マイベジタブル

2016年3月

(所属組織、役職名等は本記事公開当時のものです)

株式会社マイベジタブル。
2014年4月1日に双日が100%出資で設立した農業法人である。農業法人へのメジャー出資は大手商社として「初」の試みだ。立ち上げ当時の想いを本田社長は、「取引先も新規で何もない状態から開発、売上も完全にゼロからスタートでしたから、とにかく、不安と焦りでしんどかったです」と語る。

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高床式砂栽培農業

千葉市緑区の農場で生鮮野菜の栽培・販売を行なっており、現在では農場は二つ。農地の広さは合わせて1ha程であり、栽培された野菜は関東近郊のスーパーや業務用卸を中心に販売されている。

何よりも最大の特徴は「高床式砂栽培農業」を導入している点だ。

高床式砂栽培とは何か。

「高床式のベッドに砂を敷いて野菜を栽培する農法」である。
「農業」に対する世間一般的な考えは田畑で腰をかがめて土を耕す姿だろう。
しかし、そんなイメージを一新する農法がマイベジタブルでは導入されている。

高床のベッドで栽培することにより、腰への負担が少なく作業効率がアップした。新規就農者や高齢者、車椅子の方による農作業への従事を容易にする。そして、土の代わりに砂を培地にするため、一般の農業で必要な熟練技術を要する土壌づくりが一切不要なのだ。他にも連作により生じる生育障害の回避や、生育の高速化、食味や鮮度の向上、通年での安定的栽培などのメリットが挙げられる。

この栽培農法を確立するためには、他社との連携が不可欠だった。マイベジタブル、東レ建設、茂広組、グリーンファームの4社が業務提携契約を締結。技術開発企業である東レ建設は、本業(建設業)で培った強度計算、重力対応性、水平保持性のチェック能力により、液ムラの無い安定した栽培棚を実現させた。また、ベッドを包むシートは最低限の通気性を保持しながら砂がもれない特別なシートを導入した。さらに、最低限の液肥しか与えない超ストレス農法を採用する事で、日持ちのいい強い野菜が育つだけでなく、肥料の垂れ流しの減少、農薬の大幅削減等、環境に優しい農業が実現している。

2015年11月には第2農場が完成

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遮光カーテン、防寒カーテン(夏の強い日差し、冬の寒さをしのぐ)

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リバースアンブレラ(施設内の温度を調節する)

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水分補給チューブ(均等に水分補給を実施)

第1農場での課題を基に、遮光カーテン、リバースアンブレラ、温度変化に耐性のある水分補給チューブの設置、育苗トレイを使った定植方法の開発など現場で独自の改良を重ねた。その結果栽培効率が大幅に改善。パクチーを例に挙げれば、出荷までの期間を約10日も短縮させることに成功した。

栽培可能な品目は50種類以上

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フルーツピーマン

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トマト

マイベジタブルの栽培品目はラディッシュ、フルーツピーマン、パクチー、トマト、イタリアンパセリ、ルッコラ……と多岐に渡る。高床式砂栽培でできる野菜はなんと50種類以上。特に栽培期間の短い葉菜類を得意としている。

現在スペアミント等、同じ葉菜類でも「多年草」の栽培にもチャレンジし播種や定植等作業工程を減らすことにより人件費を中心に更なるコストダウンに日々挑戦している。

マイベジタブルのこれから

将来的に全国の都市近郊に合計20ha(東京ドーム約5個分)まで農場を拡大し、複数の農場を保有することで通年の供給体制を構築していく。また、旬の生鮮野菜の生産時期を各拠点で順番につなぐことで、同一品質の生鮮野菜を一年通して安定的に提供する。

双日の食料・アグリビジネス本部の最重要使命である「安心・安全な食料資源の安定確保」に繋がる挑戦をこれからも続けていく。

プロジェクトメンバー
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本田 欣之
(株)マイベジタブル出向
1990年入社
2014年4月の(株)マイベジタブル立ち上げ以来、千葉の現地に単身赴任。
経営全般と営業を統括。 長い間、「儲からない」というレッテルを張られた農業を、「儲かる仕事」に変え、就農人口増に結びつけ、疲弊する日本農業の活性化に貢献したい。

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伍賀 禎
アグリビジネス部 事業開発課
1992年入社
農業者の高齢化、担い手減少、耕作放棄地の増加、TPP導入等、日本農業を取巻く環境は厳しく、ビジネスとして農業は未知の領域。このチャンスを活かし、農業の双日に向けて開拓者精神で突き進みたい。

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