双日株式会社

TAKUJI MIYADOKORO

宮所 拓自

林産資源部 事業開発課 課長補佐
2003年入社 農学部卒業

心を開く。
20代で痛感した、その大切さ

01
熱意が空回りし、
人心を掴めない日々

あのときは辛くなかったと言えば嘘になります。入社5年目、私は双日子会社の副社長として、ベトナムに駐在しました。赴任先は、製紙原料用木材チップの製造・輸出会社。ベトナム人従業員300人の中で日本人は私のみ。「自分の力で、会社を良くしよう」。そんな熱意を抱いて指揮をとっても、経験豊富な現地の役員からみれば、私は“経営経験のない新参者の若者”です。例えば、生産性向上に向けた取り組みを指示しても、役員は真剣に耳を傾けてくれない。当然、従業員の統制もとれなくなる。熱意ばかりが先走り、感情的な物言いをすると、彼らの心はさらに遠のいていく。完全に、空回りの状態でした。現代的なホテルなどない辺鄙な地域の1軒家に暮らし、朝から晩まで役員たちと行動を共にする。ときには、木材チップの船積みのために工場や船で寝泊まりもする。ストレス発散の機会もない環境で、いつしか私は「早く日本に帰りたい」と思う日々を過ごすようになっていました…。しかし、些細なきっかけから事態は好転しました。ある日の仕事終わり、工場の生産責任者が私を家に招待し、ビールと焼きそばを振る舞ってくれたときのことでした。

02
国籍や人種、言葉の壁を超え、
心から理解し合う仲間に

「君も若いのに大変だ。助けてあげたい」。私が腹を割って悩みを伝えると、彼はそう言ってくれました。その日以降、ムードメーカー的存在だった彼の影響もあってか、従業員は次第に協力的に。最終的には、自然と従業員から業務改善案が上がるようにまでなり、生産性も大きく向上しました。心が通じ合うと、別れは辛くなるもの。駐在から3年後、私の送別パーティでは彼らも私も涙を流しながらハグし、別れを惜しみ合いました。企業マネジメントは、共に働くメンバーと心から通じ合うことが何よりも重要。身をもってそう理解しましたし、帰国後も、若手が活き活きと自由に発想でき、挑戦できる雰囲気づくりを心がけるようになりました。かくいう私も、いまは大きな目標に挑んでいる最中。大学時代からの夢だった林産資源の新規事業開発を担当しています。日本は国土の約2/3が森林ですが、いまだに木材は輸入に依存。私は、“最後のフロンティア”とも呼ばれる日本の森林資源の活用を事業化し、森林環境保全で社会に貢献したい。事業をつくる苦しみと喜び、さまざまなパートナーへの感謝を噛みしめつつ、いままさに挑戦中です。

※社員の所属部署は取材当時のものです。