双日株式会社

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日本初の「企業共有e審査部」を設立

2000年9月9日

アイ・ティー・エックス株式会社、日商岩井株式会社、ニチメン株式会社)、株式会社東京商工リサーチは、総合商社のコア・ノウハウの一つである、審査・与信管理機能をインターネット上で安価で提供する事業会社、リスクモンスター株式会社(資本金:3億2千5百万円)を共同で立ち上げることを決定いたしました。

ベンチャービジネスのインキュベーションの事業化を目指すITXの狙いと、「ネット商社」を標榜し、総合商社の伝統的職能価値の最大化を目指す日商岩井の思惑とが一致したもので、ITXとのSBA(戦略的提携協定)に基づきIT分野の強化を図るニチメン、及び、国内最大級の信用調査企業としてECへの展開を戦略的に進めている東京商工リサーチの賛同を得て、平成12年9月中に会社を設立、平成12年12月にサービスを開始いたします。

尚、東京商工リサーチの係る合弁事業への出資は、初めてのケースとなりますが、「中立性」等の同社の基本コンセプトと新会社のコンセプトが合致したことに加え、EC分野では出資参画による提携戦略が今後不可欠となるとの判断により、今回、「出資」という一歩踏み込んだ形での新会社への事業参画を決めたものです。

【事業・サービス内容の概要について】
新会社は、東京商工リサーチの所有する130万社の企業情報データをリソースとして、日商岩井・ニチメンの長年の与信管理ノウハウにより開発した審査ロジックにより、瞬時に信用格付及び推薦取引限度額を算出し、インターネットを通じて、審査組織が独自で整備できない中小企業、会員審査においてリアル・タイム性が強く要求されるEマーケットプレイスに対しスピーディかつ安価に情報配信を行って行きます。

別途会費を支払ったユーザーに対しては、与信照会取引先のポートフォリオ管理サービスとして、ポートフォリオ全体のリスク量の算定、不安情報のトレース、与信限度額の定期見直しを自動的に代行し、いわばユーザーの自社審査部の如く機能を発揮していきます。

また、パソコンの汎用ソフトにダウンロードできるよう設定し、ユーザー各社の顧客データ管理にも、対応し易くするともに、コール・センターの設置により、与信相談に応え、要望があれば実地コンサルティング・サービスも行い、ネット上のサービスに留まらない審査機能の一貫したアウトソーシング・サービスも展開していきます。尚、日商岩井は、この審査機能を使ったサービスに
ついて、ビジネス・モデルを特許出願済みです。

更に、第二段階としては、金融機関からの出資受入れ、提携により与信判断にファクタリング、信用保険等の金融サービスを組み合わせたサービスをユーザーに対し提供することも予定しておりパートナー選定の作業に入っています。

【新会社サービスの特徴について】
① ユーザーの企業体力を先ず測定し、ユーザーの体力に応じた推薦与信限度額の設定、与信ポートフォリオ形成のためのアドバイスを行うため、ユーザーは自社審査部の補完、または、代わりに新会社サービスを利用できます。(個別化、カスタマイズ)
② 国内最大級の信用情報企業である(株)東京商工リサーチの130万社の企業情報データ・ベースの利用により、各ユーザーの照会する取引先の規模・業種等に係らず、ほぼ全てに対し回答が可能です。(網羅性・汎用性)
③ 徹底したコスト削減努力により、1照会当たりの単価、管理料を低く押さえることに成功し、各ユーザーの審査コスト、審査組織・人員の組成、維持に係るコストを大幅に削減することが可能です。(経済性)

これまで金融機関・商社等を除く大部分の企業で、専門性・コスト面がネックで整備が遅れていた審査組織の代行を経済的且つスピーディーに、一括して代行引受け、いわばユーザー企業共有の「e審査部」として機能し、各ユーザー企業の発展に寄与していくことを目標としております。

【マーケット、事業計画】
新会社のユーザーは、中小企業を中心とした一般企業、それにEマーケットプレイス(会員審査)に大別できます。Eマーケットプレイスは、日商岩井、ITXとNTT-Xの合弁企業であるイービストレード株式会社のインキュベートする業界ポータルサイトを始め、ITX、ニチメンの展開するサイトを中心に、サービス展開を図っていきます。

一般企業に対しては、ITX、日商岩井、ニチメンの関係会社、顧客企業への提供からスタートし、売上規模10億円から1000億円の範囲の約15万社をターゲットとして、営業開始3年目に売上高15億円、会員数5000社を目標にし、3~5年目のIPOを視野に入れております。将来的には、約1万社の顧客確保を目指し営業展開していく予定です。

【資本構成、パートナー関係】
新会社へは、ITX、日商岩井、ニチメン、東京商工リサーチに加え、Eマーケットプレイス事業との相乗効果発揮のためにイービストレードも出資いたします。その他には、本ビジネス・モデル特許の発明者である日商岩井の若手社員2名を含む取締役3名が出資を決定しております。また、常勤役職員に対する、ストック・オプションの導入も決めております。創業時に事業立上げを実行した人員が出資するケースは、商社業界では初めてであり、日商岩井・安武社長の企業内ベンチャー育成戦略の発露として、今後の業界のモデル・ケースとなると考えております。

尚、新会社は、今後、金融サービス等のサービス・メニューの充実、営業力強化、中立性の醸成を図るべく各種金融機関、事業会社に対し、広く出資参画を呼びかけて行く予定です。

Ⅰ.新会社の概要

新会社名 リスクモンスター株式会社(RISKMONSTER.COM)
設立予定 2000年9月初旬(サービス・イン2000年12月)
資本金 3億2千5百万円
出資者 ITX 36.9231%
日商岩井 33.8462%
ニチメン 24.6154%
東京商工リサーチ 1.5385%
イービストレード 1.5385%
経営陣他 1.5385%

Ⅱ.新会社の主要事業内容
① 会員企業向、リアルタイム与信判定サービス
② 会員企業向、取引先ポートフォリオ管理代行サービス
③ Eマーケットプレイス向、自動会員審査、会員管理サービス

Ⅲ.3年目の目標
① 売上高 : 15億円
② その他 : 3~5年目にIPO

Ⅳ.将来展望
金融機関からの出資受入れ、業務提携により、基本の審査・与信管理サービスに取引信用保険、ファクタリングサービス等の金融サービスを順次装備してゆく予定です。


以上

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