一緒に切磋琢磨しながら
新規事業を立ち上げていけば、
自分自身のスキルも
相乗的に高めることができると考えた。
そして、別々の部署から集まった8名で、
新規事業開発がスタートした。

2050年に向けて、
世の中に必要とされるビジネスは何か。
集まった8名は、熱く議論を交わし、
意見を交換し合う。
その中で、前川が序盤で出したアイデアこそが
「動物型ロボット」だった。
しかし動物型ロボットは、
すでに世の中にいくつか有名なものがある。
このアイデアはここから一時期、
チーム内から姿を消すことになった。

テーマの選定は自由度が非常に高い。
なおかつチームメンバーの
バックグラウンドも多種多様で、
共通言語もないことから、
テーマの絞り込みは難航した。

そうした中でも、自分が思いもしない
アイデアが次々と出てくる。
段々とそれらが集約されて、
新しいビジネスの形が浮かび上がってくる。
前川は、その過程を心から楽しむことが
できたという。

だが、「このチームは何がしたいのか?」と
迷子になることも何度かあり、
それぞれの本業が忙しかったりすると
モチベーションが低下することもあった。
そんな状況に苦労しながらもチームで支え合い、
乗り越えてきたことも、
かけがえのない経験になったという。

そして、最終的に残ったのは、
人の根源的欲求を満たすサービス/プロダクトを
提供できないかというアイデア。
2050年という未来を見据えたビジネスを
創出することが
Hassojitz Projectの
目的だからこそ、
時代に左右されない人の根源に関わる
普遍的な価値を社会に提供したい。
チームの方向性は固まった。
だが、肝心の「どんな根源的欲求を満たすのか」を
決めかねていた。

ここで、あるメンバーがプライベートで、
動物の人生を主題とした
舞台を鑑賞したことが、
ブレイクスルーとなった。

これから先も変わらず
人間が必要とするもの。
それは「癒やし」だ。

その舞台で観た動物たちが、
なんともかわいく、
癒やされたのだという。
時代が進み、
技術が進化し続ける一方で、
より精神的なストレスを
感じる人も出てくるだろう。
物質的に満たされてしまい
極度の退屈を感じたり、
超高齢化社会により、
孤独を強いられる高齢者も
増えてくる。

そうした社会になることが予想される中で、
「癒やしの提供」には普遍的な価値がある。
どうすれば癒やされるのかが分かれば、
人間はより豊かな暮らしをすることが
できるのでは…。

そんな期待感がチーム全体で
高まっていったことを前川は感じた。

そしてその癒やしを提供するというコンセプトは、
以前、前川がアイデアとして出していた、
動物型ロボットと非常に親和性が高かったのだ。

ロボットを通じて人々に癒やしを提供する。
触れ合った人の反応を読み取って、
その人に最適化された癒やしを提供する。

そうした使い方をすることで、
動物型ロボットは、
未来の人類の新しいパートナーと
なり得るかもしれない。

AI Animal Partnerが
誕生した瞬間だ。

ここからさらに、
メンバーたちのアイデアは加速する。
動物型のロボットにするなら、リアルにすべきだ。
でも、犬や猫は動きが複雑で難しそう。
じゃあ、パンダなんてどうだろう。
日本人が大好きな動物だし、動きもゆっくりだ。
実際に家では絶対に飼うことはできないけど、
ロボットなら飼える。
そこにも付加価値がありそうだね。
飼い主の顔を見て、
行動を変えられるようになったら、
もっと癒やし度が高まるのでは…。
だったら、感情を見える化する必要があるね。
感情の見える化…。
それって、動物型ロボット以外にも
使えるんじゃない?

嬉しい時、悲しい時、喜んだ時、
落ち込んだ時、孤独を感じている時、
ストレスを感じている時、

人はどんな顔をするのだろうか。

それらの感情が可視化できれば、
様々な業界で役に立つものになるだろう。

例えば、うつ病の診断に生かせるかもしれない。
長距離ドライバーの精神疲労を読み取って、
休憩を促せれば、
交通事故を減らしていけるかもしれない。

「感情の見える化」ができれば、
きっと世の中はより
よくなっていく。

プロジェクトを進める中で、
メンバーの一人とつながりがあった、
動物型ロボットを開発している
メーカーとの協議も重ねてみると、
やはり「感情の見える化」に対する
ニーズはあるということだった。

動物型ロボットを使って、
癒やしを提供している一方で、
本当に人がそれを癒やしと
感じているのかに対しては、
なかなか明確な答えを出せずにいたという。

しかし、癒やしを定量化(見える化)するには、
様々なデータを組み合わせる必要があるため、
メーカーは安易に手を出すことはできない。

でも、総合商社の双日であれば、
あらゆるつながりを生かして、
様々な業界からデータを取得することができる。

それぞれの強みを生かせれば、
強力なプロダクトの開発につながるはずだ。

そして「感情の見える化」は現在、
産学官連携で取り組むところまで進んでいる。

「感情の見える化」というテーマは、
チームでアイデアを重ね合わせられる
機会がなければ、
辿り着けない答えだった。

ゼロからイチをつくる新しい道は、
いつだって険しい。
でも、間違いなくやりがいはある。
Hassojitzプロジェクトはこれからもきっと、
新しい未来を生み出し続けていくだろう。

精神的ストレスなどを抱えている人が、
もっと幸せに過ごせる
世の中になってほしい。
前川はそう願って、
現在もプロジェクトを推進している。

※社員の所属部署は取材当時のものです。

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