双日株式会社

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リート事業

~持続的成長を大きなキーワードに商社の新しいビジネスモデルとしての成長をめざす~

2014年10月

(所属組織、役職名等は本記事公開当時のものです)

2014年4月24日、双日リートアドバイザーズが資産の運用を行う日本リート投資法人が東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場。双日は本格的にリート事業への取組みを開始した。今、個人投資家も注目するリート事業について、その仕組みと今後の展望を紹介する。

[ニュースリリース]「日本リート投資法人」の上場のお知らせ

リートとは?
(REIT:Real Estate Investment Trust /不動産投資信託)
投資家から集めた資金および借入による調達資金を
主に不動産に投資し
不動産から得られる収益を、投資家に分配する商品(仕組み)

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少額でも不動産投資が可能なリート

双日は2013年12月、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・アセットマネジメント㈱およびアジリティー・アセット・アドバイザーズ㈱と共に、双日リートアドバイザーズの経営をスタートした(双日67%出資)。

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双日リートアドバイザーズ
水野 文彦 専務取締役

リートについて、双日リートアドバイザーズの水野文彦専務取締役は、「投資家の立場でいうと、通常、不動産売買には少なくとも数千万円単位、億単位の多額の資金が必要ですが、リートの場合、数万円から100万円程度の少額で投資でき、かつ経験豊富なプロが運用しているというメリットがあります。今まで不動産投資をしていなかった人でも投資しやすい環境を、Jリートという市場を開くことで国をあげて推し進めたということです。さらにリート事業には、不動産市場と資本市場を有機的につなぎ、幅広い資金を不動産に呼び込むことで、社会資本の整備につなげるという社会的な意義もある。総合商社として取り組む意義はここにあります」と説明する。

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双日リートアドバイザーズ
南郷 兼寿 業務企画部 部長

「今、証券取引所に上場されているJリートは、日本リート投資法人を含め46銘柄(2014年9月末現在)ありますが、その総資産、すなわちリートが持っている不動産の総額は約12兆円に達しています。2009年の約7・5兆円から5年でここまで伸びている。時価総額は、株式会社の株式に相当する投資口でいえば、約3兆円だったものが約9兆円と3倍近くになった。マーケットとしても伸びています」。(双日リートアドバイザーズ 南郷兼寿業務企画部長)

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商社の新しいビジネスモデルとして

双日の旧個社であるニチメン、日商岩井はそれぞれ不動産業界では40年以上の実績があり、分譲マンションではパイオニア的存在でもあった。ただし、事業内容は作って売るという開発がメイン。とにかく作って売っていた。そして、リーマンショックの影響により不動産事業は大打撃を被る。「売れる予定だったものがすべてキャンセルされ、新規案件が軒並みストップしてしまう事態に見舞われました。これらの資産を活用して、安定的に成長でき、かつ持続可能なビジネスモデルとは何か、検討に検討を重ねました。そして、これは上場リートへの参入しかないという結論に至ったのです。それは、商社の新しいビジネスモデルとしてのひとつの解を出すための挑戦でした」(水野)。

まずは2011年、保有していた4物件(177億円)を拠出、アセットマネジメント業務の豊富な実績のあるアジリティー・アセット・アドバイザーズのパートナーシップを得て私募リートでの運用を開始。その後、市場に出るきっかけとなったのが2012年の政権交代。ここから一気に潮流が変わり、Jリートのマーケットが開き、不動産を取り巻く環境も好転。双日は、資産運用に関する長い経験とノウハウを持ち、人材を拠出できるクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・アセットマネジメントもパートナーに選定することで、上場リートの運営に十分な体制を整備した。

信頼を捉えるためにはスピードを武器に

現在、日本リート投資法人は20物件、約700億円の資産を保有している。投資対象は、オフィスビル、住宅(賃貸マンション)、商業施設。コンセプトは、投資対象物件を原則第三者より相対取引で買うことによって、投資家との利害一致を徹底して追求すること。「利益相反を徹底的に排除し、投資家さんと同じ目線・同じ立場で外から物件を買ってきてこのリートを育てることがいちばんの特徴です」(水野)。

日本リートの現在の業界での位置付けは、46銘柄のうちでは45番目の上場、資産規模は704億円で下から3番目。まだ存在感は小さい。まずは投資家からの期待に応えるために2000億円規模を目標に早急に成長していく必要がある。

「最も大切にしているのは、双日グループ行動指針にも示されている“信頼”と“スピード”。信頼を捉えるためには、スピードを武器に成長軌道に乗せていくことが課題です。それがマーケットから、そして投資家から求められていること」(南郷)。「モノを持っていて売りたいと思っている人のニーズを的確に把握してタイムリーに応えるということ。要するにご用聞きです。上場してまだ数ヵ月半ですが、これを継続的にやり続けることで業界の中での存在感、双日に相談してみようという動きが、マーケットの中に浸透しつつあります」(水野)。

しっかりとした収益基盤を作ることが本リート事業の目的としてある。事業はスタートしたばかり。会社に、そして社会に貢献したいというのがメンバー共通の想い。「このリート事業の将来的な展開としては、例えば双日が海外でインフラ投資をする、事業投資をする時の受け皿としてリートに類似した枠組みを活用していきたい。今の流れの発展型、ステップ2、ステップ3として、このリート事業を立ち上げる時から構想していることです」(南郷)。「機能型商社のひとつの解として成長した姿を見せたい。大きなキーワードは持続的成長です」(水野)。

プロジェクトメンバーの声(双日リートアドバイザーズ)
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古田 幸治(投資運用部 部長)

一般の事業法人と異なり、リートは資本の蓄積ができないため、常にエクイティマーケットから資金を調達する必要があります。頭では分かっていたことですが、エクイティマーケットおよびデット調達先である金融機関に接することで、あらためてその厳しさと緊張感を実感しているところです。

投資家の最大の関心は資産規模の拡大、つまり外部成長で、それを実現できるかどうか、スポンサーの信用力と資産運用会社の運営能力を非常に重要視しています。他人資本ビジネスに参入する意思決定をした双日にとって、リート事業の成功が今後の同様のビジネスの試金石にもなることから、早期に資産規模を拡大し、着実に投資家の評価を高めていきたいと考えています。

併せて、日本リート投資法人の上場を契機に、不動産ビジネスのバリューチェーンを展開し、双日における新たなビジネスモデルを構築できればと考えています。

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大塚 重毅(投資運用部 部長代理)

今、投資家さんからいちばん期待されていることは、「日本リートさん、早く大きくなってね」。それに対する我々の誠意の示し方は、とにかく良質な不動産資産を積み上げ、資産規模を拡大すること。そういうきわめてシンプルな図式が目下の経営課題だと認識しています。

日本リート投資法人が保有する物件の一部

FORECAST市ヶ谷 タワーコート北品川
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FORECAST新宿SOUTH FORECAST新宿AVENUE

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