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CFOメッセージ

中計2020 1年目の振り返り

基礎的キャッシュ・フローの黒字が大幅に拡大、財務体質の強化を実現

中計2020の初年度である2019年3月期は、中計2020の基本方針として掲げる「規律あるBS・CFマネジメント」に取り組みました。予定した資産入替案件を前倒しで回収したこともあり、基礎的キャッシュ・フローの黒字幅が計画以上に拡大しました。キャッシュを回収しながら収益性を向上させることを重視しており、その点においても初年度としては順調な滑り出しと考えています。中計2020では3,000億円の投融資額を見込んでいますが、成長投資と同時に資産入替を進めることで、中計3ヵ年累計で基礎的キャッシュ・フロー1の黒字を堅持していきます。

この基本的な考え方のもと、初年度のBSマネジメントにおいては、投融資を実行し優良資産の積み上げを進めるとともに、ほぼ同規模の資産入替を通じてキャッシュの回収を行うことで、ROAが向上したと考えています。加えて、有利子負債の削減とともに金利・為替変動に対する耐性強化の取り組みも奏功し、ネットDERは0.95倍となり、市場変動などの不確実性を含めた前提で設定している「1.5倍以下」という目標値を大きくクリアしました。一定の投資を実行しながら、財務体質の強化を図ることができていると認識しています。一方で、昨今、米中貿易摩擦を端に、先行きが不透明な経済環境となっていますが、在庫や与信管理などに関してはこれまで以上に注視していきます。

*1 基礎的キャッシュ・フロー=「基礎的営業キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フローから運転資金増減を除く)」+「投資キャッシュ・フロー(資産入替含む)」「- 支払配当金」

確実な収益化に向けて

投融資実施済み案件のバリューアップに向けた推進体制の取り組みを進める

中計初年度である当期は、1,100億円程度の投融資を見込んでいましたが、結果は910億円となりました。収益性の低さを見込み審議の段階で融資を取り下げた案件や、期ずれの投資案件があったことによるもので、「3ヵ年の累計投融資額3,000億円」の実現に向けての進捗はほぼ順調と見ています。

今後の成長のためには、一定の資産を積み上げていくと同時に、既存事業を含む個々の案件の収益性・リスクなどを徹底的に洗い出し、精査していかなければなりません。投融資審議会でさまざまな立場のメンバーが議論を尽くすなかで、私は議長として常に冷静な眼で、慎重に判断するよう心がけています。

また、取得した事業会社の経営において収益を上げ、かつ一層のバリューアップを実現するために、PMI2ワークを重視しています。2018年4月、投資先の事業会社を円滑に運営できるよう営業本部を支援するM&Aマネジメント室を立ち上げました。事業運営の戦略実行の主体は当然のことながら事業会社の営業主管本部となりますが、事業取得後、成長戦略をいかに実現していくか、営業本部に設置したコントローラー室と連携して具体的な計画策定の段階から取り組んでいます。確実な収益化と投融資の効率化に向け、専門性を持つコーポレート組織であるM&Aマネジメント室が深くコミットしていくことは極めて重要と考えており、今後はPMI事例から得たノウハウを全社に共有し、さらなる事業経営の習熟度向上を図っていきたいと考えています。

*2 Post Merger Integration:M&A後の統合効果を最大化するための統合プロセス。

資本効率

資産の“良化”を推進し、株式価値の向上を目指す

私は、資本コストの低減を含む資本効率の改善を最重要責務の一つと認識しています。当社の資本コストは7~8%と認識しており、2019年5月に初めて公表しました。投資家の皆様と緊密にコミュニケーションを取らせていただき、適切に情報を開示することで、情報の非対称性格差を最小限に抑えて株式価値を適正に評価していただく。これがリスクプレミアムの低減につながると考えています。

もちろん、株式価値向上のためには、資本コストを上回るROEを達成してエクイティスプレッドをさらに拡大していくことが必須です。マクロ環境における不確実性が高まるなか、今後の投融資は従来以上に慎重に判断すべきです。キャッシュ・フローの規律を崩さず、常に利益効率を重視して新規投資を行うとともに、事業のサイクルを見極めながら、真に良質な資産への入れ替えを進めるポートフォリオマネジメントを行い、ROAの向上を目指します。このように財務規律を堅持しつつ、良質な利益を生み出し続けていくサイクルを構築することが、当社の持続的な成長につながるものと確信しています。

社長メッセージ(HTML版)

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