●第95期(平成11年3月期)決算概況●

日商岩井株式会社


1. 概 況

当社は1998年10月1日から策定開始の次期中期経営計画の実施に先立ち、1998年9月25日開催の取締役会におきまして、金融資産の整理・圧縮による一層の財務体質強化を図ることを決議し、国内金融子会社への貸付金の債権放棄を含む不良金融資産の一掃に着手いたしました。併せて財務体質の改善と収益構造の改革を2大方針とした「経営体質改善 新3.5ヵ年計画」の策定に着手し、その一環としての経営改善策として、1998年10月に三つの委員会(財務体質改善委員会、経費削減委員会、関係会社強化委員会)を発足させました。これらの方針および改善策に基づき、2002年3月31日までに、営業資産・固定資産・金融資産および投融資の圧縮、1,000人の人員削減を含む販売費および一般管理費の削減、関係会社の統廃合・経費削減を含む連結経営強化への目標を決定し、すでに一部実行に着手してまいりました。
さらに組織の合理化、リスクマネジメントの強化、早期退職制度の拡充を含む新人事制度の導入等の機構・制度改革とともにマネジメント改革にも着手いたしました。
以上の諸施策に基づき、当期におきましては、おおむね公表しました計画どおりの処理を実行いたしました。すなわち、短期信託金の全額整理につきましては279億円、投資信託の全額整理につきましては122億円、金融子会社エヌ・アイ・ファイナンスの清算による当社貸付金の全額整理につきましては1,182億円、ワールド・リーシングの支援損につきましては92億円、合計1,676億円の損失を計上し、不良金融資産の整理を完了いたしました。さらに、経済の低迷が懸念される特定国向けの債権につきましての134億円の貸倒引当金の計上ほかを加え、特別損失合計1,916億円を計上いたしました。なお、これらの損失処理を填補するため、当社関連会社ニフティの株式ほか投資有価証券の売却により523億円、大阪本社ビルほか固定資産の売却により219億円の合計741億円の特別利益を計上いたしました。


2. 売 上 高

平成10年度の売上高につきましては、7兆7,835億円と前期比9,452億円(10.8%)の減少となりました。
取引形態別に見ますと、輸出取引は機械の減少により前期比14.8%減の1兆1,210億円で、輸入取引はエネルギーの減少により前期比0.6%減の1兆9,406億円、海外取引は機械、物資およびエネルギーの減少により前期比16.4%減の1兆6,011億円、国内取引は金属、木材・物資・化学品および機械の減少により前期比11.9%減の3兆1,208億円となりました。
商品別では、木材・物資・化学品で15.5%、エネルギーで14.1%、繊維で13.2%、機械・建設で9.4%、金属で9.4%と、食料を除き減少となりました。


3. 損 益

営業総利益は前期比83億円(6.4%)減の1,226億円となり、販売費および一般管理費を差し引いた営業利益は前期比71億円(24.4%)減の219億円となりました。
経常利益は、受取配当金等の増加により、前期比112億円(31.9%)増の461億円となりました。特別損失は前述のとおり、合計1,916億円を計上し、一方特別利益として前述のとおり合計741億円を計上いたしました結果、税引前当期純損失は713億円となりました。
これより、税効果会計の適用による法人税等調整額ほかの計上により、当期純損失は542億円となりました。


※提供している情報に関しては万全を期していますが、悪意の第三者による改竄等の恐れもありますので、ご注意ください。
close