北米自由貿易協定(NAFTA)圏で広域経営を一体化日商岩井米国会社がカナダ法人、メキシコ法人の株式を100%取得
2000年2月18日
日商岩井株式会社の米国法人である 日商岩井米国会社(Nissho Iwai American Corporation(NIAC))は、日商岩井カナダ会社 と 日商岩井メキシコ会社 の 日商岩井株式会社持分株式の全てを取得し、北米自由貿易協定(NAFTA)3ヶ国において、NIACが経営を一体化いたします。日本商社が、米国子会社が両国の子会社を完全に傘下に収め経営の一体化を実現するのは初めてです。
持株の変更: カナダ会社 メキシコ会社
日商岩井株式会社の持分 100% → 0% 42% → 0%
日商岩井米国会社の持分 0% → 100% 58% → 100%
今回のNIACによる100%株式取得により、NAFTA圏でNIACを頂点とする縦列関係が明確化され、経営の一体化により広域経営/スピード経営/効率経営が一層強化され、これにより収益拡大に加え、日商岩井グループの連結決算への対応の簡素化が実現されます。またNAFTA圏内で国境を跨いだ連結納税制度を活用することも可能となります。
1998年のメキシコの全輸出入において、対NAFTA圏向けが輸出89%、輸入78%と非常に大きな位置を占めており、同国はNAFTA圏との貿易に大きく依存しています。しかも一般交易において域内優遇が進みつつあり、域内取引が域外取引よりも増加する傾向にあります。またメキシコでは2000年11月にマキラドーラ(保税企業)制度の変更が予定されており、マキラドーラに対してもNAFTA域外からの設備、原材料の輸入に関税が課せられることから、これら輸入品の調達先を
NAFTA域内へと変更しようとの動きが盛んです。
カナダについては1998年度の輸出の84%、輸入の77%が米国に依存しており、米国にとってもカナダ、メキシコは貿易相手国として 1位と2位の位置を占めることから、今回の新しい経営体制へのシフトは時代の流れを先取りしたものと言えます。
NIACは、NAFTA圏内の自動車、情報技術(IT)、リテール、金融テクノロジー(FT)分野を重点分野と位置づけおり、この新たな体制戦略を通じて積極的な展開を図ります。
以上