ボレロを利用して日本で始めて貿易事務手続きの電子化を実現
2000年10月5日
日商岩井株式会社は、ボレロを利用して日本で初めて貿易事務を電子化します。最初に電子化するのは日本からアメリカ向けの化学品の輸出案件です。99年7月より、三和銀行と実証実験を重ねてまいりましたが、その蓄積に基づき10月後半より試行を開始し、12月より本格的に実用化します。
ボレロ・ドットネットは、インターネットを利用した企業間電子商取引のサービスであり、電子化した船荷証券等貿易書類を安全・確実にやり取りする、欧州発の貿易金融EDIサービスです。
試行開始するのは、半導体製造用の高純度洗浄剤。年間1000トンの洗浄剤を、大阪港より積み込んでシアトルで揚げその後、鉄道を利用してダラスまで輸送しています。日本の化学メーカーより仕入れ、日商岩井米国会社経由テキサスインスツルメント社他に販売しています。ボレロを利用して船積書類を簡略化するのは年間1000トンの半分、500トンの船積分が対象となります。
キャリアーのJ.I.T.は、船荷証券(B/L)を紙ではなく電子データで発行します(BoleroBL)。今回試行するケースにおいては1コンテナーあたり16トンの貨物が毎週のように船積みされるため、BoleroBL以外の船積書類(インボイス、パッキング・リスト等)と共に電子的にデータ交換を行うことにより船積書類の作成や書類配送などの作業が大幅に軽減されることになります。現状の制度では通常のB/Lも並行して発行しますが、今後法制度的な問題が解決されれば、データでのB/L発行が一般的になってゆくものと思われます。
日本からの輸出ですと、特に韓国向けや中国向けなど船足が早く、2~3日で船が着いてしまう場合に紙でなくデータで発行するB/Lは、非常に効果的です。また、決済部分に関しても、三和銀行の全面的な支援により日商岩井米国会社からの日本向け決済を、電子データで行うことにより、迅速かつ正確に実施することができます。
当社では、デリバリーが繰り返しなされるようなビジネスからこのボレロによる作業効率化を進めてゆき、ここ2~3年のうちには米国向けを中心に全社の船積書類の40%程度をボレロに移行する考えです。
以上