双日株式会社

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第三者意見

藤井 敏彦 氏

経済産業研究所コンサルティングフェロー
埼玉大学大学院経済科学研究科客員教授
藤井 敏彦 氏

双日グループは昨年4つの「重点取り組みテーマ」を定めCSRの取り組みの方向性を明確にした。加瀬社長は、本年のレポートにおいて、グループのCSR活動を、事業活動を通じた社会への貢献と位置づけ、重点取り組みテーマに一層注力する決意を述べておられる。したがって、以下4つのテーマを中心に同グループのCSR活動の評価と今後の期待について述べることとしたい。

4つの重点取り組みテーマ

①サプライチェーンにおけるCSRの推進

サプライヤーに対する「双日グループサプライチェーンCSR行動指針」の周知とともにアンケート調査が実施された。昨年、対話を通じてサプライヤーと共通の理解を形成するとともにサプライヤーの労働・環境に関する現状を把握することが重要である旨指摘したが、本年の双日グループは望ましい方向に向けた重要なステップを踏み出した。取り組み状況の開示、コンティンジェンシープランの策定の2点は引き続き今後の課題として挙げておきたい。

②気候変動防止に貢献する事業の推進

ブラジルでのバイオエタノール事業など同社の事業と気候変動防止との関係がわかりやすく解説されている。今後の期待であるが、鉱山開発など一般に環境影響が大きいと考えられる事業活動にどのように「双日環境方針」が適用されているのか、特に環境影響の最小化の努力についてレポート等での記載を望みたい。

③途上国、新興国の発展に寄与する事業の推進

ロシア極東地域におけるコージェネレーション化プロジェクトなど掲載された事業はいずれも地域経済に貢献することが期待される。プロジェクトと地域社会との関係についての言及があれば、より同グループの事業と途上国、新興国の発展の関係に関するより多面的理解を促進するだろう。

④社員一人ひとりが能力を発揮できる制度・環境の整備

育児休職期間の延長、ベビーシッター利用補助制度などのワークライフバランスの推進、女性の活躍を促進するダイバーシティ推進はいずれも重要な前進であり更に注力していただきたい。また、全ての従業員に能力と希望に応じて世界で活躍する機会が開かれているべきであり、そのような観点から、グローバル人事戦略の推進が本社の人材面でのグローバル化にもつながることを期待したい。

グローバルな社会貢献、東日本大震災復興支援

タンザニア就学前教育支援プロジェクトは国際社会の共通の課題となっているアフリカの子供たちの教育機会の拡大に資することが期待される。また、役職員のボランティア活動支援、5億円にのぼる双日復興支援教育基金の設立などのイニシアティブは東日本大震災復興への双日グループの強いコミットメントを示すものである。いずれも役職員の主体的参加が成功をもたらした鍵である。

おわりに

最後にステークホルダーとの対話の重要性について触れたい。世界で、また日本においても克服すべき社会的課題は増える一方である。しかも、国連ラギーフレームワークの合意、紛争鉱物問題の米国での法制化など変化のスピードは加速している。かかる背景にかんがみれば、幅広いステークホルダーと対話の場を設けることは双日グループのCSRへの取り組みをさらに深化させる上で有益であろう。双日グループはそのグローバルなビジネスネットワークを通じて国際社会の諸課題の解決に大きな貢献をなす力を有しており、また、本年のレポートから明らかなようにその意思を有している。更なる前進を期待したい。

第三者意見をいただいて

「アニュアルレポート2011」発行に際し、昨年に続いて貴重なご意見をいただき誠にありがとうございます。

双日グループは、持続的な成長を実現するためには社会や環境への配慮が不可欠であると認識し、CSRを重要な経営課題の一つと位置付けて取り組んでおります。2010年度は引き続き4つの重点取り組みテーマに注力し、サプライチェーンにおけるCSRの推進ではアンケート調査を通じてサプライヤーとのコミュニケーションを深めるなど、昨年いただいた指摘を踏まえて着実に歩みを進めてまいりました。また、CSRの喫緊の課題である東日本大震災の復興支援に関しても、いただいたお言葉を励みに継続的に取り組んでいく所存です。

当社グループを取り巻く環境が激変する中、信頼される企業であり続けるためにも、国際社会からの期待や要請を常に意識し企業活動に取り入れていくことがこれまでにも増して重要になってまいります。今後もよりよい情報開示に努めるとともに、ステークホルダーとの対話のあり方も工夫し、CSRの取り組みを深化させていきたいと考えております。

花井 正志 CSR委員会 委員長 執行役員

花井 正志

CSR委員会 委員長 執行役員

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